八重桜が満開である。
今朝の気温は8℃。花冷えとか寒の戻りということばがあるが、散歩のときに中に一枚着るかどうか悩む。
天気予報は晴れだったから、薄着のままでかけたのだが、すこし風があって肌寒かった。
冊子を紹介したい。
『原発棄民に抗う~折々の避難者レポート』作者は村田弘(ひろむ)さん。
村田さんは元朝日新聞記者。1942年生まれ。定年退職後、故郷の南相馬市小高区で農業を営む。2011年の原発事故で横浜に避難。「福島原発かながわ訴訟原告団」の団長。
横浜に避難していた村田さんに、ヒロシマ修学旅行に取り組む組合員が声をかけ、中学生に話をしてもらったのがきっかけとなり、横浜学校労組の機関紙「月刊横校労」(現在は隔月刊)への連載が始まる。
第1回は2015年5月号。連載は31回続き2019年に完結。この3月、「横校労叢書④」として冊子にまとめられた。
現在、県内外に避難を続けている人は、福島県の発表では36000人、各自治体発表では67000人超。いまだに調査方法がばらばらで実数がつかめていない。
閑散とした中、沿道だけはきれいに整備され、聖火リレーが始まった。スピーカから流れる大音量の企業のスポンサーの掛け声だけが荒れ果てた田畑に響きわたる光景は、醜悪というしかない。
10年間、故郷に帰れない人たちに「復興五輪」の声はどんなふうに響いているか。
汚染水は薄めて海洋投棄をするのだという。ウソと金で始めた東京オリンピック。
日本の政治の汚染は薄めても薄まらないことを胸に刻んでおくことだ。
4年間の連載は、大変に貴重な資料であるだけでなく、避難者の痛切な肉声にあふれている。冊子は連載だけでなく、・平川執行委員長の「発刊に際して」・1月の横浜地裁判決への組合員のコメント ・村田さんによる連載番外編①② ・佐藤嘉幸、田口卓臣氏による村田さんへのインタビュー(『脱原発は語る』より再録、・福島原発かながわ訴訟の年表が収録されている。
もし希望する方は私のアドレスkeisan2298@gmail.comまで連絡をください。横校労と連絡を取ってお送りする手伝いをします。1冊600円+送料です。
なお、横校労叢書のラインアップは、
横校労叢書①
『喜多方から ~農を続けながらフクシマを生きる~』(歌人 五十嵐進 著)
(「月刊横校労」2011年9月~2014年3月連載を収録)A4版 34頁 定価600円
横校労叢書②
『ふかやんの学校シッセキ簿』(中学教員 深沢裕 著)
(「月刊横校労」2007年4月号~2013年8・9月号連載を収録)A4版72頁 定価600円
横校労叢書③
『読者・Q&Aコーナー
教育「改革」下の横浜で98の悩み事相談にこたえた14年間の記録)』
(中学教員 赤田圭亮 著)
(「月刊横校労」2002年7月号~2015年2月号連載を収録)A4版 100頁 定価800円
なお叢書①の「喜多方から」がもととなり、影書房より俳句と評論集『雪を耕す フクシマを生きる』(1800円+税)が刊行されいてる、