広島市、旧陸軍中国軍管区輜重兵補充隊跡の遺構、市民団体の要望に全く応えず作業を強行。市が保存しようとしているのは全容14000㎡のうち掘り起こした6000㎡から23㎡だけ。これを保存というのか?

9月に入ってから低温が続いている。今日も日中でも24℃。季節を1か月ほど飛ばしてしまったような気温。ニュースでは10月末とも。

きのうは久しぶりに日がさした。富士山の初冠雪が見えた。例年より28日、昨年より21日早いとのこと。

 

今日は薄日が少し。午後はパラパラと雨が落ちてきた。現在気温23度。

 

広島から旧陸軍中国軍管区輜重兵補充隊跡の遺構の保存問題の動きが伝えられる。

8月24日に広島市に対して出された被団協など市民団体の要望書を28日にこのブログに載せたが、それに対する市の対応について。

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市民団体は要望書で「厩舎の遺構の一部など3か所(計23㎡)を移設する」という市の方針に対して、保存活用が不十分だとして再検討を求めていた。

 

2日、各要望団体の担当者が市の担当者と面会。

市は、「市文化財審議会(10人)の知見、評価を踏まえた」として、市の方針に理解を求めた。

それに対して要望団体側は、審議会で唯一の埋蔵文化財に関する委員で市の方針を了承していない野島永・広島大学大学院教授への聞き取り結果を説明。

野島氏は今回の遺構は「国史跡級」だとの意見を市に伝えたとし、切り取り作業を見合わせて現地保存や移設範囲の大幅拡大など国の指定文化財級の評価に見合った保護策の検討を迫った。

 

これに対して市側は、野島氏の指摘の事実を認めたうえで、杉山朗市民局長が「手順を踏んで進めてきた」として方針変更はないことを表明したという。

 

市は3日から作業を開始するとしたが、雨で作業は中止となったようだ。

 

この動きに対して9月7日、加害の歴史から広島を考える会からネット署名が提起されている。

 

 

 

Press Release                                加害の歴史から広島を考える会

報道関係者各位                                                                        2021 年 9 月 7 日

 

                   サッカースタジアム建設予定地の「輜重隊遺構」

 

     撤去工事中止を求めるオンライン署名について

今年6月、地元新聞の報道で、広島市中心部のサッカースタジアム建設予定地から、約6千平方メートルもの中国軍管区輜重(しちょう)兵補充隊(以下、輜重隊)」の被爆遺構が見つかっていることが明らかにされました。この輜重隊遺構を、広島市が詳細な調査もせずに撤去することを決定し、サッカースタジアムの建設を強行していることはご存知の通りです。被爆者団体や市民団体らによる保存を求める意見書に対して市は「スタジアム建設は市議会での予算承認手続きを経て正当に進めているもの」として、耳を貸そうとしません。

中央公園でのサッカースタジアムの建設自体は議会での承認を得ているとしても、それはこうした貴重な遺構が発掘される以前の話に過ぎません。そもそも、文化財は市民のものであって、行政はそれを適切に保存する義務があります。このような重要な遺構を、市議会での議論を経ず、市民に広く公開することもなく、行政の独断で取り返しのつかない撤去・切り取り作業を進めていることは、市民の財産たる文化財を軽視しているだけでなく、民主主義に反するもので到底容認できるものではないと私たちは考えています。                                          

すでに遺構の撤去・切り取り作業が始まってしまった以上、この輜重隊遺構を完全な形で残すことは不可能となってしまいました。しかし、たとえ全部ではなくとも、今作業を中断すればかつての軍事都市としての広島の歴史や、巨大な軍事施設のスケールを市民が身近に感じられる貴重な遺構として残すことができると私たちは考えています。また、考古学の専門家は、「遺構を強化ガラスなどで保護してその上に巨大な建築物をたてる手法は、海外だけでなく国内にも多くの事例があり、市民が遺構を見学できる形でサッカースタジアムを建設することは可能である」と指摘しています。

この輜重隊遺構について、現在の切り取り作業を一刻も早く中止し、詳しい調査をおこなった上で撤去の方針を再検討することを求めるとともに、考古学の専門家も可能であるとしている遺構の保存とスタジアム建設を両立させることを求めるため、緊急のオンライン署名を立ち上げました。このままでは、広島市の掲げる「国際平和都市」の理念や、広島の原爆被害について言及してきたサンフレッチェの歩み、多額の税金が投入された新サッカースタジアムの立ち上げに大きな汚点を残すことになりかねません。報道関係者の皆様のこの問題についての今後の積極的な報道および、署名活動に対するご取材をよろしくお願いいたします。

 

 署名サイト:https://chng.it/NNxcTtkQjh 

 「軍事都市広島の歴史を物語る『輜重隊遺構』の撤去を中止してください」(Change.org

【お問い合わせ先】       加害の歴史から広島を考える会       電話:090-6432-5054(担当:多賀・金井)

 

 

また、次のyoutubeをご覧いただきたい。具体的なイメージが湧くと思うので。