『ノンストップ』・・・政治や歴史を逆手に取って楽しんでしまう国民性 

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散り始めた境川河畔の河津桜の木に見慣れない黄緑の鳥を発見。大きさはヒヨドリより一回り大きいか。尾が長く口の形はインコ、帰宅してネットで探してみると。

色鮮やかな羽と首のわっかが決め手に。

なまえは「ワカケホンセイインコ」。漢字で書くと輪掛本青インコとなるそうだ。

「体長は30~40センチほど。鳩とカラスの中間ぐらい」とあるから、境川で見かけた個体は子どもだったのかもしれない。

 

「インド、スリランカ辺りが原産地で多く生息しています。1960年代後半のペットブームで、日本に多く入ってきたと考えられており、その鳥が逃げた、もしくは飼い主が放した...といった理由で、特に東京や神奈川、埼玉辺りで繁殖したものと考えられます」(日本鳥類保護連盟

 

「現在、把握できているのは東京都内、神奈川、埼玉で1500~1700羽ぐらい。それが数か所に分かれて塒を作っており、大きい塒だと300羽~1500羽になります。その大きな塒が、時折、場所を移すので新たに塒になった付近の方はインコが急激に増加しているような錯覚に陥りますが、特段『増えている』というわけではないと思います」(同)

私たちが見かけたのは1羽。はぐれ鳥だったか。

この鳥、20~30年生きるのだとか。多くの小鳥が春に生まれても次の春を待たずに死んでしまうことを考えるとかなりの長生き。平均的にはスズメが1年3か月、シジュウカラが1年8か月くらいだそうだが、まれに生き延び経験を積んで10年も生きる鳥もいるのだそうだ。鶴など50年近く生きる個体もいるのだとか。

 

色鮮やかと言えば、この辺ではメジロがいるが、このワカケホンセイインコもこれから目の保養をさせてくれるかもしれない。

 

映画の復習がまだ終わっていない。

3月9日、今年13本目。

『ノンストップ』(2020年製作/100分/韓国原題:Okay Madam/監督:イ・チョルハ/出演:オン・ジョンファ パク・ソンウン イ・サンユン/日本公開:2021年2月12日)

 これでもかと血が出る韓国映画だが、コメディーもいい。久しぶりに楽しんだ。

テンポが小気味いい。しつこく背景を説明することなく、絵で内容を理解させてくれる。

 

揚げパン屋を営むミヨンは、パソコン修理工の夫ソクファンと娘と家族3人、つつましくも幸せな生活を送っていた。ある日、景品でハワイ旅行に当選した一家は人生初の海外旅行に旅立つが、搭乗した旅客機には北朝鮮のテロリストが乗り合わせていた。旅客機はテロリストにハイジャックされて危機に陥るが、そこでミヨンの隠されていた能力が覚醒。不審な男を瞬く間に打ちのめすほどの戦闘能力を発揮する。一方、夫のソクファンも愛する妻に見せていない別の顔を持っており、その秘めた能力で旅客機を救おうとしていた(映画ドットコム)

 

といった映画だが、揚げパン屋のミヨンは、元北朝鮮工作員脱北者のようだ。夫のソクファンはそのミヨンを監視する韓国の秘密警察の一員。二人は結婚していて、子どももいる。生活は楽ではなく、ハワイ旅行など夢のまた夢。

リポビタンDのような飲み物をソクファンが仕事場に大量に購入、偶然来たミヨンが一本を開けるとその蓋の裏にはハワイ旅行当選の文字が。

 

この工作員と監視員の関係が後半明らかになるが、それをひっくり返す仕掛けもある。

とにかく芸が細かい。

 

ハイジャックグループは機中で仲間割れ。ミヨンとかつて気脈を通じていた工作員もいて。さらに機中の代議士が韓国の政治家に対する視線を面白おかしく見せてくれ、娘の隣に坐った好々爺が実は…。乗務員の狂言回しの男性、チーフパーサーと機長との関係などこれでもかと張り巡らされている伏線。

そこに飛行機内のさまざまな仕組みが・・・ジョデイ・フォスターの『フライトプラン』を想起させて面白い。

 

後半、布石、伏線が解けていくのも、割合分かりやすいのだが、わかっていても納得してしまう。

政治や歴史を逆手に取って楽しんでしまう国民性、ついマジメな顔をして建前が前面に出てきてしまう日本の映画とは、同じ東アジアの国であってもその作り方、見られ方はかなり違うものだと思った。

これ以上は書かない。