2021年7月の記事

『夕霧花園』7月24日、全国でたった4館での公開は寂しい。旧日本軍の残虐行為が背景だが、たくさんの題材が埋め込まれているのに、映画全体に静かな通奏低音がずっと流れている。急いでいない。頑として視点をずらさないぞという決意が見える。

映画備忘録。7月27日、あつぎのえいがかんkikiで二本続けて。 1本目。 『夕霧花園』(2019年製作/120分/PG12/マレーシア/原題:夕霧花園 The Garden of Evening Mists/原作:タントウ・アンエン/監督:トム・リン/出演:リー・シンジエ(1940~50年代テ…

広島市、8月6日までに84人の原告に被爆者健康手帳交付の予定。問題は、原告と同じような事情にあった人たちに対する対応だ。「談話」は政治判断で上告を断念するとしていて、必ずしも今までの国の立場を変更しているわけではないし、控訴審の判決を受け入れているわけではない。 だとすると、原告以外の人々の救済や、長崎の未認定の方々への手帳交付がすんなりとなされるのかどうか気がかりだ。また、国と広島・長崎県・市との間に齟齬が産まれやしないだろうか。

追記 黒い雨訴訟のことだが、広島市は原告84人に対し、8月6日までに被爆者健康手帳の交付を行いたい旨表明している。ぜひやってほしい。自分だけ超早くワクチンを打ってしまう市長だからこそ、こういうことも超早くやってほしいものだ。 問題は、原告と同じ…

黒い雨訴訟、政権、上告断念の談話を発表。今となって遅すぎると泉下で訴える多くの被爆者、それに対し、自分の責任は棚に上げ、もうずいぶん時間が経ってしまったから、ほんとうは認めたくはないけど、仕方ないので救済してあげようという「談話」こそもっと厳しく糾弾されなくてはならないのではないか。

7月26日、菅首相は「黒い雨」訴訟の上告断念を発表した。 この日、松井広島市長と湯崎広島県知事は官邸で菅首相と面会の予定だった。市、県ともに被告として最高裁に上告しないことを国に強く要請する予定だった。一審時も県と市は控訴をしない方針を国に伝…

新作浪曲『中村哲』九州・筑豊に始まる生い立ちから、アフガニスタンに1000以上の井戸を掘るところまでを語る。途中、ギター伴奏の歌も入る。堂々の30分。創作浪曲を浪曲界の至宝と言われる豊子師匠の三味線で堂々と語り切った。これは大変なレアもの。いやいやレアであるだけでなく、中村哲さんの貴重な「語る評伝」である。

7月24日土曜日。朝からいい天気である。気温はどんどん上がり35度に近い。 6月19日に予定されていた『浪花の歌う巨人パギやん独演会』が、この日に延期。 時間も17時開演が13時開演に。どうしてこんなことに。 土休日はマークから南町田グランベリーパーク駅…

今年51本目。『茜色に焼かれる』、世の不幸と矛盾を並べてはみたけれど・・・。残念。

映画備忘録。7月17日。あつぎのえいがかんkiki で 『茜色に焼かれる』(2021年製作/144分/R15+/日本/脚本・監督:石井裕也/出演:尾野真千子 和田庵 オダギリジョーほか 2021年5月21日公開) 今年、これが映画館で見る51本目。 タイトルはいい。意表をつ…

『ファーザー』を見た。アンソニー・ホプキンスは、ハンニバル・レクター博士の不気味さもよいが、俳優としては『日の名残り』と『ファーザー』だなと思った。『日の名残り』は30年近く前の映画なのに、現在の彼の実年齢に近い男を演じている。

映画の備忘録 先週の土曜日。ようやく『ファーザー』を見た。 アンソニー・ホプキンスをはっきりと認識したのは『羊たちの沈黙』(1991)だ。『エレファントマン』(1980)はみた記憶があるが、アンソニー・ホプキンスが出ていたことは知らない。『羊たちの…

「台湾です!」和久田さん、いいぞ!

写真はネットから拝借しました どうでもいいことだが、NHKのアナウンサー和久田真由子さんが朝のニュースに出ていたころの数年間、私は彼女のファンだった。ファンと言っても、毎朝ご尊顔と声を聞いて心の平安を得る程度のことだったが。 私はテレビに出てく…

7月23日、一気に五輪翼賛体制に突入か。小中学生見学「コカ・コーラ社製以外のペットボトルは持ち込み禁止で、それ以外はラベルをはがして」。今日につながるろくでもない明日。

東京オリンピックが、とうとう始まってしまった。 どんな開会式だったのか。東京新聞の一面トップ見出しは、 「東京五輪 歓声なき開幕」 直前まで組織委員会はごたごた続き。消えていった人も多い。 「やめるのは簡単」と菅首相。 簡単にやめられるのなら、…

7月7日の「室内楽の世界 レジェンドを迎えて」の動画が公開された。

7月7日の「室内楽の世界 レジェンドを迎えて」の動画が配信されているとのこと。 ブラームスのクラリネット五重奏曲は、客席で聴いた時にはクラリネットが引っ込んでいるように聞こえたのだが、録音ではしっかり聴こえている。自分の耳などあてにならない。

「来ないで、東京」・・・ポリーヌ・ガルシア=ヴィアルドの生誕200年、ピッタリその日のコンサート。19世紀に花咲いた天才音楽家の軌跡

7月18日。昼前に、新規感染者が1000人を超える東京へ二人で向かう。 神奈川も昨日500人超。連日。 神奈川と東京を結ぶ東急田園都市線の急行。ほぼ100%の込み具合。車内に会話をかわす声は聞こえない。それだけが緊急事態宣言下であることのしるし。 「来な…

『戦場のメリークリスマス』4K修復版を見てきた。やっぱりつまらなかった。

あした、土曜日。 『ファーザー』と『茜色に焼かれる』の2本を見る予定。久しぶりに楽しみな映画。『茜色に焼かれる』は2時間30分。邦画としてはかなりの長尺。 で、備忘録を終わらせておかないと、ときょうは4本目の備忘録。 『戦場のメリークリスマス』(1…

『ブータン山の教室』(2019年/110分/ブータン/原題:Lunana: A Yak in the Classroom/脚本・監督:パオ・ジョニン・ドルチ/出演:シェラップ・ドルジ ペム・ザム/日本公開2021年4月)標高4800メートルの高地ルナナ、「ヤクにささげる歌」をうたう村の若い 女性セデュは「わたしはここにいる」という。

またまた映画備忘録 7月15日 kikiで。 『ブータン山の教室』(2019年/110分/ブータン/原題:Lunana: A Yak in the Classroom/脚本・監督:パオ・ジョニン・ドルチ/出演:シェラップ・ドルジ ペム・ザム/日本公開2021年4月) 人口70万人のブータンには、…

『椿の庭』(2020年/128分/日本/監督・脚本・撮影・編集:上田義彦/出演:富司純子富司純子・シム・ウンギョン・鈴木京香・チャン・チェン/公開2021年4月)映画の中心は、そうした一つひとつの家具、これが本当に素晴らしい。また部屋のしつらえ、配置なども。そして季節が変わるごとに表情を変える庭。気がつけば、富司純子演じる絹子さんもまたその一つとなって見つめられ、消えていく。対照的なのは孫娘の渚のシム・ウンギョン。枯れて消えていく家と庭と絹子さん、それに巻き込まれていくかに見えながらそこからすっくと立ちあ

映画の備忘録 7月6日 『椿の庭』(2020年/128分/日本/監督・脚本・撮影・編集:上田義彦/出演:富司純子富司純子・シム・ウンギョン・鈴木京香・チャン・チェン/公開2021年4月) 最初の5分みて、ラストまでもつかな?と思った。写真家らしいという言い方…

『生きろ 島田叡―戦中最後の沖縄県知事』(2021年/118分/日本/監督:佐古忠彦/語り:山根基世 津嘉山正種 佐々木蔵之介/公開2021年3月)感動的ではあるが、やや英雄主義的に島田を描く手法が少し引っかかった。

映画の備忘録 7月6日 『生きろ 島田叡―戦中最後の沖縄県知事』(2021年/118分/日本/監督:佐古忠彦/語り:山根基世 津嘉山正種 佐々木蔵之介/公開2021年3月) 「米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー」の佐古忠彦監督が、太平洋戦争末期の沖縄県知事…

セキュリテイでがんじがらめの横浜市新市庁舎、「開かれた市政を」と市民が要望書。市長室や専用エレベータの表示だってないんだよ。

神奈川新聞7月15日付。 教育委員会傍聴などを続ける市民活動家の竹岡健治さんの呼びかけに応じて、私も市民有志76人の一人になった。 このろくでもない新市庁舎について、昨年8月のブログに次のように書いた。 「・・・教育委員会中心に執務室内部をぐるっと…

松井市長、旧陸軍中国軍管区輜重補充部隊あと保存問題、一部切り取り別の場所で保存活用の案。怪しい。   黒い雨訴訟、広島高裁、地裁判断を支持。

きょう、二つのひろしま関連のニュース。 一つは上の記事。見出しだけ読むと、「市長、やるじゃん」だが、よく読むと、市長の判断は、この問題を早く終わらせるための安易な妥協案ではないのかと思える。 被爆6団体の要求は、専門家を入れての調査を丁寧に行…

モーツァルト・ドヴォルジャークの弦楽四重奏曲、ブラームスのクラリネット五重奏曲、3曲堪能。元気が出た。

7月7日、愉音のソワレのコンサート第15回。青葉台、フィリアホール。 久しぶりの外出。二人で出かける。田園都市線青葉台は近場の都会。しかし、 終演後、お店に寄ることはできても、お酒は飲めない。7時を過ぎてしまうからだ。不自由なことである。酒など飲…

戦後の教員政策の中で最悪の愚策、教員免許更新制を文科省みずから廃止。

戦後の教員政策の中で最悪の愚策、教員免許更新制を文科省みずから廃止。 今回、廃止の原因とされたこの法律の不具合は、成立前にすでに分かっていたものばかり。 私は更新の対象から外れる年齢の一番下だったため、一度も免許を更新をせず、定年後も更新の…

サッカースタジアム建設予定地に見つかった中国軍管区輜重兵補充部隊施設の被爆遺構。被爆6団体が保存・活用へ外部意見を求める。

今朝、鳥の啼き声で目が覚めた。このところ、雨音で目が覚めていたので、少しうれしくなった。 何日ぶりかで傘を差さずに境川散歩。青空が北の空に少し。 小学校の小さな林でセミの声を聞いた。 4,5日前だったか、夜明け前に寝床でセミの声が聞こえたのを思…

旧陸軍の輸送部隊『中国軍管区輜重兵補充隊』の施設の遺構保存問題。広島市はやる気なし。多くの兵隊が犠牲になってはいても、原爆のすさまじい威力は遺骨をも形なく焼き尽くしていったろうし、遺骨を集めることもかなわない状況だったろう。今度発見された広大なこの施設跡から遺骨が出てくる可能性もあるはず。

6月28日のこのブログで、旧陸軍の輸送部隊『中国軍管区輜重兵補充隊』の施設の遺構が、広島市内のサッカースタジアム建設予定で見つかったことに触れ、中国新聞の「大本営発表」的な記事に、サッカースタジアム建設に地元企業として中国新聞が絡んでいるのか…

横浜市長選、混とん。

7月1日に 「今、思い悩んでいるのは林市長ではないか。12年間も市長として働いてきたのに、自民党も市民も自分のほうを向いてくれない…。ぼろ雑巾のように使われるだけ使われて捨てられるのは、プライドが許さない。出るのか出ないのか、あえて火中の栗を拾…

『王の願い ハングルの始まり』(2019年製作/110分/韓国/原題:The King's Letters/脚本・監督:チョ・チョルヒン/出演:ソン・ガンホ パク・ヘイル チョン・ミソン・2021年6月日本公開)中国を発祥としながら全く違った歴史を歩んだ日朝の言語に係る歴史を考え直す意味でもこういう映画は貴重。

映画備忘録。映画館で見た2021年上半期最後の映画、 『王の願い ハングルの始まり』(2019年製作/110分/韓国/原題:The King's Letters/脚本・監督:チョ・チョルヒン/出演:ソン・ガンホ パク・ヘイル チョン・ミソン・2021年6月日本公開) 封切りの数日…

『ノマドランド』(2020年製作/108分/G/アメリカ/原題:Nomadland/原作:ジェシカ・ブルーダー/監督:クロエ・ジャオ/出演:フランシス・マクド―マンド デヴィッド・ストラザーン リンダ・メイ他/2021年3月日本公開/400円) 登場してくる人物の思索の深さが見るほうに染み出してくるような独特の感覚  。

6月30日Amazonプライムビデオで 『ノマドランド』(2020年製作/108分/G/アメリカ/原題:Nomadland/原作:ジェシカ・ブルーダー/監督:クロエ・ジャオ/出演:フランシス・マクド―マンド デヴィッド・ストラザーン リンダ・メイ他/2021年3月日本公開/400…

『ひとよ』(2019年製作/123分/日本/原作:桑原裕子/監督:白石和彌/出演:田中裕子 佐藤健 鈴木亮平 松岡茉優 音尾琢真 筒井真理子 韓英恵 MEGUMI/2019年11月公開 400円)『くれなずめ』(2021年製作/96分/日本/監督・脚本:松井大悟/出演:成田凌 若葉竜也 浜野謙太 藤原季節 高良健吾 目次立樹/2021年5月公開)  

映画備忘録。 Amazonプライムで 『ひとよ』(2019年製作/123分/日本/原作:桑原裕子/監督:白石和彌/出演:田中裕子 佐藤健 鈴木亮平 松岡茉優 音尾琢真 筒井真理子 韓英恵 MEGUMI/2019年11月公開 400円) 女優で劇作家、演出家の桑原裕子が主宰する「劇…

『あなたがいたところ ワタシゴト 14歳のひろしま・2』(中澤晶子・汐文社・6月刊・1400円+税)    「君たちの未来は歴史の中にあります。それを見つけるヒントがこの「ひろしま」の物語です。」(石内都)

新刊の紹介。 広島に住む児童文学作家の中澤晶子さんの新刊。 昨年7月刊行の『ワタシゴト 14歳のひろしま』の続編。 『あなたがいたところ ワタシゴト 14歳のひろしま・2』(汐文社・6月刊・1400円+税) 前作は広島の原爆被害者の遺品がテーマだった…

ワクチン2回目接種。副反応はさほどでもなかったが。それはそれとして副反応死はいったいどれほどあるのか。そもそも副反応死を政府は認めていないのだが。

昨日、2回目のワクチン接種。 昼前、間断なく降り続ける雨の中出かける。 会場は新横浜駅前、徒歩1分の整形外科。 ビルの2階と地下の2か所で、それぞれ案内と点検が3~4人ほど。ドクター1人。打ち手はそれぞれふたり。合計12~14人で対応。かなり大掛かり。…

市長選をめぐる自民党の内部抗争 執行部案の「自主投票」最終決定には至らず。

横浜市長選問題。 東京新聞県版、連日のトップ見出し。 「自民市連 IR誘致 溝深く 小此木さん自主投票決まらず」 8月8日告示、22日投開票の横浜市長選。昨日の報道では、市連執行部は1日の執行部会議で「自主投票」を決めたとあったが、昨日2日、今度は総務…

横浜市連、小此木八郎を推薦せず、自主投票へ。よくわからないハマの選挙。

昨日、小此木八郎の市長選出馬について次のように書いた。 「IRを下すことについて市議会与党を説得することができて、保守の基盤を守ることができるのは誰だ?・・・と考えた時、「自分が出る」という判断にたどり着いた。 首相の出身地元として、小此木-…

小此木八郎氏が、国家公安委員長をやめて横浜市長に立候補。巷から見た横浜政治事情。

政治の話。 横浜市長選が8月にある。 政令指定都市の中で最大の370万人の人口をもつ横浜市。 現下、最大の政治テーマはIR(統合型リゾート)の誘致問題だ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー IRとは、国際…