要するにとかつまるところとか云って解釈しようとすると、面白さは指の間から逃げていく。  テーマ?人それぞれ何とでもとればいい。いい映画ほど何重にもテーマ性は隠れているものだ。  そんなことよりとにかくドタバタが面白い!

    また猛暑がぶり返している。8月の初めほどではないが。季節はまだ巡りきっていないということだな。

 台風の影響の強風がまだ残っていて、昼に近づくにつれ熱風を部屋の中に運んでくる。
 外では、マンションの子ども向けの行事の準備が進んでいる。朝からざわめきが聞こえてくる。テントがいくつも立ちあがっている。7月末の“フェスタ”と呼ばれるお祭りが台風で中止になったため、その代償措置なのだろう。テントが強風で飛ばなければいいが。


 午前中、つれあいが横浜に買い物に出かけた。だからというわけでもないのだが、水槽の掃除をすることにした。

 小さな水槽が二つ、それぞれにグッピーと熱帯魚を少しだけ飼っている。ひと月に1度をめどに掃除をしようと思うのだが、気がつくと過ぎている。前回は7月の半ばだったか。

 約1時間、小さいといっても水槽ごと流しには運べないので、金盥に水を汲んで運ぶ。

 その間、魚は小さなボールに入れて退避させるのだが、容れ物が小さいと飛び出すことがよくある。今日もグッピーが飛び出したのを発見、戻したが、熱帯魚のスマトラが一匹、行方不明に。

 がつがつよく食べるしましま模様の元気な熱帯魚。あちこち探したら、やはり飛び出していて置物の陰で発見。こちらは残念だが死んでいた。

 

 見違えるようにきれいになった水槽が二つ。満足。一時間もすれば水はすっかり循環し、きれいになる。

 すこし汗をかいたので、エアコンにする。外のざわめきが急に聞こえなくなる。すっと涼しくなったような気がする。人の声も暑さの原因ということだ。もちろん話している人たちには何の罪もないが。


カメラを止めるな!』(2018年・日本・96分・監督上田慎一郎)。たったふたつの映画館で上映が始まったのがついこの間の6月23日。SNSや口コミで広がり、公開2か月を過ぎて全国200館近い映画館で上映されているという。

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徳島から来たKさんとつれあいと3人で出かけた“ららぽーと横浜”TOHOシネマズも、ふだんはこうしたインディーズに近いものは上映しないが、いまや一日3回の上映。全国のシネコンが軒並み上映を始めている。


 11時55分の回をみようと、10時過ぎに自宅を出た。何年か前、渋滞して予約した映画が見られなかったことがあった。それ以来、ららぽーとで映画をみるときは、早めに到着することと予約をしないことを心がけている。

 あんのじょう、小一時間かかってようやく“ららぽーと”に到着。空いていれば30分ほどのところだ。

 チケット発券機の上の電光掲示板を見ると「残席わずか」の表示。スクリーン1は300席。上映1時間前に取れたチケットは、3人ともが最前列の席。 

 ブームというのはすごいものだ。夏休みとはいえ、この日は平日。 

 隣の男性はバケツのような容れ物のポップコーンを抱えて食べている。ふだん私が行く映画館にはポップコーンは置いていない。
 

 初めの30分はワンカットで撮る日本のゾンビ映画。一台のカメラを止めずにここまで撮りきるにはさぞ準備が大変なんだろうなと思いながら、あんまりおもしろくはない。

 どう見てもこれは無理だなという箇所がいくつも目に付く。それに昼間だし、怖くはない。カメラは一度だけカメラマンが倒れたのか地面すれすれに固定されるが、それ以外ひたすら動いている。最前列ということもあって気分が悪くなりはしないかと心配になる。300人の会場に笑いはあるが、かわいている。


 30分ほどでエンドロール。ここから映画はがぜん面白くなっていく。残りの1時間は画面に集中、笑いっぱなし。一人で来なくて良かった。前半のかったるさの中に仕組まれた数々の伏線が見事に解かれていく。その小気味の良さに感嘆するのでなく、ただ笑ってしまう。とにかく面白かった。


 以下ネタバレなしの感想。
 監督役、その妻、その娘・・・よく似ている母娘、どこかすれ違ってしまう、でもどこかでやっぱり似ている父娘、ラストシーンからは家族の成長のドラマがみてとれる・・・なんてふうにもとれないこともないが、ええ?そんな分かりやすい映画だった?

 最初の30分で終わったはずなのにまた始まるドラマ、死んでも死んでも立ち上がってくる、これはゾンビのメタファーだ。そういえばあちこちで・・・。これもどこかきいたふうだ。

 ものを表現するというのは、実はすれ違いと誤解と思い込みによる・・・これもわかったふうで評論家的で面白くない。

 人が演じることって・・・。シリアスに演じれば演じるほどコメディーにならざるを得ない。人間が生きているということはつまるところ・・・当たり前でしょそんなこと、人生論かい?

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 要するにとかつまるところとか云って解釈しようとすると、面白さは指の間から逃げていく。

 テーマ?人それぞれ何とでもとればいい。いい映画ほど何重にもテーマ性は隠れているものだ。

 そんなことよりとにかくドタバタが面白い!

 こんなに映画って面白かったっけ?

 つくりものに惹きつけられたのっていつ以来?

 おれ、最近こんなに笑ったことあったっけ?

 こんなところが感想だ。

 こういう映画、ひさしぶりにみた。

 Kさん、「徳島の高校生に見せたい」と。

 

 

 

 

 

『永遠のジャンゴ』のところでヴァイオリンのステファン・グラッペリに触れた。

ジャンゴとグラッペリの演奏が聴けるCDは、私がもっているものでは『DJANGOLOGY』。1949年1月~2月にローマで録音されたもの。今、手に入るものは、期間限定で2015年につくられたもの。アマゾンで900円で買える。 

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