7月1日に
「今、思い悩んでいるのは林市長ではないか。12年間も市長として働いてきたのに、自民党も市民も自分のほうを向いてくれない…。ぼろ雑巾のように使われるだけ使われて捨てられるのは、プライドが許さない。出るのか出ないのか、あえて火中の栗を拾うのか、裸の王様となって茶番を演じるより名誉ある勇退を選ぶか・・・。」
と書いた。今朝の新聞で林氏の動向が初めて報じられた。定例記者会見で市長選について触れた。
「経済界をはじめ、支援者や団体から出馬の要請をいただき、熟慮している」
ようやく肚を決めたようだ。出馬の方向だろう。
保守革新問わず、次々に立候補表明をしてきた人たちのほとんどが、カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致に反対だ。賛成なのは元自民党の元衆議院議員の福田峰之ぐらい(この人は基本的に保守。しかし定見はない。希望の党で小池を担ごうとして失敗。自民党からも見放された)。
林氏からすれば、横浜財界と自公両党から支援を受けてIR推進で4選出馬という既定方針だったのが、自民党は代わりもいないのに多選を理由に林を支援しないことに。誰を担ぐのかと思っていたら、担ぐほうの旗がしら自民党県連委員長の小此木八郎が国家公安委員長をやめて自ら出馬の意向、それもIR誘致はしない方向で。横浜政財界の闇?
立民が支援を決めた市大元教授の山中氏も当然IR反対。そのほか3人の候補もIRに積極的に賛成というわけではない。そこにもう一人元検事の郷原信郎という人が立候補表明。この人はIRは住民投票で決着すべきと主張。ただ、反対派が一本化の方向に向かうなら自分は辞退するとのこと。よくわからない。
このまま林文子市長が出馬宣言をすれば、自民党は分裂し、立民が支持する山中氏と横浜の経済界をバックにした林氏と、さらにハマのドン藤木幸夫がバックアップする自民党多数派の小此木八郎、三者がIR誘致をめぐっての巴戦の構造だが、さらにきのう元長野県知事で作家、元国会議員の田中康夫氏が立候補を表明。あす、記者会見をするとのこと。彼もIR反対。無所属で出馬の意向とのこと。
混沌としてきた。
いったん日のあたる道を歩いた人たちは、日陰に甘んじていられなくなる。とりわけ選挙に魅入られ勝ってきた人たちは、死ぬまで選挙をやめられない。田中康夫氏、うずうずしていたんだろう。林氏もいままで勝ち続けてきた以上、棄権はできない。3期12年、どうにもならないいい加減男、投げ出し市長の中田宏とは違って手堅い行政を続けてきた。IR以外ではそれほど反感を買うことなく地道にやってきた。今、降りるわけにはいかない、と。
選挙結果を予想して楽しもうとは考えていない。
降ってわいたようなIRはもちろん✖。
今回のワクチン問題での不手際というか杜撰さなど、図体がでかすぎて、あちこちですぐショートしてしまう行政機構を、高齢者や子ども、貧困層、障害者などの弱者の立場に立って立て直していける人物が必要とされているということだ。
そこから発想して1票をどう投じるか。それぞれの主張を子細に見てみたい。