「政府は15日、ロシア軍の侵攻でウクライナから逃れた避難民の受け入れについて、原行の「短期滞在」(90日)の在留資格から就労が可能な「特定活動」(1年)への変更を認める方針を明らかにした。日本に身元を保証する親類らがいない場合、人道的配慮が必要であれば特例的に入国を許可する方向でも調整に入った。」(東京新聞3月16日)
これに加えて
・滞在先確保や生活用品の給付、就労、就学、日本語教育など支援の在り方を至急検 討。
・住居や就労機会の提供を検討している自治体や企業の情報を集約し、伝える。
ウクライナの非常時に対し、このような対応が急がれるのはいいこと。
しかし、今までに「○○国の非常時」はたくさんあったのではないか。とりわけアジアアフリカ、中東の国から逃れた多くの避難民に対し、政府、外務省はどのような対応をしてきたのか。
西側諸国がウクライナからの避難民を受け入れようとするのに歩を合わせるのはいいとして、今後はこれが日本の基準となって運用されるならばよい。そして現在入国管理センターに拘留されている人々に対しても同様の対応をするならばなおのことよいのだが、それはそれ、こっちはまた別のといったダブルスタンダードになるとしたら問題だ。
人道的措置を率先して進めようとしているが、その裏にいる仮放免で就労もできず生活保護も受けられず、病院にもまともにいけない人々にも「人道的措置」をはかるべきでないのか。
袈裟から何度もテレビで放映されているが、ロシア政府系テレビ局の社員が、ニュース番組の最中にアナウンサーの背後に現れ、「NO WAR」と大書した紙をもって掲げた「事件」。NO WAR の下には、ロシア語で「プロバガンダを信じるな」「「あなた方をだまそうとしている」と書かれていたという。
女性はマリーナ・オフシャンニコワさん。その後、捜査当局に拘束された。「偽情報」を流布した疑いだという。
オフシャンニコワさんの行動は確信的なもの。拘束を予想して事前にSNSで
「この暴挙を止めるには私たちの力しかない。抗議デモに加わってほしい。恐れることはない。ウクライナで現在起きていることは犯罪でロシアは侵略者だ」と訴え、さらに「放送局社員としてこれまでプロバガンダに流布に加担し、野党弾圧を傍観してきた自分を恥じている」と語ったという。
日本在住のロシアの政治に詳しい人がインタビューで
「彼女は家族が弾圧されることもわかっていて行動を起こした。彼女の身が案じられる」と語っていた。
すでにロシア国内では15000人の人々が拘束されているという。
オフシャニコワさんの決死の、まさに決死の行動の背後には政府の暴挙を許されないと考える多くの市民がいる。
いずれ、警察や軍の中から反旗を翻す人々が出てくるのではないか。
ロシア軍は南部ヘルソン州全体を制圧した。メリトポリでは市長を拉致、親ロシア派の女性市議会議員を暫定市長に任命、彼女は「本日からロシアのテレビ二チャンネルを合わせよう」と住民に呼びかけたという。
ロシア軍は今後、ルガンスク、ドネツクなどと同様に「ヘルソン人民共和国」に向けた住民投票を準備していると地元議員らが明かしたという。
市長拉致はドニプロネド市でも行われたという。
侵攻➡占拠➡住民投票➡独立(傀儡政権樹立)というクリミア半島、ルガンスク、ドネツクと同様の手法で「ロシア化」をはかろうとしている。
こんなやり方が通用する時代ではなかったはずが、クリミア半島では2014年以来ロシア化が定着してしまった。
こういう国が北方領土を返還することなど考えられない。
安倍はプーチンと27回会談したという。その都度ほうっぽう領土返還への手ごたえを吹聴してきた。そんなに親しいのならば、岸田政権は安倍を特使としてロシアに派遣し、停戦の仲立ち役とすべきではないのか。
ウラジミール、シンゾーと呼び合った仲だというから。