『お母さんが一緒』もっと笑わせて欲しかった。

2024年7月の映画寸評⑤

<自分なりのめやす>

お勧めしたい   ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

みる価値あり   ⭐️⭐️⭐️⭐️

時間があれば    ⭐️⭐️⭐️

無理しなくても  ⭐️⭐️

後悔するかも   ⭐️

 

(53)『お母さんが一緒』(2024年製作/106分/G/日本/原作:ペヤンヌマキ/

   脚本:ペヤンヌマキ・橋口亮輔/監督:橋口亮輔/出演:江口のりこ 内田慈 

   古川琴音 青山フォール勝ち/劇場公開日2024年7月12日)

             イオンシネマ港北ニュータウン 7月17日⭐️⭐️⭐️

 

「恋人たち」「ぐるりのこと。」の橋口亮輔の9年ぶりの監督作となるホームドラマ。ペヤンヌマキ主宰の演劇ユニット「ブス会」が2015年に上演した同名舞台を基に橋口監督が自ら脚色を手がけ、CS放送ホームドラマチャンネル」が制作したドラマシリーズを再編集して映画化。

親孝行のつもりで母親を温泉旅行に連れてきた三姉妹。長女・弥生は美人姉妹といわれる妹たちにコンプレックスを持ち、次女・愛美は優等生の長女と比べられたせいで自分の能力を発揮できなかった恨みを心の奥に抱えている。三女・清美はそんな姉たちを冷めた目で観察する。「母親みたいな人生を送りたくない」という共通の思いを持つ3人は、宿の一室で母親への愚痴を爆発させるうちにエスカレートしていき、お互いを罵り合う修羅場へと発展。そこへ清美がサプライズで呼んだ恋人タカヒロが現れ、事態は思わぬ方向へと転がっていく。

長女・弥生を江口のりこ、次女・愛美を内田慈、三女・清美を古川琴音、清美の恋人タカヒロをお笑いトリオ「ネルソンズ」の青山フォール勝ちが演じる。(映画.com)

母親の誕生日に温泉に。母親の姿はほんの一瞬だけ。あとは3人と三女の婚約者だけ。

今をときめく江口のりこに内田慈、古川琴音・・・設定からして面白くないわけがないと期待。しかし、なぜか諸手を挙げて・・・とはいかなかった。もっと笑わせて欲しかった。

育ち方、容貌、能力から下着までそれぞれのセリフ、姉妹関係、親子関係などは確かに「あるある」なんだけど、こんなふうに3人が3人、長時間に渡り、手を変え品をかえ、感情をまともにぶつけ合うのは「ないない」。ここまでいくまでに、序盤戦で沈黙、睨み合いでゲームセットになっている。

気になったのが声の大きさ。

旅館であれほどの音量でやり合っていたら隣室からのクレームがひきを切らないはず。

もう少し抑えて、セリフや動き、設定も皆。脚本、面白いのになぜか苦笑止まり。自分が一緒に旅館にいるつもりで観客は見ているのだから。

 

難しい母親、困った父親、それを見て育った三姉妹。もっと味のある長続きするきょうだいけんかを見せて欲しかった。

江口のりこ、『あまろっく』同様今ひとつ。次を楽しみに。

『ぐるりのこと』『恋人たち』の橋口監督、次を楽しみに。

画像1

『先生の白い嘘』性と暴力、ほとんど犯罪レベルを描くことにどんな理由が。直視できないシーンがいくつも。

2024年7月の映画寸評④

<自分なりのめやす>

お勧めしたい   ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

みる価値あり   ⭐️⭐️⭐️⭐️

時間があれば    ⭐️⭐️⭐️

無理しなくても  ⭐️⭐️

後悔するかも   ⭐️

 

(53)『先生の白い嘘』2024年製作/117分/R15+/日本/原作:鳥飼茜 脚本:

   安達奈緒子/監督:三木康一郎/出演:奈緒 三吉彩花 猪狩蒼弥 風間俊介

   /劇場公開日2024年7月5日)  

           イオンシネマ港北ニュータウン 7月17日 ⭐️⭐️

 

男女間の性の格差を描いて反響を呼んだ鳥飼茜の同名漫画を実写映画化。自らの性に対して抱える矛盾した感情や、男女間に存在する性の格差に向き合う女性の姿を通して、人の根底にある醜さと美しさを描き出す。

高校教師の原美鈴は、女であることの不平等さを感じながらも、そのことから目を背けて生きている。そんなある日、親友の渕野美奈子から、早藤雅巳と婚約したことを告げられるが、早藤こそ美鈴に女であることの不平等さの意識を植え付けた張本人だった。早藤を忌み嫌いながらも、彼との行為を通して性への欲望や快楽への渇望が芽生え、呼び出しに応じてしまう美鈴。そんなある日、担当クラスの男子生徒・新妻祐希から性の悩みを打ち明けられた彼女は、思わず本音を漏らしてしまう。新妻は自分に対して本音をさらけ出してくれた美鈴にひかれていくが……。

主人公の美鈴を奈緒が演じ、物語の鍵を握る男子生徒の新妻役を人気グループ「HiHi Jets」の猪狩蒼弥、親友の美奈子役を三吉彩花、美奈子の婚約者で表向きは人当たりの良いエリートサラリーマンだが、裏では女を見下し暴力をふるう早藤役を風間俊介が担当した。監督は「弱虫ペダル」「植物図鑑 運命の恋拾いました」の三木康一郎、脚本は「きのう何食べた?」「おかえりモネ」などのテレビドラマで高い評価を受ける安達奈緒子

『お母さんが一緒』を見るのに、前後を見ていたらこれが。時間がジャストだったので見ることに。

「拾い物」にはならなかった。原作を試し読みしたが、かなり原作に忠実。台詞回しも。脚本は評判のいい人のようだが。美鈴(奈緒)に仮託した理屈がさまざま語られるのだが、どれもストンと落ちてこない。性と暴力、ほとんど犯罪レベルを描くことにどんな理由が。直視できないシーンがいくつも。風間、三吉、そして奈緒、みないい役者なのに。

撮影前に女優との間に代理人を立ててほしいという要求を奈緒が出したというが、監督が拒否。公開前に物議を醸したとか。時代の要請だと思う。

奈緒は、『告白 コンフェッション』とこれと、なんだか作品運が今ひとつ。

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『告白 コンフェッション』

2024年7月の映画寸評③

<自分なりのめやす>

お勧めしたい   ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

みる価値あり   ⭐️⭐️⭐️⭐️

時間があれば    ⭐️⭐️⭐️

無理しなくても  ⭐️⭐️

後悔するかも   ⭐️

 

(53)『告白 コンフェッション/2024年製作/74分/PG12/日本/原作:かわぐち

    かいじ 福本伸行/監督:山下敦弘/出演:生田斗真 ヤン・イクチュン 奈緒

    /劇場公開日2024年5月31日)  kiki  7月16日 ⭐️⭐️

 

賭博黙示録カイジ」の福本伸行が原作、「沈黙の艦隊」のかわぐちかいじが作画を手がけた漫画「告白 コンフェッション」を、「土竜の唄」シリーズの生田斗真と「息もできない」のヤン・イクチュンのダブル主演で実写映画化。

大学山岳部のOBで親友の浅井とジヨンは、16年前の大学卒業登山中に行方不明となり事故死とされた同級生・西田さゆりの17回忌の慰霊登山に出かけるが、猛吹雪で遭難してしまう。脚に大怪我を負ったジヨンは自分の死を確信し、16年前に自分がさゆりを殺害したと浅井に告白。自身の犯した罪に苛まれ続けてきたジヨンは苦しみから解放され安堵するが、その直後、眼前に山小屋が出現し、2人は命を取り留める。親友の最期の告白を聞いてしまった男と、うっかり言ってしまった男。薄暗い山小屋で救助隊の到着を待つなか、2人の間には気まずく不穏な空気が流れ始める。

リンダ リンダ リンダ」「カラオケ行こ!」の山下敦弘監督がメガホンをとった。

                                                                                (映画.comから)

 

山下敦弘監督は結構な多作だが、なんといってもベストは『リンダ リンダ リンダ』(2005年)。良質な青春映画だった。

期待していたのだが、途中で飽きてしまった。ホラーなんだろうけれど、瀕死の男がなぜか助かってしまって、斧を持って追いかけ回すというシャイニングのような、わけわからん映画。ストーリーもありきたりだと思う。

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関千枝子さんのこと。

7月初めに、卒業生のOさんからメールをもらった。上の写真が貼り付けてあった。

実家に帰った時に、お母さんから「持って帰る?」と渡されたとのこと。弟さんの学年の時に配布されたものをファイルして保存してくださっていたとのこと。

 

Oさんからは、昨年暮れに突然メールをいただいた。卒業以来の音信。33年ぶり。15歳だった彼が48歳になっていた。

 

この通信、発行主体は「学年総務」となっていて、誰が書いたものか書かれていない。でもOさんが「文章が赤田先生っぽい」と言うように、私が発行していたもの。学年だよりは、その後2つの学校でも発行し続けたが、これが最初のものだ。

印字具合と時期を考えると、パソコンではなくワープロ

29年前。横浜の運河のある中学に勤務していた時のものだ。

1993年というとOさんが卒業した2年後、弟さんが中2の時のもの。初めての広島修学旅行に出かける2ヶ月前。私もファイルして持っていたはずだが、見つからない。

 

タイトルの『紙風船』は黒田三郎の詩からとった。

この日のたよりは、広島修学旅行の事前学習に、元毎日新聞記者の関千枝子さんをお呼びした時の報告。

左側は、今も版を繰り返している『広島第二県女二年西組〜原爆で死んだ級友たち〜』(1985年・筑摩書房)からの引用。

 

関さんは当時広島第二県女の2年生。1945年8月、夏休みであったが、建物疎開の動員されていた。関さんは6日の朝、体調が悪く宇品の自宅にいて建物疎開作業に出かけなかった。彼女以外に欠席した人が6名。出席した級友40人全員が原爆死した。のちにお一人生き残っていて関さんと再会した。

『二年西組』の文章は、状況を的確に描写し、感情を抑制した素晴らしいルポルタージュ。圧倒的な筆力を感じさせる渾身の作品。中学生には難しいと思ったが、いいものは伝わる。熱心に読み込んだ生徒が何人もいたことを覚えている。

 

怖いもの知らずというのも失礼だが、ぜひ生徒にお話をしてほしいと連絡をしたのだった。

 

1993年3月13日の土曜日、手帳に「五日制休業日」とあって、「10:00 山手駅 関千枝子さん面談」。1週間前に打ち合わせでお会いしていたようだ。

山手駅はJR根岸線の駅。お住まいの最寄駅。

 

そしてこの日3月19日、関さんが学校に来てくださった。

手帳には「10:15東神奈川駅迎」「小園さん、谷さん同乗」とも。私は運転しないので、同僚がクルマを出してくれたのだろう。

小園優子さんは加納実紀代さんを中心とする銃後史研究のグループの方。関さんを紹介してくださったのは小園さんだったかもしれない。

谷栄さんは「日本戦没学生記念会」(わだつみ会)の会員。小園さんや私とともに『「建国記念の日」を忌年する2・11の集い』を一緒にやっていた。田中信尚さんや赤坂憲雄さん、内山節さんなどをお呼びしていた頃だ。

 

関千枝子さんというと、いまだに怖い印象がある。

6月に広島を訪れた時、児童読物作家の中澤晶子さんと毎日新聞記者の宇城さんと会食したときにも、宇城さんの先輩記者にあたる関さんに話が及んだ。

中澤さんに、関さん、どう怖いのですか?と問われ困ったのだが、相槌など打たず、ストレートな物言いの60歳の女性の鋭い視線は、40歳になったばかりの、広島のことなどろくに知らない教員を十分にたじろがせるものがあった。ありきたりな言い方だが、存在感とか迫力といったほうがいいかもしれない。

 

たよりの右側には、関さんが生徒の事前学習の張り物を見て回ってくださった時の様子が書かれている。お時間があれば、拡大して読んでみてほしい。私にとっては、関さんとの二度目の出会い。緊張が伝わってくる文章だ。

次の学校でも来ていただいた。生徒が落ち着かなく、叱られた記憶がある。

 

初めてのお話は文章に起こして、修学旅行文集に掲載。広島の原爆資料館の資料室にもおいてもらっている。

 

関千枝子さんは2021年に亡くなった。88歳。

亡くなる3ヶ月ほど前、東京であった小さな集会で姿を拝見している。

 

Oさんが送ってくれた学年だより。書いた方は忘れていても、とっておいてくださる方がいる。そして、その中に亡くなった方の姿が書かれていて、それを今、書いた自分が読んでいる。なんだか長い時間のかかったリレーのようだ。

 

 

広島第二県女二年西組 ─原爆で死んだ級友たち

 

 

 

『ゲバルトの杜 彼は早稲田で死んだ』

映画備忘録。

2024年7月の映画寸評②

<自分なりのめやす>

お勧めしたい   ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

みる価値あり   ⭐️⭐️⭐️⭐️

時間があれば    ⭐️⭐️⭐️

無理しなくても  ⭐️⭐️

後悔するかも   ⭐️

 

(52)『ゲバルトの杜 彼は早稲田で死んだ』(2024年製作/134分/日本/原案:樋田毅/監督:代島治彦/出演:樋田毅他/劇場公開日:2024年5月25日)

                  2024年7月8日 kiki  ⭐️⭐️⭐️⭐️

1972年、学生運動終焉期に早稲田大学で起こった学生リンチ殺害事件をきっかけに、各党派でエスカレートしていった「内ゲバ」。これまでほとんど語られてこなかった内ゲバの真相を、池上彰佐藤優内田樹ら知識人の証言と、鴻上尚史演出による短編劇を織り交ぜて立体的に描くドキュメンタリー。監督は「三里塚に生きる」「きみが死んだあとで」の代島治彦

72年11月、早稲田大学文学部キャンパスで第一文学部2年生の川口大三郎が殺害された。彼の死因は早大支配を狙う新左翼党派・革マル派日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派)の凄惨なリンチによるものだった。第53回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した樋田毅のルポルタージュ「彼は早稲田で死んだ 大学構内リンチ殺人事件の永遠」を原案に、殺された川口大三郎を知る当時の関係者や池上彰佐藤優内田樹ら知識人たちの証言パートと、これまでも学生運動をテーマにした演劇作品を数多く発表してきた鴻上尚史による短編ドラマパートにより、内ゲバの不条理と、あの時代特有の熱量、そして悔恨に迫っていく。

ドラマパートでは川口大三郎役を「ソロモンの偽証」「五億円のじんせい」の望月歩が演じている。(映画.com)

次々にインタビューに答える人たち。その大学入学年がいちいち気になった。

1970年、1971年、1972年、1973年・・・・。川口大三郎さんは1952年生まれ、1971年入学。

私は川口さんが革マル派のリンチで亡くなった年1972年に、早稲田大学第一文学部を受験、不合格となり、同じ受験科目だった山梨県都留文科大学に入学した。

不合格だったのだから考えても仕方のないことだが、もし万が一合格していたら、同じキャンパスで同じ空気を吸っていたことになる。画像1

実際は自分達の居場所を東京から隔絶された「文化果つる地」などと卑下しながら、どこか遠いものと、彼らの「闘い」を見ていた。

 

そのせいもあって、2時間余の映画を見ている間、どこか尻が落ち着かなく、居場所のない感覚をずっと感じていた。

 

ドキュメンタリーに再現ドラマを加えた斬新なつくり。演じている学生と演出する鴻上尚史のやりとりが新鮮。

当時の時代を当時の感覚のまま回想するのでなく、当時の新左翼の学生の理屈を現代の若者、学生が演じるー芝居として追体験する。身体を通して言語や行動がわずかでも内面化した時、彼らはどんなことを発するか。こただ、やや中途半端。の手法をもっと貫徹してほしかった。

 

インタビューされた当時の人々の多くが、とりわけ当事者だった暴力の中を生きた人たちは今でも50年以上前の記憶を鮮明に保持し、その上に後悔と鬱屈を抱えて今も生きている。

ああ、自分はそんなふうには生きてこなかったな、そんな学生時代を送ってはこなかったなと安堵とも落胆ともつかない複雑な気分。

この気分の上に教員の生活のほとんどを、少数派労組の活動家を生きてきたような気がする。

 

暴力をめぐる認識は50年を経てもなお確たる回答など誰も持ち合わせておらず、その意味で、当時の学生が抱えた問題は今もライブだ。違うのは、今や学生がぶつかり合うように意見を交換することもなく、キャンパスには立て看一枚もなく、大学当局の一方的な支配と管理が貫徹されいる。

どんなに腐った経営であっても、学生がそれに対して正面からモノをいうことは、とりあえず今この時代にはない。

「過ち」ではあったが、今の学生は「過ち」を冒すところにまでいたらない。

50年を往還する、ふりかえり、俯瞰しようとする、こういう営みは必須だと思う画像17

梅雨明け、境川の闘鴨? 2本のロードムービー「ブリーディング ラブ はじまりの旅』と『ハロルド・フライ まさかの旅立ち』

梅雨が明けたらしい。去年より5日早いとか。

境川河畔はいつも通り。大きな変化はない、灯って歩いていたら、Mさん

「あれ、ねこ?」

対岸の草むらをゆっくり歩いている5、60cmの哺乳類?らしき動物。

ねこではない。以前に見たことのあるアライグマではないかと云うと、

「アライグマは尻尾がシマシマになっているよね」とMさん。

それならばたぬきと考えるしかない。

2匹、連れ立ってゆっくり歩くたぬき。なんだかうらぶれている。

梅雨明けとは関係ないが・・・。

 

新たに生まれた7羽のマガモ。8羽だったらしい。

ウオッチャーのおじさんに昨日、「対決」の話を聞いた。

1ヶ月前に生まれたカモと最近生まれたカモ、どちらも8羽。

この2グループが、餌場となっているみぎわホーム(老人施設)前の岩場で対決したらしい。

縄張り争いというより餌場争い。

 

最初は代表戦で、母カモ同士が激しく闘ったとのこと。数人の人たちがこの闘鴨、とうおう?を見ていたらしい。

勝負はまだ小さい方のカモの母カモの勝利だったそうだ。

 

ところが、その後団体戦。負けた母カモに代わって、もう体長30cmにもなる8羽が

まだ10cmにも満たない8羽を急襲、激しく追い立てたらしい。プロレスの場外乱闘?バトルロイヤル?

小さい方の母カモは、これは大変なことになると判断、こどもたちを守るために8羽に撤退を指示。一斉に上流の方に移動したとのこと。

 

話を聞いているだけなのに光景が目に浮かぶ。私の文章はおじさんの話に全く敵わない。

これも梅雨明けとは関係ないが。(7月19日)

 

 

 

トランプ暗殺の写真が決まりすぎている。

暗殺直後にこんな構図で撮れるものか。

硫黄島星条旗を思い出した。

シークレットサービスは狙撃直後に撃たれた人間を立たせたりしないと、どこかに書かれていた。確かにそうだ。

 

映画備忘録。

2024年7月の映画寸評①

<自分なりのめやす>

お勧めしたい   ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

みる価値あり   ⭐️⭐️⭐️⭐️

時間があれば    ⭐️⭐️⭐️

無理しなくても  ⭐️⭐️

後悔するかも   ⭐️

 

㊿『ブリーディング ラブ  はじまりの旅』(2023年製作/102分/PG12/アメリ原題:Bleeding Love (あふれる愛)/監督:エマ・ウエスティングバーグ/出演:クララ・マグレガー ユアン・マグレガー他/劇場公開日2024年7月5日)

                                                7月8日 kiki    ⭐️⭐️⭐️

 

ユアン・マクレガーと実娘で俳優・プロデューサーのクララ・マクレガーが親子役で共演し、父と娘の愛と回復への旅をつづったドラマ。

長い間疎遠だった娘のある出来事をきっかけに、父は彼女をニューメキシコ州へと向かう旅に連れ出す。関係を修復したくても、どうすれば溝を埋められるのかわからない。娘は父との美しい過去を思い出しながらも、自分を捨てた父を許すことができずに反発してしまう。目的地が近づくなか、父娘はお互いが抱える問題と向き合うことになり……。

実生活でも、長年連れ添った妻との離婚や再婚によってクララとの親子関係に問題を抱えていたユアン。クララがユアンとの親子間の問題や大切な記憶を、同世代の女性脚本家たちと共にオリジナルストーリーとして描き、ジャネール・モネイ「PYNK」のMVでグラミー賞にノミネートされたオランダ出身の気鋭エマ・ウェステンバーグが長編初メガホンをとった。

ロードムービーが好きだ。

場所を移動するように、人の気持ちも変わっていく。

この映画も例に漏れず正統的。

 

薬物や酒による親子のすれ違い。娘は長じて自分が父親と同じように薬物や酒で悩むことになる。

セリフが少なく、親子の機微は互いが見交わす視線に現れる。

実の親子の演技、すごいものだ。

大きな事件も起こらず映画は終わる。

最後まで穏やかな気持ちで見ることができた。

ただタイトルがストレートすぎる。画像1

 

 

(51)『ハロルド・フライ まさかの旅立ち』2022年製作/108分/イギリス/
原題:The Unlikely Pilgrimage of Harold Fry(ハロルドフライのあり得ない巡礼)

/監督:へティ・マクドナルド/出演:ジム・フロートベント ペネロープ・ウエルトン他/日本公開2024年6月7日)

                     7月16日 kiki ⭐️⭐️⭐️

イギリスの作家レイチェル・ジョイスによる小説「ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅」を、「アイリス」のオスカー俳優ジム・ブロードベント主演で映画化。

定年退職し妻モーリーンと平穏な日々を過ごしていたハロルド・フライのもとに、北の果てから思いがけない手紙が届く。差出人はかつてビール工場で一緒に働いていた同僚クイーニーで、ホスピスに入院中の彼女の命はもうすぐ尽きるという。近所のポストから返事を出そうと家を出るハロルドだったが、途中で考えを変え、800キロ離れた場所にいるクイーニーのもとを目指してそのまま手ぶらで歩き始める。ハロルドには、クイーニーにどうしても会って伝えたい、ある思いがあった。

ハロルドの思わぬ行動によって自身も変化していく妻モーリーンを、「ダウントン・アビー」シリーズのペネロープ・ウィルトンが演じた。原作者ジョイスが自ら脚本を担当。

 

これもロードムービー

『ベロニカの記憶』『ウイークエンドはパリで』のジム・フロートベントがハロルド・フライ役。少し歳をとったかな。

資料には『アイリス』(2001年)が代表作とある。未見。画像4

800kmを70代の男性が歩ききる。さまざまな人々との出会い。イングランドの風景が楽しめる。しかし、何も言わず出てきた家には妻モーリーンが大きな鬱屈を抱えて待っている。

ただ、妻モーリーン役のペネロープ・ウエルトンとの夫婦は、息子との年齢が離れすぎていてリアリティに欠ける。再現シーンもかなり無理がある。

それを差し引いて、旅の途中で出会う人たちとの出会いと自分の人生を重ね合わせるシーンは、息子や妻との取り返しのつかない深い後悔が際立つ。とりわけ夫婦間の「仮面」に至る経緯は辛いものがある。

800kmを歩ききったあとに訪れるほんのささやかな和解。教訓的でもないし、ヒューマンドラマにもなっていないのがいいところかもしれない画像1

 

千葉学習サポーター裁判の瞞着、欺瞞ぶり。

昨日12日は雨。気温がグッと下がった。

早朝でも29℃あったのが、今朝の外気温は24℃。

近所の人とのあいさつも「今朝は涼しいですね」。

 

境川のカモの親子は元気に過ごしている。大きさは母カモ子ガモ、ほとんど変わらない。違うのは、子ガモは、背中の羽がまだ小さくこんもりと盛り上がっていること。

全員集合

 

この羽が大きくならないと飛ぶことができないと、カモウオッチングのおじさんに聞いた。

そのおじさんも知らないうちに、また違うマガモカルガモではないらしい)が子を産んだ。今度は7羽。

昨日、Mさんが発見し、おじさんに伝える。

 

10日に予定されていた千葉の学習サポーター裁判の弁論が延期に。

裁判官の体調不良によるものだそうだ。

先日、弁護士資格を返上して悠々自適の生活に入ったIさんと3人で食事をした。

その時にこんな話が出た。

青森の裁判所に出張で行ったら、裁判官が不在。係官が「今呼んできます」と言って海の方に。裁判官、釣りに行っていたそうだ。

裁判官は特別職だから、それほど勤務の枠は厳しくない。

それに比べ殺人的なのは横浜家裁。一人の裁判官が担当する案件の多さは日本一だそうだ。

裁判官は全国あちこち転勤する。行った先によっては勤務実態は全く異なるということだ。

 

千葉地裁松戸支部はどうだろうか。

今まで5、6回通ったが、いつも全館静まり返っている。

ロビーで簡単な打ち合わせや総括集会をやってもなんのクレームもない。

あまり忙しいわけではないようだ。

 

さて学サポ裁判。

学習サポーターという会計年度職員の募集に応じた友人のYさん、教員経験40年を楽に超えるYさんが、教員免許が条件にさえなっていない学習サポーターの採用を拒否された事件。

千葉の教員の小さな合同労組の執行委員長として数十年活動してきたYさんに対する嫌がらせ。

この一年、書面のやり取りと証拠申請が続いている。

前回4月26日の口頭弁論について組合の機関紙『横校労』に書いたものを載せる。

 

 

タイトル

  違法動員で傍聴席を埋める横浜市教委、屁理屈で書面を埋める千葉県教委

                       千葉学習サポーター不採用事件の第7回口頭弁論(4月26日)

 

 横浜市教委が3年間11回にわたって、わいせつ教員の公判に延べ500人の職員を動員、一般傍聴を妨げていた。この指示、教育長と教職員人事部長の決裁だ(東京新聞)というから笑えない。幹部の決定に「それ、まずいのでは?」と進言する取り巻きは1人もいなかった。傍聴席に坐った職員は市民の傍聴の権利を妨害しているとは思わなかったのか。これが500余の学校を抱える政令指定都市横浜の教育委員会の「実力」。被害者保護という理由も変だ。ホンネはわいせつ教員の報道を避けたかっただけだろう。教育委員会あげてのコンプライアンス破り。地に落ちた信用の上にさらに事実歪曲も。5月24日の教育委員会議に出された文書名は「公判への職員への傍聴の呼びかけと今後の対応について」。旅費を支給してるのに自主的参加?こうまでして幹部は責任を薄めたいのか?度し難いとはこのことだ。

4月26日、千葉学習サポート裁判。傍聴席を埋めたたのは支援の市民や労働者。関西からも駆けつけてくれた。被告側が①証拠乙13〜15と②第6準備書面を提出。この中身が屁理屈と頓珍漢のミックス盛り。法律に疎い筆者でも、主張の展開の稚拙さは明らか。

 前回も触れた原告吉田さんの妻子問題。吉田さんは独身なのだが、面接で妻子が該当地域の学校にいると発言したとして、面接員二人がその旨を面接評定票に記載している点。被告は、面接をしたのは原告吉田さんに間違いなく「人違いはあり得ない」と主張する。その根拠として「面接員は、受験者を席に案内した後、「氏名をお願いします」伝えて氏名を確認することとされて」いることを挙げる。さらに「面接員Aは、受験者から「屋敷小と勝田台小に・・・妻と子がいる」(ゴシック及び下線は被告代理人による)という旨の回答を聞いたが、「・・・」の部分は聞き取れず、、曖昧であったと述べている」として「したがって、面接における原告の発言は、原告自身のことではなく、例えば、原告の知人や同僚、親戚などの妻子についての話であったと考えられる」と主張する。面接員Bも「受験者の『発する言葉が早口で聞き取りにくく』とも述べており、面接官Aの聞き取り状況も踏まえれば、誰の妻子であるかという点を聞き逃したと考えられる」。

 わざわざ「・・・の妻」の「の」に下線まで引いて、この妻子は吉田さんの「知人や同僚、親戚」の話だったというのである。どこに自分の仕事の面接で知人や同僚、親戚の、それも妻子の話を出す者がいるか。

 さらに可笑しいのは、原告が提出した証拠乙13と乙14の面接票、これは吉田さんの1時間後に面接をした受験者のものだが、ここに親族教員の学校名がその通りに記載されている。つまり八千代市船橋市の小学校に親族教員がいた受験者は、吉田さんとは別人だったことがこの証拠でわかるのである。

 面接員Aは聞き取りメモを誤って吉田さんの面接票に記入、それを原告から指摘されるも訂正せず、あろうことか面接員Bと口裏を合わせ、吉田さんがあたかも嘘をついているような面接記録を捏造したのだ。準備書面の主張を、自ら提出した証拠が否定するという被告千葉県教委の頓珍漢ぶり。

 横浜も千葉も、いずれ劣らぬ大ボケぶり。最低限のコンプライアンス意識すら放擲している役人らに、このまま教育行政を任せておくわけにはいかないな。

 次回口頭弁論は7月10日(水)11時30分から。(赤田圭亮)