昨年の広島の平和記念式典での安倍首相を睨みつける翁長さんの眼は鋭かった。大人ぶって常識的に振る舞いがちな政治家が多い中、「コノヤロー」とばかりに睨みつける翁長さんを、私はかっこいいと思う。

   沖縄知事選挙が9月30日に行われることになった。自民党は、佐喜真淳宜野湾市長を擁立する方針を明らかにしているが、翁長知事後継候補はまだ決定していない。城間幹子那覇市長が有力視されているようだ。


   一期目の途中で病に斃れ,亡くなった翁長知事、面変わりした様子をテレビのニュースで見るにつけ、悲壮さが際立っていて辛いものがあった。

    政治家はいつか?いつも?妥協するが、翁長知事は辺野古に関して徹底して反対を貫いた。稀有な政治家だと思う。

 

    自分にとって沖縄とは何か。物理的な遠さだけでなく、気持ちの面でもすぐに距離が出来てしまう沖縄、辺野古反対の気持ちは一緒だよ思いながら、気持ちしか一緒でないことの後ろめたさ。

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    翁長知事が亡くなったことにどれだけ気持ちを寄せることができるのか、そんな思いがゆらゆらとしているときに、広島に住む友人が沖縄の知り合いの方からの短いメールを転送してくれた。

    沖縄の人は翁長知事をこんなふうにみているのだ。ここには私の知らない翁長知事がいる。
 自分が住む都道府県の首長をこんなふうに讃えることのできる県民が、この国にどれほどいるのだろうか。知事の名前すら知らない人が多いのに。

 

翁長知事は残念でした。
本当に素晴らしい知事でした。
辺野古以外でも、政府がしてくれないのでグアム、台湾、中国、韓国、ハワイに行って経済人と会い、観光を誘致していました。
その努力が実って、毎年毎月観光客が増え、過去最高になっています。
貧困問題でも、早くに対策チームを立ち上げて、努力を重ねておられました。
他県の知事のように、中央省庁の事実上の天下りのような無責任な腰掛知事とは比べものにもなりません。
8月11日は数万人規模の辺野古反対集会が予定されており、回復して参加されるものと思っていました。
メッセージは託されたようですので、今はそれを聞くしかありません。


 昨年横浜に戻ってこられた元沖縄大学学長の加藤彰彦さん、沖縄の子どもの貧困問題に取り組んでこられた方だが、沖縄県の行政がとっても協力的だったと話しておられた。基地問題だけでなく、翁長知事は国の非協力に対して、率先垂範、一歩前を歩く行政を心がけておられたのだなと思う。

 

 安倍首相は、カンヌでパルムドールを受賞した是枝裕和監督を軽く扱ったように、今回も同じ時期に亡くなった津川雅彦さんに比べ、翁長さんへの弔意は薄い。

 「安倍応援団」の友人への厚い弔意の表明は、人として当然のことかもしれないが、「宿敵」への弔意とリスペクトもまた忘れてはならない大切なものだろう。

 お友達ばかり優先するこの宰相の気持ちの未成熟さはどうしたものか。見たくないもの、聞きたくないものは視野に入れないし、耳を塞いでしまう。・・・ちっちゃい。

 

 対照的に、昨年の広島の平和記念式典での安倍首相を睨みつける翁長さんの眼は鋭かった。大人ぶって常識的に振る舞いがちな政治家が多い中、「コノヤロー」とばかりに睨みつける翁長さんを、私はかっこいいと思う。

 合掌。