鮮やかな人工芝、歌なし、声なし、拍手だけの応援、なにより心地よかったのはバットがボールを捕らえるカキーンという乾いた音。ああ、野球だなあ。

遅めの散歩から戻ったのが7時50分ごろ。

南町田GP行き8時20分に乗る。少しあわただしい。

本日、川崎で高校野球観戦。

 

田園都市線溝の口。改札出て1分歩いてJR南武線、武蔵溝の口武蔵新城武蔵中原そして武蔵小杉。ここだけ4つ武蔵が続く。

 

タクシー乗り場近くでTさんと合流。向かうは川崎市の等々力(とどろき)球場。初めて。

タクシーを降りると、電光掲示板とスタンド席が見える。新しい。Tさんによると以前はかなり老朽化していたとか。調べてみたら2020年にリニューアル。

入場料800円。以前は500円だったが、ずいぶんな値上がり。運営を手伝っている高校生に弁当ぐらい出ているのだろうか。

 

人工芝、夜間照明もあり、センター122㍍、両翼100㍍の大きなグラウンド。人工芝の緑が鮮やかに映える。

フェンスに何枚も掲げられている朝日新聞の旗。入場料の高さとあわせてなんだかなあ、である

 

本日の試合は、藤嶺藤沢ー横浜商業。試合開始は10時。

 

横浜商業の監督はかつて同僚だったSさん。数年前にこのチームの監督を引退したのだが、諸事情あってこの夏に復帰。それじゃあと、二人で久しぶりに彼の姿を見ようと出かけてきたのだ。

 

SさんとTさんそして私の野球の縁は2000年頃に始まる。

そのころ3人は同じ職場で、野球部の監督がSさん、Tさんはサブ、私は紛れもない正真正銘のユーレイ顧問(いつもは(練習には)出ないけど、出るとこわいぞぉーなんで言いながら・・・)。

SさんはTさん私より7歳ほど若い。中学、高校、大学と野球をやってきたかつての球児。Tさんも高校球児で、教員になってからは男子ソフトボールを長くやってきた。

私は中学こそ球児だったが、高校、大学はコーラス部。ユーレイかつお付き合い顧問(声だけは低くてけっこうコワかった)。

 

何も起こらなければ、その夏、たしか2003年の夏は、ユーレイは1回戦をちらっと見て、グランドに足を踏み入れることなく、静かに過ぎていくはずだった。

ところがこの年、Sさんの薫陶よろしく、チームは勝ち続ける。

市内の中学は145校。そのほとんどに野球部があるから、優勝するには6回勝たなければならない。たしかあの時は、4回勝ち続け5回目に負けたような記憶がある。結果は市大会3位。そのまま県大会の出場資格も。

夏休みに入り、一日おき、時には連日、市内のあちこちに球場に出かける。炎天下である。Sさんの指導するチームは熱血とは無縁のどこかゆるさがあるチームなのだが、その気になると手が付けられない強さをもっていた。

生徒は試合ごとに盛り上がっていった。まさにイケイケである。がんばれ!などと言いながら、私は「また、あしたもか?」とも。

私はベンチでとくにすることもなく、役割と云えば、サングラスをかけて腕組みをして相手のベンチをにらみ続けるといったものなのだが、腕を組んでいても汗がにじんでくる、そんな暑さと市内を転々とする移動で、ばて気味の夏だった。

そんな夏を過ごした関係から、その後市立高校へ転じたSさんの学校の試合があるときは、Tさんと二人でできるだけ観戦してきた。

事情あってこの夏Sさんは復帰したのだが、チームは春の大会ベスト4。公立高校が第1シードというのは珍しく、地力ありとされる藤嶺藤沢との試合は注目カードとなった。

7/24/2021にNaoxが等々力球場で撮った写真

 

屋根のある2階席は応援団と吹奏楽で両チームとも満員。

3階席のバックネット裏に上がる。打球の遠近感、投球の高さの違いが見えないのが難だが、守備位置yクロスプレーなど全体はよく見える。

それにしても、暑い。晴雨兼用の傘の中に縮こまって観戦しているのだが、それでも陽射しはじりじりと照り付ける。

 

前半、横浜商業が相手のミスもあって3点を先取。その後もミスがらみで1点を取り、後半戦へ。ピッチャーが両チームとも落ち着いてきたのか、3者凡退が続いたが、9回表、藤嶺藤沢が意地を見せ、3本のヒットを連ね、2点。しかしここまで。1時間56分のやや短い試合はY校(わいこう)の勝ち。ヒット数は藤嶺7に対し、Y校4。

 

鮮やかな人工芝、歌なし、声なし、拍手だけの応援、なにより心地よかったのはバットがボールを捕らえるカキーンという乾いた音。ああ、野球だなあという感慨。

それから、改修されて放送システム新しくなったのか、女子高生のアナウンスの声が自然でよく聴こえるのもよかった。

 

Sさんは、試合後の取材があるようで、すぐにはベンチ裏には出てこない。今回は挨拶なしで帰ることに。

私に昼食の腹案あり。

武蔵小杉に向かわずに一駅離れた新丸子駅へタクシーで向かう。

ここには名店三ちゃん食堂がある。

三ちゃん食堂は大昔からやっている地元の食堂。開店は12時。無数のメニューが壁三面に張り巡らされている。昼呑みのおっちゃんおばちゃんたちに愛されてきた店。私の初入店は20年ほど前。

私は見ていないが、最近『孤独のグルメ』でも取り上げられたらしい。

三ちゃん食堂@新丸子

そのせいでもないだろうが、開店30分で超満員。入れたのは10分後。

メニューの多彩さは、Tさんと私が食べたものを列挙すればわかるはず。

かつおの刺身 ・ニラレバ炒め ・ハムカツ ・焼きそば ・いかの塩から ・もつ煮・・・

ビールとお酒で小一時間。立派な観戦反省会となった。