旧陸軍の輸送部隊『中国軍管区輜重兵補充隊』の施設の遺構保存問題。広島市はやる気なし。多くの兵隊が犠牲になってはいても、原爆のすさまじい威力は遺骨をも形なく焼き尽くしていったろうし、遺骨を集めることもかなわない状況だったろう。今度発見された広大なこの施設跡から遺骨が出てくる可能性もあるはず。

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6月28日のこのブログで、旧陸軍の輸送部隊『中国軍管区輜重兵補充隊』の施設の遺構が、広島市内のサッカースタジアム建設予定で見つかったことに触れ、中国新聞の「大本営発表」的な記事に、サッカースタジアム建設に地元企業として中国新聞が絡んでいるのかと書いた(6月15日の記事)。末尾の「サッカースタジアムの建設には影響がない見込み」との記述が気に障ったからだ。

 

上の森田論説委員の記事を読めば邪推だったことがわかる。こうした格調ある批判記事が載るところはさすが中国新聞、である。

ひどいのは相変わらず行政である。コロナをかさに着て説明会は30人を2回だけ。スケジュール的にやっつけて、あとは予定通り進めようという魂胆だ。

 

爆心から1㎞ほどの軍の施設が集中していた場所。戦後まもなくは人々が雨露をしのぐためにいたるところにバラックなどが建てられ、多くの施設は土の下に埋められたままだ。多くの兵隊が犠牲になってはいても、原爆のすさまじい威力は遺骨をも形なく焼き尽くしていったろうし、遺骨を集めることもかなわない状況だったろう。今度発見された広大なこの施設跡から遺骨が出てくる可能性もあるはず。

 

簡単な説明だけで済ませて、何もなかったかのようにサッカースタジアムをその上につくっていいものだろうか。

広島の街は原爆によってそのほとんどが失われてしまった。かつては市内に残っていた被爆建物もなくなったり形を変えたりしている。旧陸軍被服支廠の保存が県と国によってようやく具体化しつつあるときに、広島市がサッカースタジアムありきで性急にこの件をすすめるならば世界に開かれた平和都市ヒロシマの名が泣くというものだ。

 

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元町の旧軍用地に建てられた住宅。遠方のビルは左から福屋新館、芸備銀行本店、住友銀行広島支店、広島商工経済会(毎日新聞所蔵)。

 

その向こうにかすかに旧広島県産業奨励館の骨組み(原爆ドーム)のようなものが見える。