“日本勢”とか“日本出身力士”とか言わずに、明確に日本人と言い切ってみること。その時に感じる違和感があれば口にして、互いに矯めつ眇めつ微に入り細に入り、その感性を吟味検討してみることだとあらためて思う。

   急に気温が下がった。散歩に出ようとして玄関のドアを開けると微風がひやっと吹き抜ける。久しぶりの感覚だ。深呼吸をする。西の丹沢には厚い雲がかかっているが、北の方に青空がのぞいている。
 

 境川の復路でカワウが羽を広げているのに遭遇。羽ばたくというのではなく、ただ羽を広げてじっとしている。鳥のことなど何も知らない私たちは、カラスを威嚇しているのではないかとか、ひょうきんな動きをするカワウのことだから閉じるの忘れているのではないか、などと勝手な想像を言い合って戻ってきたのだが、気になって調べてみた。

f:id:keisuke42001:20180911104503j:plain          よくみえませんが・・・


 カワウはほかの鳥のように撥水効果のある油分が出る機能が羽についていないのだそうだ。油分があると浮力が生じて深く長くは潜れない。カモなどはこれがちょうどよく、水面近くを潜ることになる。それに比べカワウは潜水の深度が深く時間も長いため、油分があると浮力が邪魔をしてうまく潜れない。 

 つまりカワウの羽には撥水のための油分を発する機能がないので、時々こうして濡れた羽を広げて乾かすということだ。閉じるのを忘れているわけではないらしい。

 

 大谷が週間MVPを受賞した。4月にMLBに入って2回目。他人ごとだが嬉しい。

 プロ野球MLBもほとんど見ないのだが、大谷だけは別。去年の3月に横浜スタジアムのオープン戦で初めて彼をみたのをきっかけに、ネット上の追っかけになっている。今までみたことのない野球選手だと思っている。

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 昨日の2塁打、やわらかいバッティングで素晴らしかった。そのあとの二盗も。三盗は残念だったけど、判定ははじめはセーフ。リクエストでひっくり返ったが、あの大きなからだで三盗を敢行しようとする意気込みがすごい。

 アグレッシブなプレーとはアンバランスななんともさわやかな雰囲気を相変わらず維持しているが、それとは対照的だった日本ハムのヤンチャ系?同僚中田翔が「あいつにはかなわない。打球の音が全く違う」と言わしめた底力は、まだまだ全容をさらしてはいないと思う。

 

 大相撲が始まった。相撲は大好きである。どの力士が好きというのはあまりない。いい相撲を取る力士が好きという程度である。

 気になる力士はいる。宇良である。現在東三段目九十一枚目。十両32人、幕下120人、そして三段目には東西200人の力士がいる。その三段目の180番目ほど。幕内で活躍していたころからすれば“奈落の底”ぐらいのところにいる。ようやくけがも癒えて今場所から再出発のようだ。遅くとも一年後には幕内に戻ってきてほしい。運動神経の塊のような機敏な相撲を早く見てみたい。

f:id:keisuke42001:20180911105010j:plain    左:宇良 いぞり?

 もう一人、以前にも少し触れたことがある服部桜。彼の番付は東序の口二十七枚目。序の口はご存知のように慣用句にもなっている大相撲の一番下の階級?ここには64人が在籍。服部桜はそのうちの下から10人目ぐらい。宇良から数えて230番ほど下にいる。2015年初土俵で最高位が東序の口十八8枚目。20歳。周りはほとんど新人だろう。

 ほとんど勝つことがない。それでもやめない。とにかく弱い。身長176cm体重80.3㎏。身長は私とほぼ同じ、体重は私の方が少しだけ重い。つまり私が相撲を取っているようなものである。想像はしないでほしい。

f:id:keisuke42001:20180911105026p:plain服部桜

 彼、まれに勝つことがある。通算勝ち星2勝。3年間で2勝。先場所、相手の腰砕けで2勝目をあげた。神奈川県茅ケ崎出身。ここから30㌖ほどのところ。そんなこともあってなんとなく気になる力士である。

 

 大坂なおみが、セリーナ・ウイリアムズに勝った。全米オープン優勝。こちらも20歳。日本人選手が4大大会で優勝することがあるとは思ってもみなかった。いっときは錦織選手が近いのかなと思ったが、近いようで遠いのがこの世界。松山選手がメジャーで勝てないのと同様、西洋のプロスポーツの壁は厚い。
 

 それより、昨日の夕刊の一面(昨日は休刊日、朝刊はなかった)で気になったのは、「日本勢で初めて」という表現。大坂なおみはまごうことなき日本人であるにも関わらず、開明的と言われている東京新聞も「日本勢」だ。

 日本的な顔をして日本語をしゃべらないと日本人とは言えないのか?どちらも日本人を規定するものはならない。日本国籍を有していれば日本人と考えればいいのだが、法律上の日本人と一般的な日本人が意識する日本人とは違うということか。

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 日本社会では、民族と国籍が一致して当たり前という意識がいまだに強い。民族が違っても日本語が話せなくても“日本人”。それが当たり前になっていかないと、国際化なんてしていかないと思う。日本独特の食材を口にしたときに“日本人に生まれてよかった”なんてことを言う人がいるが、うまいものに日本人も外国人もない。もし慣習としての“舌”があるとすれば、“日本に住んでいること”が前提になるわけで、国籍は関係ない。

 民族としての日本人意識の狭隘さにもっと敏感になるべきだと思う。東京でのオリンピックに向けて日本いいですね、という独特の日本人意識が強調される今だからこそ、
 “日本勢”とか“日本出身力士”とか言わずに、明確に日本人と言い切ってみること。その時に感じる違和感があれば口にして、互いに矯めつ眇めつ微に入り細に入り、その感性を吟味検討してみることだとあらためて思う。