佐野SAの労働争議、まだ続いている。
経営のでたらめさに対して、まっとうに立ち向かい、解雇された管理職のもとに集まった労働者たち。「佐野ラーメンが食べられない!」レベルのメディアに引きずられないで、もし働く彼らと同じ立場だったら、と考えたいな。
厚労省が36協定のひながたに過労死ライン80時間の上限を記載、指摘され取り消した。
厚労省の役人の意識レベルがよくわかる。行政や政治が持ち出した「働き方改革」なんて、せいぜいがこの程度。「改革」とは名ばかりの資本優遇と労働者の切り捨て。
広島でトラブルの幸手市長が辞意表明とのこと。その後、この事件についての報道はない。警察の取り調べが続いているのだろうが、解せない事件。夜中に一人で呑みに出てトラブルとなったことの道義的責任を追及されての辞任。
弁護士と行った記者会見からは、ハメられたような。黙っていればただのおっさんなのに、深夜の飲み屋で関東地方の市長だと話したようだ。ビール、1本ぐらい呑んで1万円を置いて席を立ったという。「事件」はそのあとに起きたらしい。
男はカッコつけすぎると、思わぬ事件に遭うものだ。
どこで結末となるのか。
香港と韓国、目が離せない。
トランプはポチ同士の争いを面白がっている。
読み飛ばし読書備忘録⑧
『女たちのアンダーグラウンド 戦後横浜の光と闇』(山崎洋子・2019年・亜紀書房)
これも7月のに読んだ本。記憶が薄れている。
でも印象は残っている。
横浜の裏面史を描いていて、なにやらおもしろそうと思わせるプロローグ。
でもそれも途中までで、なんだか話が広がりすぎて、まとまりがない。
後半は、インタビューが挿入されているが、それぞれのエピソードはかなり興味深いのに、全体にどこに向かっているのかが判然としないから、それらも生きてこない。
なのに、あちこちの書評はほとんど好意的なもの。私の読み方がおかしいのかな。
8月19日付けの読書メーターのCOOちゃんという人の
せっかく初めの方は戦後の横浜でのことを丁寧に語っているのに話が多岐に渡ってまとまりがない。後半の「黄金町」やタイ女性たちの話などはざっくり荒く、挿話のインタビュー記事もそれだけで本になりそう。エピローグで無理矢理まとめた感じ。でも、著者はいったい何を言いたかったんだろう?と思ってしまった。
戦後のハーフ(混血児)の問題なのか、GHQに用意された慰安婦の問題なのか、それとも横浜の「外国人」のことなのか、はたまた寿町や沖縄なのか、黄金町の女性たちなのか、最後は無理やりまとめたかなという感じ。
私の感想はこのCOOさんのレビューとほとんど同じ印象。読み終わって強い不満が残った。
これは、同じ山崎洋子さんの
『誰にでも、言えなかったことがある 脛に傷持つ生い立ちの記』(清流出版・2014年)
も同様。
「すごい人生だなあ」と驚かされるほどの半生だが、ディテールの先に何があるのかが判然としない。
自殺した祖母との濃密な関係、5回結婚した父親との関係、義母とのすさまじい軋轢、実母の認知症、どれをとっても作品として昇華させるべきエピソードなのに個人的体験の羅列と云えば失礼かもしれないが、そこにとどまっていると一読者は思う。
ドキュメンタリーとしても、辛さや大変さは伝わってくるが、作家の視点からの分析の深さが感じられない。読みたいのはそういう作家の「物語」と「思索」だ。
それにこのタイトルはないだろう、と思う。
勝手な言い草かな。