ワクチン2回目接種。副反応はさほどでもなかったが。それはそれとして副反応死はいったいどれほどあるのか。そもそも副反応死を政府は認めていないのだが。

昨日、2回目のワクチン接種。

昼前、間断なく降り続ける雨の中出かける。

会場は新横浜駅前、徒歩1分の整形外科。

ビルの2階と地下の2か所で、それぞれ案内と点検が3~4人ほど。ドクター1人。打ち手はそれぞれふたり。合計12~14人で対応。かなり大掛かり。

 

20分早く着いたが、そのまま短い列の後ろに並ぶと、1分で書類通過。その後2分で問診、接種。様子見15分入れて20分で終了。

 

今もまだ少し痛みがあるが、ひどくはない。一回目と同じ程度。発熱なし。かかりつけ医には痛み止めを擁しておいたほうがいいと言われていたが、問題なし。

 

ワクチン接種後の副反応や死亡例について、なんだか報道が少ないように感じるのは私だけじゃないようだ。

今朝いただいたメール。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ボクの知人の連れ合い77歳が接種二日後に亡くなりました。

健康で特に持病も無く、すごく元気な方で、血圧問題もなかったのですが。家族はやりきれません。

政府は副反応死はなかなか認めません。ですから、なかなかめんどうなワクチン だなと思います。ボクも、最後の最後まで接種を迷いました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

厚労省のHPには

・国内外で、注意深く調査が行われていますが、ワクチン接種が原因で、何らかの病気による死亡者が増えるという知見は得られていません。

 

 

 

深夜に大雨の警戒警報がスマホに2回。大きな音にびっくりする。雨は24時間以上降り続けている。

各地に大雨警報と土砂災害警戒情報が出ている。

 

朝になっても雨の勢いは変わらない。合羽を着て散歩に出かける。

境川の水位は普段より1.5㍍ほど上がっている。昨日、JR横浜線から見えた鶴見川は、これよりずっと水位が高かったが。

 

**************************************

ぶらぶら歩いて二里行き三里行き、そろそろ全里程の半ばに到達した頃、降っていた災難、メロスの足は、はたと、とまった。見よ、前方の川を。きのうの豪雨で山の水源地は氾濫はんらんし、濁流滔々とうとう下流に集り、猛勢一挙に橋を破壊し、どうどうと響きをあげる激流が、木葉微塵こっぱみじん橋桁はしげたを跳ね飛ばしていた。彼は茫然と、立ちすくんだ。あちこちと眺めまわし、また、声を限りに呼びたててみたが、繋舟けいしゅうは残らず浪にさらわれて影なく、渡守りの姿も見えない。流れはいよいよ、ふくれ上り、海のようになっている。メロスは川岸にうずくまり、男泣きに泣きながらゼウスに手を挙げて哀願した。「ああ、しずめたまえ、荒れ狂う流れを! 時は刻々に過ぎて行きます。太陽も既に真昼時です。あれが沈んでしまわぬうちに、王城に行き着くことが出来なかったら、あの佳い友達が、私のために死ぬのです。」

**************************************

濁流を眺めていると、この部分が思い出される。

全編、講談のような力強いリズムだが、この部分は特に。太宰、1940年の作。巧さがはじけていると思う。迷いのない得意げな翻案小説。こんなものならいくらでも書けらあという時期だろうか。

メロスは、親友のセリヌンティウスを悪辣な王のもとに人質としておいて、故郷に戻り妹に結婚式をあげさせ、数日のうちに城下に戻ると約束。セリヌンティウスは黙って人質となるのだが、城下に戻ろうとするメロスの前には盗賊が出たり、濁流が出現したり次々と艱難辛苦が襲い掛かる。

 

 熱海の旅館に入り浸って帰らない太宰にしびれを切らした妻が、「様子を見てきてほしい」と作家の檀一雄(この人も”火宅の人”だが)に電車賃とお金をもたせて熱海に行かせた。太宰は壇を大歓迎、持ってきた金をふたりですべて呑んでしまう。困った太宰は、宿に人質として壇を残し、東京の井伏鱒二のところに借金を頼みに出かける。残された壇はいつまでたっても戻らない太宰に業を煮やし、宿のおかみに頼み込んで支払いを待ってもらい、井伏の自宅を訪れると、そこには井伏と呑気に将棋をする太宰の姿が。太宰は恩ある井伏に借金の申し込みを言い出せないままズルズルと長居をしてしまっていたようなのだ。激怒する壇に太宰は、「待つ身が辛いのかね。待たせる身がつらいのかね」と言ったという。このエピソードが、小説のもとになったと言われるが。

メロスは戻ってきたからセリヌンティウスは助かったけれど、太宰のように戻らない人のほうが世の中には多い。「走れメロス」が50年以上も教科書に載っているけれど、戻る人が増えたという話はない。

 

そんなことより、声に出して読むのが楽しい作家の双璧は、太宰と山本周五郎管見だが。

 

 

境川の濁流にはいろいろなものが流れてくる。ボールや竹竿。鳥の姿はわずかに鳩と雀を見ただけ。

魚たちは、水面下でじっとしているのだろう。

普段とがらりと違う境川の姿に満足して帰宅。

 

f:id:keisuke42001:20210703154440j:plain