『白頭山大噴火』韓国軍爆弾処理班のハン・ジョンウ、北朝鮮の工作員で二重スパイ?のイ・ビョンホン、この二人が、北朝鮮に潜入し、「宝庫」と言われる核爆弾を強奪、白頭山の4つのマグマのうち一番大きいマグマに核爆弾を爆発させて噴火のエネルギーを減衰させるという筋立て。

映画備忘録。

9月14日(火)海老名にあるシネコン”TOHO海老名”で

白頭山(ペクトゥサン)大噴火』(2019年製作/128分/G/韓国/原題:Ashfall/監督:イ・ヘジュン キム・ビョンソ/出演:イ・ビョンホン ハ・ジョンウ マ・ドンソク チョン・ヘジュン/日本公開2021年8月27日)

を見た。

海老名駅前のビナウオークというショッピングモールの一番奥の方にTOHO海老名がある。

海老名駅近辺は近年再開発が盛んで、タワーマンションが何棟も建っている。相鉄線が新宿まで直通運転したり、小田急線の快速急行が停まりこれまた新宿が近かったり、JR相模線も停まる。神奈川県西部のターミナル駅として、本厚木よりも活気があるのかもしれない。

Mさんにクルマで瀬谷まで送ってもらい、各駅で海老名。14分。近い。いつもの本厚木への経路なら、バスで鶴間、小田急でいったん相模大野、快速急行で海老名、本厚木。

もちろん鶴間から大和、相鉄で海老名でもいいのだが、なぜか時間はかわらない。料金は高い。

 

白頭山大噴火』は、8月27日に封切られたが、それほど客は入らず、TOHO系のららぽ~と横浜でも早々と早朝に上映時間がうつされた。至近の109グランベリシネマではかからず、近在では海老名が12:00に1回だけ上映という。

北朝鮮と中国の国境にそびえる朝鮮半島の最高峰白頭山が噴火、地震で崩壊するとし、津波、火山弾・・・こうした映画をディザスター映画というらしいが、これはテレビではなく映画館の大画面で見たいもの。

 

今までに見たディザスター映画では、何と言っても『唐山大地震』(中国135分)。2010年につくられながら日本での公開は東北の震災に配慮し、2015年。特撮のすごさはもちろんだが、物語のスケールの大きさと俳優らの演技に素晴らしさから忘れられない映画。滂沱の涙だった。見終わってからも立ち上がれないほどのインパクトのある映画だった。

 

それに比べれば本作は、ひたすらにハラハラドキドキさせてくれるが、見終えてのしみじみさはない。

 

地震によりソウルでもビルが崩壊し、漢江は荒れ陸橋が崩壊。パニックに陥る中、政府は白頭山の地質分野の権威であるカン教授に協力を要請する。カン教授は朝鮮半島を崩壊させるほどのさらなる大噴火が75時間後に起こると予測し、韓国軍爆発物処理班のチョ・インチャン大尉率いる部隊が、北朝鮮へ潜入し火山の沈静化を図る極秘作戦に乗り出す。インチャンは作戦成功の鍵を握る北朝鮮人民武力部工作員リ・ジュンピョンを探し出すべく奔走するが……。(映画ドットコムから)

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イ・ビョンホンとハ・ジョンウの二人のからみがとてもいい。マ・ドンソクが地震学者というも意外性があってよい。筋肉系の印象が強いが細やかな演技もうまい。シリアスドラマなのに、随所にユーモアがちりばめられるという独特の韓国映画の技法。

 

出産を控えた妻をもつ韓国軍爆弾処理班のハン・ジョンウ。北朝鮮工作員で二重スパイと目されているイ・ビョンホン。この二人が、北朝鮮に潜入し、「宝庫」と言われる核爆弾を強奪、白頭山の4つのマグマのうち一番大きいマグマに核爆弾を爆発させて噴火のエネルギーを減衰させるという筋立て。

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そこにそれぞれの家族の問題が絡み、政治が絡み、大国が絡む。

すじだけなら、繰り返しつくられてきた物語だが、どこをとってもCGとは思えぬ撮影技術の高さに驚かされ、食い入るように見入ってしまった。

 

立場の違う二人が互いに虚々実々のやり取りをしながら、大国アメリカと中国のさまざまな差し金を跳ね返し、結果的に南北の朝鮮が力を合わせて自国民を守るという構図はやはり韓国では好意的に受け入れられるのだろう。

 

前日にAmazonプライムビデオで

『スイングキッズ』(2018年製作/133分/PG12/韓国原題:Swing Kids/日本公開2020年2月)を見た。朝鮮戦争後の巨済島の捕虜収容所を舞台に、黒人のダンサーと北朝鮮の兵士、そして韓国の女性がダンスのチームをつくるという物語だが、これがとってもいい出来で、引き込まれた。ダンスが素晴らしかった。

ここでも大国アメリカに対し、南北の朝鮮、そして差別される黒人が手を結ぶ。わかっているけれど、「いいぞ、頑張れ」と声をかけたくなる。

 

白頭山大噴火』を底の方で映画たらしめているのは、68年もの間、停戦状態となっている南北分断の問題だ。統一が現実感をもたぬものとして受け止められなくなりつつある現在、人々は映画の中にささやかな「希望」を見るしかないのだろうか。