薄暮シネマ

 

バラバラな対応が続いている。

 

現場はギリギリのところで必死でやっていることは、SNSでもテレビの報道でもわかる。

緊急事態宣言で休業要請を受けた人たちも、厳しい判断を迫られている。

 

休みたくても休めない人たちもいる。休めば5月以降の展望をもてない人たちもいる。

 

8割減という人との接触がうまくいかないのは、そのことによる結果が見えてしまうからだ。

その不安を払しょくし、責任を明確にして対応するのが行政の仕事なはずだ。

 

ここがうまくいかない。各首長がそれぞれ自分の判断をばらばらに云いだしている。

 

国のコントロールが効いていないということだ。国が緊急事態宣言を出したのだから、国のイニシアティヴがもっとも求められるのに、そこが見えない。

 

独自判断で緊急事態宣言を出す自治体も。これ自体が制御不能をあらわしている。

 

医療崩壊と同時にいろいろなものが崩壊していく予感。

 

わたしたちは、もともと他人とのかかわりが少ないので、8割減なんてできない。

 

ここ数日、散歩と買い物にしか出ていないから、Mさん以外の人と話をしていない。

 

閉門蟄居とまではいわないけれど、このままの生活が1か月続くのはかなり厳しい。

 

休業要請の対象にならなかった理髪店も結局閉めてしまったから、気晴らしに散髪に、というのもできない。

 

元来、人の密集するとところは苦手ではあるが、呑み屋さんは別。

 

出かけてみたい気もしないわけではないが、報道で街で見かける「STAY HOME」の文字をみると、気持ちは萎えてしまう。

 

 

 

せめて、いつもやっていることに新たな枠組をつけて新鮮な気持ちに、ということで、

始めたのが、名付けて『薄暮シネマ』。

 

夕方16時半~18時半ぐらいの時間に、二人で映画を一本見る。

 

だまされたように(お試し期間の解除をしなかったのは自分が悪いのだけれど)、Amazonプライムビデオの会員になって5年ほど。

 

パソコンで見ていた映画を、スマホと今のテレビを優先でつなぎ、テレビ画面で見られるようにした。

以下、備忘録。ついでに★印も。

★    時間の無駄だった。

★★   あえて見なくてもよかったけど…。

★★★  まあまあ愉しめたかな。

★★★★ 見応えあり。いい時間だった。

★★★★★ 素晴らしかった。時間を忘れて見続けた。 

 

『今日子と修一の場合』(2013年/日本/135分/監督:奥田瑛二/出演:安藤サクラ柄本佑★★

*震災を中心に据えてはいるが、全体に冗長でテーマ性が薄く、入り込めない。

 

将軍様、あなたのために映画を撮ります』(2016年/97分/イギリス/監督:ロス・アダム ロバート・カンナン /日本公開2016年)★★★

*1978年に起きた韓国の国民的女優と監督の拉致事件を追うが・・・。

 

『ミッションインポッシブル フォールアウト』(2018年/147分/アメリカ/原題:Mission: Impossible - Fallout/監督:クリストファー・マッカリートム・クルーズ

*息もつかせぬのはいつもと同じ、深みはないが、いつも最後まで楽しませてくれる。

 子どもの頃に見た「スパイ大作戦」のDNAが映画の中にしっかり残っているところがいい。 

キトキト!』(2006年/109分/日本/監督:吉田康弘/出演:大竹しのぶ光石研・井川比佐志)★★★>

*富山と東京を舞台にした映画。富山弁がいい。良くも悪くも大竹しのぶの映画。その大竹しのぶのキャラクターが今一つ散漫に感じられ、凝縮力がなく、しらけるところも。

 

『デスウイッシュ』(2018年/107分/R15+/アメリカ/監督:イーライ・ロス /出演:ブルース・ウイルス)★★★

チャールズ・ブロンソンの『狼よさらば』の再映画化。医者のブルース・ウイルスが妻を殺され、復讐鬼となる。ふつうの医者がここまでするか?という疑問。</p>

                                                            『あいときぼうのまち』(2013年/126分/日本/監督:菅乃廣 /出演:夏樹陽子勝野洋)★★

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原発の町の三世代の家族、それぞれの時代を往還するが、ややわかりにくい。思いの強さはわかるが、空回りしているような気がした。石川町で終戦間際にウランを発掘するために旧制中学の生徒を動員した事実を取り上げているのは貴重だが、あまりうまく生きていない。タイトルは、大島渚の『愛と希望の街』(1959年)をひらがなにしたもの。つながりは分からないかった。

 

『イロイロ!ぬくもりの記憶』(2013年/99分/シンガポール/原題:Ilo Ilo/監督:アンソニー・チェン /出演:コー・ジャールー・アンジェリ・バヤニ/日本公開2014年)★★★★★

*タイトルの”イロイロ”は、フィリピン中部ビサヤ諸島3地域内の州の名前。主人公のテレサ(アンジェリ・バヤニ)の出身地。彼女はメイドとしてシンガポールに出稼ぎに来ているという設定。共働きの一家にメイドとして働くことになったテレサと一家の日常が淡々と描かれる。問題児扱いされてる一人息子のジャールー、母親との微妙な感情のすれ違い、父親の荒み具合など家族の軋みの中でテレサがいつのまにか彼らを結びつける役割を果たしていく。情感あふれるすばらしい作品。アジアの中の南北問題がさらっと描かれている。初めての作品とは思えない出来栄え。2013年・第66回カンヌ国際映画祭でカメラドール(新人監督賞)を受賞した作品。

 

『きっといい日が待っている』(2016年/119分/PG12/デンマーク/原題:Der kommer en dag(いつか来る)/監督:イェスパ・W・ネルスン /出演:ラース・ミケルセン・ソフィー・グロベルほか)★★★★

*舞台は1967年。養護施設に預けられ兄弟、エリックとエルマーが過酷な共同生活の中から脱出するまでの物語。アメリカの月面着陸に希望を抱くエルマーの思いがけない行動。丁寧なつくり方で惹きこまれる。

 

ぼけますからよろしくお願いします』(2018年製作/102分/日本・監督:信友直子・出演:監督の両親)★★★★★

*カメラのもつ残酷さ、加害性・・・撮り続ける監督の内面が迫ってくる佳作。ナレーションは入るが、見ている方はその先まで連れていかれる。感服。そして身につまされる。

 

『グッモー、エビアン!』(2012年製作/106分/日本/監督:山本透/出演:大泉洋麻生久美子三吉彩花能年玲奈★★★

*smokyさんという方のブログで紹介されていた映画。この方のブログのフォロワーになって2年ほど。ファンである。世代は少し上の方だが、違う視点がいつも新鮮。吉川トリコの原作。大泉洋にあてがきしたような映画。ブルーハーツ華やかなりしころを彷彿とさせるロック。親子ではないヤグ(大泉洋)とアキ・ハツキの母子との独特の交流。ロックな生き方のせつなさ。最後のシーン、ガンガンぶっ飛ばす「今日の日はさようなら」は圧巻。