17日、伊那・高遠の山荘五合庵に行く。
中央道は台風19号の影響で八王子⇔大月が災害通行止めに。キャンセルも考えたのだが、今回は安曇野に住む大学時代の友人S君を誘っているので、決行することに。
迂回路は、東名まわり。御殿場から138号線を上り、東富士五湖道路、中央高速富士吉田線を経て大月JCTに出る。山中湖あたりは、激しい雨と風。信州に入ると、晴れている。
五合庵の居室は石油ストーブがついている。拙宅はまだ扇風機をしまっていない。つい手をかざしてしまう。火があるのはいい。12,3度か。
S君も遅れて到着。二年ぶり。いつも通り、野菜中心の素晴らしい料理と酒。3人で酔う。いや、2人か。
明け方、雨が屋根を叩く音で目が覚める。森々として聴き入ってしまう。マンションでは、こういう音を聞くことはない。
うっすらと夜が明けかかったころ、窓から、入笠山の中腹のあちこちに濃い霧が滞留しているのが見える。見る間に山間の風景が変わっていく。
S君が育てているネギをお土産に大量にいただく。炭素循環農法でつくられる野菜は、一味も二味も違う。五合庵さんもS君からネギを仕入れ始めたようだ。
同じ経路で急いで帰宅。待ち犬あり、である。
138号線が渋滞。4時間半ほどかかる。
ケージに入って待つライは、餌もほとんど食べず、うんちもおしっこもしていない。
ドアを開けると、我慢できないよというような鼻声。すぐに抱っこすると、恒例の”うれしょん”。ズボンが濡れてしまう。
ひとしきり、抱っこが終わると、ようやく餌を食べ始める。そしておもむろに放尿、排便と続く。あとは、二人の間を渡り歩いて、身体をくっつけて眠る。
今朝(20日)の新聞で、ダムの緊急放流と事前放流が特集で取り上げられている。県版の方にも当日の城山ダム緊急放流の「バタバタ」に付いての記事が載っている。
神奈川県は事前に慎重に「緊急放流」の準備を整えていたという。
しかし実際にはどうだったか。
12日午後2時半に県は「午後5時緊急放流」を公表、その後、雨量が想定を下回ったためいったん中止する。
流域の自治体には「放流開始の1時間前に通知する」として、ダムへの流入量の増えた8時50分に「午後10時に実施」を決定、通知した。
しかし、さらにダムへの流入量が急増、9時半に前倒しして放流を開始してしまう。
流域自治体への通知は、結果的に放流と開始とほぼ同じ時刻になった。
1時間前の通知は守られなかった。流域住民は、自治体から避難指示が出ても夜間であることから判断は難しい。雨も降っている。避難指示が出されたときにはすでに放流が始まっていたことになる。
結果として護岸の一部が崩れただけで浸水被害はなく、惨事にはならなかった。
新聞の総括は、県の担当部局と流域自治体、そして住民との間にさまざまな認識のずれがあったということだが、それでいいのかい、と思う。
災害の危険を回避するためには、14日にも書いたが、事前放流、予備放流がなされるべきだったと思うのだが、この事前放流、水道を管理する自治体や農業団体などの「利水者」の了承をあらかじめ得なければならないという取り決めがあるのだそうだ。
そのうえ、事前放流のあとに利水分まで水量が回復しないと利水者の業務に支障が出て、損害賠償のリスクもあるという。
お金も絡んだ面倒な話なのだろうが、それよりも流域住民の命と財産を守る方が優先されるべきだと思うのだが。
そのためには、「京大や日本気象協会が開発した降雨量の予測システム」を使うべきだというのだが、そこまでやられていないことにも驚かされた。
住民は、こうしたことも含めて知っておいて、事前避難も含めて判断をしなければならないのだろうか。