昨日、小此木八郎の市長選出馬について次のように書いた。
「IRを下すことについて市議会与党を説得することができて、保守の基盤を守ることができるのは誰だ?・・・と考えた時、「自分が出る」という判断にたどり着いた。
首相の出身地元として、小此木-藤木ー菅という地元横浜の保守の基盤を割らずに横浜の保守体制を温存するための方策、それが八郎出馬だったのではないか。」
今朝の東京新聞県版のトップ。見出しは、
「小此木さん推薦せず 自民市連、自主投票へ」
ちょっとびっくりだ。自民党市連内部ではすでに内々の了承が取れていたのではという観測は買い被りすぎだったようだ。
菅-坂井-小此木、という自民党中央の意向は地元では通らなかったということだ。
カジノを含む統合型リゾート(IR)誘致に対して自民党市連の多数派は、この方針を維持することを明確にしたわけで、この問題で自民党は明確に割れたということになる。
自主投票というのは党として格好が悪すぎる。
そして市連は誰を推すのか、誰も推さないのか。
IR誘致推進を明確にしている林文子現市長に対しては、すでに多選と健康上の問題を理由に支援しないことを決めている。市連とIR推進の横浜経済界は隠し玉をもっているのだろうか?元衆議院議員の福田峰之がすでにIR推進で立候補を表明している。しかし、タマとしてはどう見ても格が違いすぎる。かといって今さら林氏に出馬要請はできないだろう。
一方、ガースーおよび自民党中央からすれば、三代にわたって大臣までつとめた小此木家の旗頭をはだかで選挙に出すわけにはいかないだろう。
ガースー自身の威光は地に落ちかねないし、そんな格好の悪いことはできないはず。
しかし二本目の懐ろ刀の坂井官房副長官の調整は失敗に終わった。人望も能力も今一つといわれてきた福官房長官の無能ぶりがここで白日の下に。そうなるとガースーか自民党本部が調整に出て来ざるを得ない。
しかし、ガースーは今それどころではない。五輪を前に右往左往の毎日だ。
となると二階か?
調整のカギは、横浜のIR誘致を下ろしても自民党は小此木を推すという線だが、どうだろう。
二階幹事長は、もともとIR推進派。旅行協会との結びつきも強くGOTOを強く推進した。といえば、ガースーもまたIR推進派の一角を占める。しかし、二階は必ずしも横浜にこだわらない。どこでも、とにかくIRができればいいのだ。
横浜に泣いてもらう、が自民党中央の意向。ガースーも身内を市長にしておくことは地元対策としては重要なことだ。
このままいけば自民党の中に遺恨が残ることは間違いない。
告示まであと1か月と1週間。
横浜市大医学部教授の山中竹春さんは30日に市大に退職届を出したという。立民の推薦に加えて、「カジノ反対の市長を誕生させる横浜市民の会」が昨日、山中さんに政策協定締結を目指すことを決めた。
立民からは市議の太田正孝さんがIR反対で立候補を表明している。ここでもねじれ現象がある。
あとはつばさの党で動物愛護団体理事の藤本晃子さん。「濱の白虎隊」を名乗っている。IRは反対。
共産党の動きはわからない。今更独自候補擁立はないと考えれば、山中氏支援に動くのか。
これほどよくわからない選挙も珍しい。
私は知らなかったが、小此木八郎は、河野太郎、小泉進次郎とともに「神奈川三郎」といわれているのだそうだ。
いずれ総理を目指すと三人ということなのだろうが、知名度、動きからいって八郎氏は二人の後塵を拝する位置。横浜市長へのスライドはそんなこともあるのだろうか。