2018-01-01から1年間の記事一覧

梯剛之(p)・松本紘佳(V)でデュオコンサート・・・大曲3曲の中には、何百か所も互いに相手を感じて出なければならない箇所があると思うのだが、彼らの中に戸惑いのようなものが生じたように見えたことは一度もなかった。

9月30日、西国分寺の“りとるぷれいはうす”にて、梯剛之(かけはし・たけし)(P)と松本紘佳(V)のデュオを二人で聴きに行く。前回の佐藤卓史と松本のデュオが9月3日だったから、まだ1か月経っていない。キャリアとしては佐藤より格段に上であると思われる…

『朝、目が覚めると戦争が始まっていました』(方丈社・2018年)問題は、書籍の中の人々の言説そのものではなく、私自身が感じる「違和感」に組み込まれている歴史意識とか戦争観なのではないかという気がする。

『朝、目が覚めると戦争が始まっていました』(方丈社・2018年)を読んだ。方丈社は名前の通り小さな出版社のようだ。『特攻セズ 美濃部正の生涯』『復刻版大正っ子の太平洋戦記』を出版している(前者には惹きこまれた。後者は未読。ようやく横浜市の図書館…

放棄し続ける独立国家としての自治を回復させようとするか、今までどおり民意を無視した対米従属の路線を守るのか、この選挙結果は政権の喉元に突きつけられた鋭いナイフである。

9月30日(日) 早めに呑み始めた酒が過ぎたのか、7時半ころ早々と床に就いてしまった。目が覚めると0時過ぎ。外の風の音に反応したようだ。強風というよりもはや暴風。木が揺れてぶつかり合う音がすさまじい。ふだん雨や風の音はよほどのことがない限り聞こ…

『原民喜 死と愛と孤独の肖像』(梯久美子)生きるために身を売り、文を売るというのではない、書くことそのものが生きることというところまで突き詰めた人生は、読んでいて息苦しくなるほどだ。

梯久美子『原民喜~死と愛と孤独の肖像』(岩波新書・2018)を読んだ。原爆の詩人原民喜の伝記である。 梯の著作は、少し前に『狂う人「死の棘」の妻・島尾ミホ』(2016年)を読んだ。島尾敏雄の妻島尾ミホという人物の、複雑で迷宮のような怪奇さに正面から…

『愛しのアイリーン』リアルではあるのにリアリティはない。常に動いているのにどこか「静」のところがある。不思議な映画だが、印象に残る、なかなか忘れられないという点では、面白い映画だと思う。

前号で書いたように、ひょんなことから『愛しのアイリーン』(日本・2018年・137分・監督吉田恵輔・主演安田顕)をみた。“ひょん”と云っても、いくつかのブログで触れられていて「みよう」と思っていた映画なのだが、評判はいろいろ、『寝ても覚めても』優先…

検察側の罪人、重々しいばかりで、???がひっきりなしに浮かんでくる集中できない映画だった。

ららぽーと横浜TOHOシネマズで『サニー』と『寝ても覚めても』が間1時間ほど置いて二本続けてみられる。『サニー』はともかく『寝ても覚めても』はそれほど集客力があるとは思えない映画だけに、ラッキー。そのあと長津田の行きつけの居酒屋が新規出店したお…

『バーフバリ伝説誕生』(インド・2015年・138分・監督S・S・ラージャマウリ)『バーフバリ王の凱旋』(インド・2017年・141分・監督S・S・ラージャマウリ)を続けてみた。休憩時間を入れて5時間。み始めて1時間も経たないうちに「帰ろうかな」と思った。

『バーフバリ伝説誕生』(インド・2015年・138分・監督S・S・ラージャマウリ)『バーフバリ王の凱旋』(インド・2017年・141分・監督S・S・ラージャマウリ)を続けてみた。休憩時間を入れて5時間。み始めて1時間も経たないうちに「帰ろうかな」と思った。 す…

お彼岸が近づくにつれ、ヒガンバナが増えていくような気がする。23日で昼夜の長さが同じになるが、同じにというよりどんどん日が短くなってきているようだ。

境川河畔にも時々冷たい風が吹くようになった。 河川敷やちょっとした空き地に、気がつくとヒガンバナ(曼殊沙華)が目立つようになった。草が刈り取られたあとに、3~40㌢ほどの高さでまっすぐに細い軸を立てている。白いものもある。ヒガンバナというもの…

リドリー・スコット、81歳。クリストファープラマー89歳。次はどんな映画を撮るのだろうか。

『ゲティ家の身代金』(アメリカ・2017年・133分・原題:All the Money in the World・監督リドリースコット・出演ミシェル・ウイリアムズ・クリストファー・プラマー) 監督リドリー・スコットは今年81歳になる。私が見た彼が監督したいちばん古い映画は『…

今、学校現場に最も欠落しているものは何か。そして必要とされるものは何か。すさまじいスピードからいったん降りて、考えてほしい。そうしなければ現場の“ほうれん草”は腐り続け、K先生の問題のような心ない“事故”が連発されることになる。

7月に東京の労組の通信に書いた原稿が掲載されたので転載する。 テーマは以前にも少し触れたことがある”セクハラ冤罪事件”についてである。 字数の制限があるため、詳細については省いてある(処分当時の詳しい分析について知りたいという方は、雑誌『現代思…

市民としての当事者性の違いと言えばいいのだろうか。徴兵も軍隊もないに越したことはない。しかし、徴兵も軍隊もない“平和”が、戦勝国であるアメリカや、沖縄の犠牲の上にあるとしたら、その“平和”を喜んで享受していいのだろうか、

『30年後の同窓会』(アメリカ・125分・原題:Last Flag Flying 監督リチャード・リンクレイター)をみた。海兵隊の同期の3人の物語だが、しみじみとしたいい映画だ。でも〈同窓会〉というのは違うのではないか。邦題のつけかた、気に入らない。どう訳せばわ…

力士が大型化しているだけに、けがが多いと聞く。朝弁慶に照ノ富士、捲土重来、まさに土煙を巻き上げるように土俵に復帰を期してもらいたいものだ。

大相撲も今日で7日目。なかなかじっくり見ることができない。忙しいわけではないのだけれど、こまごまとしたことに時間を割かれている。幸いにも前半戦はほとんど波瀾はなかったから、後半戦が楽しみではある。 郷土の力士服部桜はというと、今日午前中にす…

今、私たちが即座に現地の様子を映像で見られるのと違って、130年前の明治の人々こうした絵一枚から被災の状況を想像するしかなかった。災害はいったいどんなふうに人々の心に刻まれたのだろうか。

9月8日の最後のところで、横浜・関内ニュースパークの“新聞が伝えた明治―近代日本の記憶と記録”という企画展で見た磐梯山噴火の速報について触れた。 私は、画家山本芳翠が描いた噴火のシーンは、裏磐梯から見たものだと書いた。爆発と言えば裏磐梯と思い込…

“日本勢”とか“日本出身力士”とか言わずに、明確に日本人と言い切ってみること。その時に感じる違和感があれば口にして、互いに矯めつ眇めつ微に入り細に入り、その感性を吟味検討してみることだとあらためて思う。

急に気温が下がった。散歩に出ようとして玄関のドアを開けると微風がひやっと吹き抜ける。久しぶりの感覚だ。深呼吸をする。西の丹沢には厚い雲がかかっているが、北の方に青空がのぞいている。 境川の復路でカワウが羽を広げているのに遭遇。羽ばたくという…

『ザ・スクエア思いやりの聖域』・・・随所に出てくる移民、難民と思われる人々は、歓迎されるべき存在として描かれてはいない。ではどんな人々が歓迎されるべき存在なのか。そもそも歓迎するされるって?

『フレンチアルプスで起きたこと』(2014年・スウェーデン・デンマーク・フランス・ノルウェー合作・原題:“Turist”・118分・監督リューベン・オストルンド)をみたのは3年ほど前になるが、映画の印象は薄れていない。 トマスは妻と二人の子どもとともにフレ…

セリフが少なくて長回しのカメラ、映画の中に流れる空気が穏やかで静かなところがとってもいいと思った。無味無臭のようでいて、気がつくと“ああ、いい匂いだったねえ”という感じ。

遅まきながら『四月の永い夢』(日本・2017年・93分・監督中川龍太郎・主演朝倉あき)をみた。 セリフが少なくて長回しのカメラ、映画の中に流れる空気が穏やかで静かなところがとってもいいと思った。無味無臭のようでいて、気がつくと“ああ、いい匂いだっ…

ボランティアに出掛けられるほどの体力もなく、みていることしかできない身であるが、せめて目をそらさずに気持ちを切らせずにとは思っているのだが。

夕方、少し涼しくなったので、切手を買いに近くのコンビニまで出かけた。コンビニはマンションの敷地内にあるのだが、サンダルを履いてプラプラと歩くと5分ほどかかる。途中、中庭を通る。 数本の百日紅、盛りが終わって花を落としているのに気がついた。そ…

小説『カトク』を読む。コンプライアンスを無視して業績を上げてきたいくつもの会社がどのように法律をすり抜けていくか。それを支える社員、経営者の独特の論理が、城木自身の痛恨の来歴と監督官としての労働実態が重ねて語られるため、単なる勧善懲悪に陥らず、深みのある小説になっている。

新庄耕の『カトク』を読んだ。文庫本で864円はやや高めだが、“文庫書下ろし”であることを考えれば妥当なところかもしれない。 カトクとは厚生労働省に3年前に設置された「過重労働撲滅特別対策班」の略称。配属されるのは労働基準監督官だが、労働条件の是正…

ヴァイオリンとピアノが互いに闘いながら結びつき、これでもかこれでもかと迫力のある音と強い思念がこちらに伝わってくる。

2日、日曜日。 西国分寺の『三百年古民家の温もり りとるぷれいハウス』で佐藤卓史(P)・松本紘佳(Vn.)のデュオリサイタルをつれあいと聴きに行く。 西国分寺へは、最寄りの駅南町田から田園都市線で溝の口、徒歩で武蔵溝ノ口からJR南武線に乗り換えて府…

厳しい環境の中で生きている子どもたちは、この国にもたくさんいる。子どもの貧困率15%というのがこの国の実態だ。さまざまなハザードを抱えながら、親を支えきょうだいを支えて生きていかざるを得ない多くの子どもたち、疲労と無表情が皮膚と心の内部に浸透してしまってそのまま固化している子どもたち。  試されているのは私たち。彼らにどのような思いをもった視線を送ればいいのか。そんなことを考えた映画だった。

8月半ばに、季節はめぐり秋が近づいたなどと記したが、何ということはない、相も変わらず厳しい残暑が続いている。希望的観測という言葉があるが、まさにそれだったようだ。いや早く涼しくなってほしいという熱望的観測であったか。今となっては暑熱に焦が…

地方自治体でも“水増し”が常態化しているとされ、別に雇用率が定められている教育委員会でも徐々に実態が明らかになってきている。国から地方まで官は、コンプライアンス無視の行状を繰り返してきたということだ。

今日28日、政府は障害者雇用の水増し問題で、昨年6月1日時点での再調査結果を公表した。33の行政機関のうち27の機関で計3460人の誤った算入があり、法定雇用率は2.3%(当時)には到底及ばない1.19%であったことが判明した。 地方自治体でも“水増し”が…

要するにとかつまるところとか云って解釈しようとすると、面白さは指の間から逃げていく。  テーマ?人それぞれ何とでもとればいい。いい映画ほど何重にもテーマ性は隠れているものだ。  そんなことよりとにかくドタバタが面白い!

また猛暑がぶり返している。8月の初めほどではないが。季節はまだ巡りきっていないということだな。 台風の影響の強風がまだ残っていて、昼に近づくにつれ熱風を部屋の中に運んでくる。 外では、マンションの子ども向けの行事の準備が進んでいる。朝からざわ…

教育の自由を守るためには、戦前戦中のように教育を一定方向に無理やり導き、教員に国家の先兵たる役割を担わせるのではなく、それぞれの学問的な興味関心に基づいて法律の許す範囲において自由に研究と修養を積み重ねるというのが「戦後の教員像」だったということだ。

台風の影響なのか、それほど気温は上がらないが湿度は高い。 西日本はまたも19号、20号の影響をまともに受け、大変な状態にある。避難を続けている方々、新たに避難をした方々、そのしんどさを想像するにつけ無事早く自宅に戻られることを願う。 21日、定年…

愛媛県と山形県が、障害者の法定雇用率の集計に間違いがあったと発表。現場を縛るような重要な問題でも、担当が代われば関心も持続せず、ほったらかしにされてしまう。もちろんその無関心への変容のおおもとは、行政トップの無関心であり、議員の無関心なのだが。

愛媛県と山形県が、障害者の法定雇用率の集計に間違いがあったと発表した。中央省庁だけではなかったということだ。気になるのは教育委員会だ。 長い間、少数労働組合の役員として教育行政の役人と向き合ってきたが、彼らには、焦点化した問題については異様…

わたしたちが二人を育てていたとき、我が家にはつれあいの母親が同居してくれていた。年寄りの手があるというのは何物にも代えがたく、私たちはワンオペ育児など考えることさえなかった。

この二日間、エアコンを使わずに眠ることができた。扇風機も。 季節はこんなにドラスティックにめぐるものだったかなと思うほど、明け方、乾いた冷涼な風が家の中を吹き抜けていった。 今朝、やや遅い時間の散歩。町田市・横浜市と大和市の間を流れている境…

地方自治体や民間企業に対し法定雇用率を示し、到達できない場合は違反金を納付させてきたその元締めたる国の省庁が、これほどのでたらめを42年間も続けてきたとは。ここまで腐っているのか、この国の官僚は。

深夜3時ごろに寒気を感じて目が覚める。エアコンを消そうとテラスを開ける。乾いた少し冷たい風が入ってくる。反対側にある玄関も網戸にする。 寝床に戻ったころに突然、半分に折れる網戸が開く音。誰かが入ってきたようだ。 暁闇の訪問者?そんなことはあり…

「珊瑚礁の外で」(文學界2018年5月号) つまるところ、青来はこの国の「戦後」とか「近代」のうわっつらにかけられたベールを、自らの日常を通して剥いでみせたかったのではないか。

今回,芥川賞を受賞した高橋弘希氏の「送り火」を読むために文學界5月号をAmazonで買い求めたことは以前にも書いた。一時はずいぶん価格が高かったが、私が買ったころには定価に戻っていた。 「送り火」は160枚。もうひとつ青来有一「珊瑚礁の外で」240枚が載…

特攻への批判に対してよく言われるのは「尊い命を犠牲にしてお国のために死んでいった人たちを馬鹿にするのか」というものだが、それが「命令した側」の無意識の免罪にもつながっているという指摘は鋭いと思う。

今日、8月15日。風はあるが、暑い一日。 昨日、ラジオを聴いていたら、映画評論家の方が、お名前は失念したが『三船敏郎全映画(映画秘宝COLLECTION』(洋泉社・3800円)という本の紹介をしていた。7月に売り出したが、値段が高くてなかなか売れず、ネットに…

昨年の広島の平和記念式典での安倍首相を睨みつける翁長さんの眼は鋭かった。大人ぶって常識的に振る舞いがちな政治家が多い中、「コノヤロー」とばかりに睨みつける翁長さんを、私はかっこいいと思う。

沖縄知事選挙が9月30日に行われることになった。自民党は、佐喜真淳宜野湾市長を擁立する方針を明らかにしているが、翁長知事後継候補はまだ決定していない。城間幹子那覇市長が有力視されているようだ。 一期目の途中で病に斃れ,亡くなった翁長知事、面変わ…

『ダンガル~きっと強くなる」皆それぞれ自分の物語を映画に反映するのだ。映画の中から自分の好きなものをトッピングして自分の物語を飾る。その幅が広いのがこの映画の特徴だ。だれもが思いを込められる、ひとことで言えばわかりやすい「スポ根映画」である。

12日、日曜日。珍しく日中エアコンを使わないで過ごす。 あすからお盆、今日が帰省ラッシュのピークだという。何十キロの渋滞に200%以上の乗車率。気の毒である。 日航機の事故から33年、追悼登山の報道に見入る。 あの頃は毎年子どもを連れて帰省していた…