2018-09-05から1日間の記事一覧

小説『カトク』を読む。コンプライアンスを無視して業績を上げてきたいくつもの会社がどのように法律をすり抜けていくか。それを支える社員、経営者の独特の論理が、城木自身の痛恨の来歴と監督官としての労働実態が重ねて語られるため、単なる勧善懲悪に陥らず、深みのある小説になっている。

新庄耕の『カトク』を読んだ。文庫本で864円はやや高めだが、“文庫書下ろし”であることを考えれば妥当なところかもしれない。 カトクとは厚生労働省に3年前に設置された「過重労働撲滅特別対策班」の略称。配属されるのは労働基準監督官だが、労働条件の是正…