『オペレーション・ミンスミート ナチを欺いた死体』登場人物はみななかなかに魅力的で、雰囲気もあるのだが、全体に流れるトーンがなんだか定まらず、見る方は集中力を欠いてしまった。

映画備忘録 4月22日 あつぎのえいがかんKIKIの1本目

 

『オペレーション・ミンスミート ナチを欺いた死体』(2022年製作/128分/G/イギリス/原題:Operation Mincemeat/監督:ジョン・マッデンコリン・ファース マシュー・マクファディン ケリー・マクドナルド/日本公開:2022年2月18日)

 

 

恋におちたシェイクスピア」のジョン・マッデン監督が「英国王のスピーチ」のコリン・ファースを主演に迎え、第2次世界大戦下で実行された奇想天外な欺瞞作戦の行方を、実話に基づいて描いたスパイサスペンス。1943年。劣勢を強いられる英国軍はイタリア・シチリアの攻略を目指すが、シチリア沿岸はドイツ軍の防備に固められていた。英国諜報部(MI5)は状況を打開するため、驚くべき奇策をチャーチル首相に提案する。「オペレーション・ミンスミート」と命名されたその作戦は、「イギリス軍がギリシャ上陸を計画している」という偽造文書を持たせた死体を地中海に流し、ヒトラーを騙し討ちにするというものだった。作戦はヨーロッパ各国の二重三重スパイたちをも巻き込み、壮大な騙し合いへと発展していく。共演は「プライドと偏見」のマシュー・マクファディン、「ハリー・ポッター」シリーズのジェイソン・アイザックス。(映画ドットコムから)

 

 

 

この作戦の発案者がイアン・フレミングだったという話は信じていよいものかどうか。このまさにばくちのような作戦を取らねばならぬほど、当時のイギリスは追い詰められていたということか。実際に行われた作戦というが、成功したのはかなり偶然によるもので、チャーチル自身がこういうばくちが好きだったということか。ダンケルクにしてもそうだが、確かに戦争にはばくちを仕掛けるときもあるのだろうが、使われるほうはたまったものではない。

 

128分、長い。

前半部分、作戦の立案から準備の部分、なかなか事情がつかめないこともあって冗長に感じられた。

実際にあったとは思えぬストーリーをかませているのだが、軍内部での勢力争いのさや当てならともかく、でっち上げるイギリス軍人を本物に仕立て上げる過程で協力者となる女性をめぐって繰り広げられる作戦部内部でのさや当てはなんだかなあという感じ。

 

後半はそれなりに緊迫感が出てくるが、ここでもイギリス人のスパイ好きのようなものが高じて、3重スパイが2重スパイを手玉にとるのに、股間のものまで手を出さねばならぬというのも・・・手玉にとるということか。

登場人物はみななかなかに魅力的で、雰囲気もあるのだが、全体に流れるトーンがなんだか定まらず、見る方は集中力を欠いてしまった。

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