停戦への大きな条件は「アメリカのNATOからの離脱」。大義を捨ててまず「停戦」すること、人々の命と生活をまもることが優先されなければならないと思う。

停戦交渉は遅々として進まない。

NATO国家は武器供与をしながら避難民を受け入れているが、大枠の構造は、ウクライナの政権と軍と民衆を前面に押し立てて、ロシアに拮抗させているだけだ。

その結果、国内外含めて1000万人を優に超す避難民を生み出し続け、兵隊を殺し続けている。

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今朝の新聞。

佐藤正明の提案は、現在ロシアと欧米の間で緩衝国家となってロシアと闘っているウクライナの代わりに、ロシア南部に緩衝国家となる中立国をつくればいいのではないかという『ある提案』だ。

もちろんプーチンは「ダー!」と怒るわけだが、考えてみれば緩衝国家であったはずのウクライナが、2014年のロシアのクリミア半島併合によって、緩衝国家から紛争の当事者国となってしまったことが今回の侵攻の一つの要因となっている。

 

ポーランド旧ソ連バルト海3国も含めて、NATOの東方拡大、アメリカの拡張路線に対する危機感がロシアをして、ウクライナを再度緩衝国家とするためにウクライナ侵攻をなさしめたと言える。

欧米のNATO諸国は、必死で武器供与と避難民救済の努力をしているが、いちばん困っているのは、欧州にいないアメリカが対ロ戦の大きなカギを握っていることではないのか。

 

アフガニスタン撤退を決めたバイデン(ひどいやり方だったが)は、コロナで疲弊している上に、中間選挙を控えてこれ以上対外的な派兵はしたくないだろう。いくら口汚くプ^チンを罵っても「GO」とは決して言わないことをプーチンはわかっているから、3週間以上もウクライナを攻撃し続けている。

 

問題は膠着状態のように見える中で、ウクライナの人々が殺され路頭に迷っていることだ。

 

停戦協議が進まないのは、ロシアの要求であるウクライナの非軍事化、中立化という要求だ。

ゼレンスキー大統領は、士気を鼓舞するために進軍ラッパを吹きまくっているが、地戦の落としどころが見えてこない。

世界中でプーチンが最悪の怪物になりつつある中で、その怪物と握手をする術を失っているというのが現状だ。

 

「停戦」という実を取るには、怪物とでも悪魔とでも交渉をして妥結点を見出さなければならない。

 

NATO加盟の欧州の国々にとっても、ウクライナにとっても、停戦への大きな条件は

アメリカの議員の中の少数派の主張でもある「アメリカのNATOからの離脱」ではないだろうか。ウクライナNATOに加盟せず、進路派の多い地域については一部割譲も致し方ないのではないか。

原理原則や大義だけでは国際政治は動かない。

どんなにいびつな落としどころであっても、まず「停戦」すること、人々の命と生活をまもることが優先されなければならないと思う。