7月も下旬、いつの間にか。テレビのニュースは各地でどれだけ気温が上昇したかを競って報道している。日替わりの最高気温計測地。温度の高さを売り物にしている熊谷市など、気が気でないのではないか。私まで、熊谷の名前が出ると「よかったな」なんて。
茹だるような暑さというが、茹だる(うだる)は奥州から関東にかけての方言が
標準語として定着したものだとか。ゆでる、ゆだるが転じてだるくなる、ぐったりするという意味。今では「暑さ」の前にだけつく。
慣用的に使われるから「ゆでられる」状態などあまりイメージしないで使っている。
暑さをイメージしやすいのは、どちらかといえば「サウナのような」とか「地獄の釜蓋が開いたような」とか「焼けつくような」の方だろうか。
茹だるような暑さとは関係ないと思うが、プリンターの調子が悪い。プリントテストをしても全くインクが出ない色がある。1色でないと奇妙な色になる。
もう1ヶ月近くなるので、2人で近くのノジマに持ち込む。
平日の午前中の電化製品の量販店は、閑散としていてよく冷えている。スタッフの数も極端に少ない。
このところ、スマホその他でお世話になっているSさん、出勤しているかな。事前確認を怠ったが、本日出勤。
20代半ばで今時の女性なのだが、セールストークはさほどではないのに、仕事は驚くほど理詰めで手早い。
彼女にテストプリントをしてもらう。家では1色だったものが3色出ていないという。
メーカーに修理を依頼すると、修理依頼手数料が3000円かかるという。
今では電化製品購入時には、無料の「1年保証」の他に、有料の「延長保証」に入るかどうか訊かれることが多い。
いつもモノによって判断している。
もちろん、この6年目になるキャノンのプリンター、延長保証など入っていない。
3000円かけて修理の見積もりをしてもらうか、新しいものを購入するか、悩む。
するすぐにSさん、「お2人のスマホ、どこでしたっけ?」
スマホを他社に乗り換えれば多額のポイントが付くのだとか。月々の支払いは6ヶ月間は高くなるが、差し引き勘定すれば、プリンタを買ってもお釣りが来るのだそうだ。
ポイ活など縁のない私たちには、その仕組み、意味がわからない。しかしSさんが言うのなら間違い無いだろうと決断。買い物客としての主体性は、2人ともどこかにおき忘れてきた。
「1時間で済みますから」の言葉に下駄二足をそっくりあづける。
何もしないで、電話を2本かけただけで、手続きは終わる。
選んだプリンタはエプソン。今度は延長保証を入れた。本体よりインクで稼ぐキャノンに比べ、インク代が安いエコタンクという方式のエプソン。
持ち帰っていざ梱包を解いて、取説を開いてみると、マックのドライバの入れ方については異様なほどそっけない。「エプソンのHPへ行って」とだけ。
行ってみても、よくわからない。
プリンターそのものを動かすことはできるが、パソコンと繋がらなければ意味がない。
2日後、プリンターは正常に稼働している。
孫を連れて遊びに来た次女が、来て15分も経たないうちに繋いでくれた。
20代と40代の女性二人のお陰で、プリンターの交換が無事終わった。デジタル音痴の60代男性は、この2日、何もしていないのに70歳になった。何もしないうちに歳だけは取るのである。めでたしめでたし?
S監督から「一杯やりましょう」とのメール。Tさんを誘って、Sさんの馴染みの店へ。
この1ヶ月のトーナメントの裏話を聞く。あっという間の3時間余。旧交を温める
というか久闊を叙するというのか、かつて見知った友人との談笑は楽しいもの。Sさんの慰労会になったかどうかわからないが、愉しい時間を過ごすことができた。