神奈川県の高校野球が終わった。お達者倶楽部の宴会に出席。

あと2つは勝ちますとメールをくれた横浜商業S監督。

21日、準々決勝。日大藤沢戦が1つめだ。テレビ観戦。

効率の良い点の取り方で危なげなく、勝つ。

テレビに映るSさんのベンチでの立ち姿には余裕を感じる。

この日のメールの返信には「あと2つ勝って甲子園に行きます」とあった。1つ増えた。

「2つ勝ったら、私も甲子園に行きます」と返信した。

 

24日、準決勝第一試合。慶応ー東海大相模。強豪校同士。しかしまさかの12−1の6回コールド。1回戦2回戦ならともかく、準決勝でもこんなことが起きる。

 

12時半。第二試合開始。横浜商業ー横浜高校

Y校、1回、鮮やかな先制攻撃、2点を取る。

いけるのでは?誰もがと思ったはずだが、エース川又君の思いがけない不調。疲れが出たのか2回、四球を連発、押し出しで2点。変わった救援投手堀切君が死球で1点。こうなると流れは向こうに。計7点を献上。

結局12−2の6回コールドゲーム

奇しくも準決勝2試合がコールドゲームに。

 

25日の東京新聞

『菅沼努監督は「あそこから巻き返すだけの力がなかった」と、被安打3で7失点の2回裏を振り返り「選手は頑張ったので、勝たせてあげたかった」と涙した。』

泣いたのか。

 

26日10時、神奈川県大会決勝戦  慶応ー横浜

神奈川テレビで見始めたのだが、途中でNH Kが実況しているのに気が付く。コマーシャルが入らなくて良い。

さすがに双方とも良いチーム。前半は見応えのある投手戦。

後半は逆転劇とそれをひっくり返す3ランホームラン。

6−5の接戦を慶応が制し優勝。

トーナメントで勝ち上がった7試合目。以前に比べて休養日が設けられているにしても連日の猛暑の中のゲーム。どちらも疲れが溜まっているのは間違いない。今日も35度を超える暑さ。しかし見ていても集中力が途切れる様子がない。よく鍛錬しているものだ。

そのせいもあって3時間を超える試合時間だったが、野球というゲームの面白さを堪能した。

試合の流れは、一つのボール判定、一つのエラー、そして一つの塁審のジャッジで変わる。

今日はそのジャッジで流れが変わった。

9回表の慶応の攻撃、無死1塁で二ゴロ。2塁手はショートの緒方君ヘトス、緒方君は2塁ベースを右足で擦るようにタッチ、一塁へ送球。4−6−3の併殺が成立したかに見えたが、2塁審は両手を広げてセーフ。1塁もセーフとなり、無死1、2塁に。ここで3番渡辺君が3ランホームラン、試合を決定づけた。

2塁審の方のジャッジに迷いはなかった。確信があったのだろう。

 

 

news.yahoo.co.jp

 

気がついたこと。

途中降板した慶応の小宅選手。ベンチに引っ込むかと思ったら、ベンチ脇のパイプ椅子に座り、ボールボーイをしている姿がテレビに映った。負けているけれど表情は明るいし、大きな声を出し続けている。

Y校の川又投手も舞岡高校戦の時、3回で降板したあとボールボーイを試合が終わるまで続けていた。

投手は降板したら肩を冷やして・・・次の試合に備えて・・・

というのと全く違った動き。何か少し違ってきているのだろうか。

以前に比べ五厘アタマも無駄な全力疾走もない。必要以上に気合を入れるような大声、動作もない。

プレーが一つ終わると、慶応の選手の、帽子を取って髪をかきあげる姿も意外に自然。坊主姿の横浜の選手も、闘志をむき出しにするのでなく、バッターが相手のキャッチャーのマスクを拾ってあげたりしている。スマートである。

これはなんだろうか。

学校の部活動の野球と違う文化のような気がする。

高校野球もこのクラスになると、ほとんどの選手が中学までは全国各地のシニアクラブに所属し、学校部活とは縁のない野球をしてきている。小さい頃から、お互い顔もよく知っていて対戦もしてきている。そういう中でつくられた、言い方は良くないかもしれないが、ある意味エリートの文化のようなものがあるのかもしれない。

 

日本では、多くのスポーツを学校がその活動を担保してきた。お金もかからず、地域の中で続けられる部活動は、それなりの意義があったはずだが、教員の長時間勤務の温床になったり、必要以上の上下関係の強要などからいじめが生まれる場所にもなってきた。曲がり角に来ていると言われる所以だ。

 

一方に、かなりのお金や時間をかけて育成されるスポーツもある。硬式テニスは部活動にはほとんどないし、相撲だって特別の自治体以外はそれほど盛んではない。野球も重同じだ。

プロの選手の多くは、そういうところから育っていく。

 

教員の働き方改革が叫ばれる中、部活動の地域移行が進められている。うまくいっているという話はほとんど聞かない。

特別な才能を持った優秀な選手を育てるのと違って、部活動はごく普通の生徒も所属する。指導方法も違う。一つのものに打ち込むことの大切は強調されてきたが、いろいろなスポーツを順繰りに楽しみながら、というふうには全くなってこなかった部活動。

問われているのは、活動の仕方だけでなく、文化や思想なのかもしれない。

 

「反省会しましょう」とメールを送ると、Sさんから「連絡します」との返信。Tさんと3人の小さな宴を催すのは、何年ぶりのことだろう。

 

 

24日、3年ぶりにお達者倶楽部と名付けられた会に出席。

最後の赴任校の人たちの集まり。集まった20人ほどの半分が現役教員、半分が退職教員。年齢層は30代から70代。名前通り気の置けない人たちのフランクな集まり。会場は80歳をゆうに超えた女将さん経営の老舗居酒屋。コロナで開催できなかった3年分を取り戻そうとするように、談論風発は4時間も続いた。

他人の話はほんとうに面白い。映画や小説にも劣らない話がいくつも。聞くことがこんなに楽しいかと再認識。

百日紅が盛りに