広島市、8月6日までに84人の原告に被爆者健康手帳交付の予定。問題は、原告と同じような事情にあった人たちに対する対応だ。「談話」は政治判断で上告を断念するとしていて、必ずしも今までの国の立場を変更しているわけではないし、控訴審の判決を受け入れているわけではない。 だとすると、原告以外の人々の救済や、長崎の未認定の方々への手帳交付がすんなりとなされるのかどうか気がかりだ。また、国と広島・長崎県・市との間に齟齬が産まれやしないだろうか。

追記

黒い雨訴訟のことだが、広島市は原告84人に対し、8月6日までに被爆者健康手帳の交付を行いたい旨表明している。ぜひやってほしい。自分だけ超早くワクチンを打ってしまう市長だからこそ、こういうことも超早くやってほしいものだ。

 

問題は、原告と同じような事情にあった人たちに対する対応だ。「談話」は政治判断で上告を断念するとしていて、必ずしも今までの国の立場を変更しているわけではないし、控訴審の判決を受け入れているわけではない。

だとすると、原告以外の人々の救済や、長崎の未認定の方々への手帳交付がすんなりとなされるのかどうか気がかりだ。また、国と広島・長崎県・市との間に齟齬が産まれやしないだろうか。

 

「雨」にあたらなくとも、被ばくした多くの人々が生きるために口にした水や野菜には多量の放射性微粒子が含まれていたことはあきらか。存命のこの方たちを認定することが、今、国のできる最低限の贖罪ではないのか。

戦地に行ったかどうかで額面の違いはあるにしても、軍人に対しては軍人恩給が支給されているが、生活の場で戦争被害を受けた人々への救済はまったくなされていない。

被爆者健康手帳によって、医療費などが免除される被ばく者にしても、戦争がなければ、原爆投下が回避されていれば、被ばく後の人生はまったく違ったものになっていたはずだ。

本来ならば国のとるべき立場は、救済というやや上からの立場ではなく、国家の戦争責任を果たさせてほしいとお願いする立場ではないのか。

今後どのような経過をたどるか、注視していきたいと思う。

 

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