2018-09-27から1日間の記事一覧

『原民喜 死と愛と孤独の肖像』(梯久美子)生きるために身を売り、文を売るというのではない、書くことそのものが生きることというところまで突き詰めた人生は、読んでいて息苦しくなるほどだ。

梯久美子『原民喜~死と愛と孤独の肖像』(岩波新書・2018)を読んだ。原爆の詩人原民喜の伝記である。 梯の著作は、少し前に『狂う人「死の棘」の妻・島尾ミホ』(2016年)を読んだ。島尾敏雄の妻島尾ミホという人物の、複雑で迷宮のような怪奇さに正面から…