あした、土曜日。
『ファーザー』と『茜色に焼かれる』の2本を見る予定。久しぶりに楽しみな映画。『茜色に焼かれる』は2時間30分。邦画としてはかなりの長尺。
で、備忘録を終わらせておかないと、ときょうは4本目の備忘録。
『戦場のメリークリスマス』(1983年/123分/日本・イギリス・ニュージーランド合作/原題:Merry Christmas Mr. Lawrence/監督:大島渚/出演:ビートたけし 坂本龍一 デヴィッド・ボウイ トム・コンテイ 内田裕也/4K修復版/日本公開2021年4
月)
38年前に見た。つまらなかった。高尚な映画をつくる大島渚の作品。意気込んで見に行ったが、ちっとも面白くなかった。当時私は30歳。たけしも坂本龍一も演技はひどい。ストーリーも思いつきっぽく深さがない。なんだか何かありそうな雰囲気だけはあるが、たけのこからっきょうのようで中身がないと38年前に思ったことを覚えている。
30年近く経って少し賢くなったかもしれない自分が見たら、何をどう感じるかと楽しみに見に行った。同じだった。つまらん。この映画のどこが新しくてどこが面白いのか、誰か教えてほしい。教えてもらってもわからないと思うけど。結局、私も30歳からあまり変わっていないということか?
要するになんだな。西洋とアジア、とりわけ日本との違いと共通点を軍隊とか学校を使って表そうとしているようだけど成功しているとは思えない。よくわからないのはハナからヨノイ大尉(この名前はイメージがある)とセリアズ大佐の間にホモセクシャルな関係が埋め込まれていること。
ひとりとして女性が出てこない稀有な映画だが、男色に対する過剰な思い入れが先にあって、そこに理屈をむりやりあてはめようとしているとも思える。
ウィキペディアには
日本人がメガホンを取った戦争映画ながら、表面的なメッセージ性は薄い。しかし、日本軍の捕虜への待遇[37]と、その根底にある日本独特の「武士道」、「神道・仏教観」や「皇道派、二・二六事件」、明治以降の日本人が抱いた強い欧米への劣等感と憧憬[37]、そして、欧米人・日本人にある「エリート意識・階級意識」、「信仰心」、「誇り」、「死と隣り合わせのノスタルジア」(弟の歌う 「Ride Ride Ride」の曲にのって描かれる、故国の田園の居宅の「バラ園」)などがより尊く描かれ、また、それを超えた友情の存在とそれへの相克がクライマックスにまで盛り上げられていく。
また、後期の大島作品に底流する「異常状況のなかで形作られる高雅な性愛」というテーマも、登場人物らの同性愛的な感情として(婉曲的ながら)描写されている。
などと書かれているが、成功しているとはいいがたいのではないか。
唯一、内田裕也がきりっとした正攻法の演技をしていて、見た目がとっても美しいのに驚いた。
中央が内田裕也。