配信で『さがす』『mellow』『ちょっと思い出しただけ』。劇場で『ひまわり』『チタン』

10日間で青空が見えたのが1日。

散歩をしていても、景色がぼんやりしている。カワセミの鮮やかな青までがややぼけて見える。

今朝、19日の朝だが久しぶりの青空。雪が少なくなった富士山の頂が見える。

 

映画備忘録。

Amazonの配信で『mellow』(2020年/監督:今泉力哉/出演:田中圭 志田紗良ほか)

『ちょっと思い出しただけ』(2022年/監督:松井大悟/出演:池松壮亮 伊藤沙莉 河合優実ほか)の2本。

 

配信各社の競争が激しいのだろう。劇場での封切りが終わって間もない映画が配信される。5月末には『さがす』(2022年/監督:片山慎三/出演:佐藤二朗 伊藤蒼ほか)も見た。

どれも劇場で見逃した作品。

『mellow』はまさに今泉力哉。同工異曲といったらなんだが、作風として確立した恋愛映画。田中圭の薄味?『かそけきサンカヨウ』(2021年)より志田紗良が大きく見える。『かそけき・・・」は高校生。これは中学生。ちょっときつい。

 

『ちょっと思いだしただけ』は恋愛の時間をさかのぼる。伊藤沙莉という役者の面白さが出ているが、「さかのぼり」が成功しているか?池松壮亮の独特の台詞の言い回し。河合実優ここでもいい味。出るたびに違う人に見える。

 

『さがす』雰囲気はあるけれど、最後まで脚本の力がもたなかった?佐藤二朗、うまいのか下手なのか。ときどきダウンしているときがある。伊藤蒼という若い俳優の巧さが目立った。『空白』にも出ていた人。河合実優ここでもいい味。

 

劇場で観た映画。

6月10日

『ひまわり』(1970年/イタリア/107分/監督:ヴィットリオ・デ・シーカ/出演:ソフィア・ローレン マルチェロ・マストロヤンニ リュドミュラ・サベリーエワ)

ひまわり50周年記念HDレストア版・・・何のことかよくわからないが画質が良くなって50年前の映画がちゃんと見られるようになったとのこと。

観たのは高校生のころ。3人の俳優の名前だけは忘れなかった。それほど当時はインパクトがあったのだろう。

とりわけ延々と続く広大なひまわりの畑と、民家の庭を訪れるジョバンナ(ソフィア・ローレン)と真っ白いシーツの陰に見えたマーシャ(リュドミュラ・サベリーエワ、そんなシーンがずっと残っていたが、実際に見てみると、マーシャのどこまでも清楚な雰囲気は、実は生活に疲れた若妻の疲労感をまとったものだった。画像8

不思議なところもいくつか。記憶喪失でロシアにとどまったアントニオ(マストロヤンニ)だが、なぜアントニオだけがマーシャに助けられたのか?記憶喪失のアントニオがジョバンナにあったとたん記憶が戻るが、その後長距離を移動しながらジョバンナに復縁を迫るのもよくわからない。

 

イタリア人の激しい恋愛、戦争によって起きた悲劇を切ないメロディに乗せて送る不朽の名作?といわれるが、やっぱりちょっと古さを感じさせる。なかなか映画の中に入り込めなかった。音質が悪いのもあるが。画像7

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6月10日はもう1本見た。

『チタン』(2021年/108分R+15/フランス・ベルギー合作/監督:ジュリア・デュクルノー/出演:バンサン・ランドン アガト・ルセル/日本公開:2022年4月1日)

「RAW 少女のめざめ」で鮮烈なデビューを飾ったフランスのジュリア・デュクルノー監督の長編第2作。頭にチタンを埋め込まれた主人公がたどる数奇な運命を描き、2021年・第74回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールに輝いた。幼少時に交通事故に遭い、頭蓋骨にチタンプレートを埋め込まれたアレクシア。それ以来、彼女は車に対して異常なほどの執着心を抱き、危険な衝動に駆られるようになってしまう。自身の犯した罪により行き場を失ったアレクシアは、消防士ヴィンセントと出会う。ヴィンセントは10年前に息子が行方不明となり、現在はひとり孤独に暮らしていた。2人は奇妙な共同生活を始めるが、アレクシアの体には重大な秘密があった。ヴィンセント役に「ティエリー・トグルドーの憂鬱」のバンサン・ランドン。(映画ドットコムから)

 

第74回カンヌ映画祭パルムドール受賞作品。濱口竜介監督が『ドライブ マイ カー』で脚本賞だった時に最高賞となった作品。

全く受けつけず。

観たくないシーンは目つぶり、途中で出てしまうかと何度か考えた。

こういう新しさに自分が全くついていけないということを再認識させられた。

そりゃあ読み込もうとすればいろいろなことが読み込めるが、それを拒否している感もある。

最後まで見切ったが、まったくおもしろみを感じなかった。去年観た2002年の映画『アレックス』を見た時に近い。