月曜日の東京新聞”ニュースの追跡”欄の記事。
去年の11月29日にこのブログで、友人のKさんとともに行なった横浜市の新庁舎の私的見学会の記事を書いた。
タイトルには「閉じた横浜市新庁舎」としたが、同じように考える人が多かった。元横浜市立学校の教員で教育委員会傍聴など横浜市政のチェックを続けている竹岡健治さんは具体的に動いた。
7月に次のような要望書を提出。
これについて神奈川新聞が報じたのが以下の記事。
私的見学会での一番の感想は、市長室の存在が庁舎内の表示にないこと。
選挙で選ばれた市長の部屋の所在くらい市民が知る権利は十分にあると思うのだが、場所も行き方(たぶん駐車場から上がれる秘密のエレベータがあるのだろうが)も隠蔽するという体質は度し難いと思った。
二番目の感想は、面会したい役人のいる部署に自由にいけないこと。受付で入庁のカードをもらい、当該階にある電話で連絡、相手を呼び出して面会というしち面倒くさいやり方がとられている。もちろん執務している姿など壁が立ちふさがり、全く見えない。もちろん施錠も。
市民ががやがやと話しながら自由に出入りできる市庁舎は、イメージされていないし、ましてや市民運動団体や労働組合などが関係部署に直接訪問するということなど一切想定されていない。隠蔽と秘密主義の横浜市。
三番目の感想は、職員のおしゃべりが聞こえてこないこと。Kさんといっしょだったので私は教育員会のフロアに立ち入ったが、内部は区切られておらず、大部屋にブースが切られているだけ。ここで大きな声で話すと目立つ。みな低声(こごえ)でひそひそと話している。豪快にガハハと笑う声など論外。これでは、人間の器がどんどん小さくなる。
交渉で市教委を訪れ、トイレで偶然教育長と一緒になったことがあった。廊下で課長や部長ともすれ違ったこともあったし、立ち話になることもあった。それが自然な人の付き合い方。
8月5日、文書での回答があった。
要するに「ゼロ回答」、何も変える気はないということ。
1にセキュリティ、2にセキュリティ・・・・。何をそんなに守らなければならないのか。旧庁舎では十分にセキュリティ保護ができていなかったのか。
市長室は組織名ではないそうだ。市長室は政策局秘書課内にあるのでそう記しているとのこと。官僚答弁=屁理屈である。
市長専用のエレベータはないとのことだが、専用でなくとも一般職員が使用するものとは違うものがあると思う。名前が「市長専用」でないだけである。
8月31日、私は言っていないが面談での回答が行われた。以下が竹岡さんからいただいた記録。
7月12日提出、8月5日回答について、面談説明を求めています。
4部署から回答がありました。
1部署にはまだ要請していませんが、総務局管理課のみが面談説明を容認しました。
事前に再質問や詳細説明(添付)を送付し、本日8月31日、9:30~10:30約1時間面談しました。
総務局管理課:今井課長・桜井係長
要望提出者:伊藤・井端・品川・竹岡・吉池・吉田
面談容認だったとしても、課長が出てくることは珍しいことです。76名の連名者であることが影響しているかもしれません。
こちら側の発言は遠慮なく行いましたが、面談は穏やかに行われました。
次のようなことがわかりました。
・ゲ-ト設置や執務室の壁設置について、他自治体の調査はしていないが、都庁や総合庁舎(国)を参考にした
・この庁舎の設計態様は議会の「特別委員会」で検討された。林前市長の関与はあっ たであろう
・壁設置は防火の観点がある
・文書管理で特段問題は今までなかった
・「市長室」表示は旧庁舎でも数年前からしていなかった
・市長の専用エレベ-タ-はないが業務エレベ-タ-4基あり、それを使っている
など。
こちらからの意見や要望
・どこの自治体でも開かれた行政が標榜されている。この傾向とは逆の新庁舎である。
・市民を避けたり、隠そうとしている指向がこの新庁舎の閉鎖性に現れている。
・他自治体(例えば渋谷区役所)では、ゲ-トや執務室の壁のある所はない。むしろ市民に開かれたつくりにしている。
・防火という観点で壁設置であるなら、透明なもの(例えばガラス製)にしたらいいのでは。げんに18階の会議室は透明な壁となっている
・警備(旧庁舎では職員が担っていた)・清掃等に5年で28億の委託契約金。経費の削減ができる
・新市長になったので、是非とも市民に開かれたつくりとなるように、改善してほしい
など。
1部署が面談できたので、今後、回答についての面談説明が当たり前になるように求めていきたい。
面談においても十分な説明となってはいない。
今後、市民への説明責任を求めていきましょう。
以上簡単な報告といたします。
よろしくお願いいたします。
2021年8月31日
竹岡健治(文責)
やっぱり業務用エレベータがあった(笑)
全く不十分な回答。「開かれた市政」とは程遠い「閉じた市庁舎」。他自治体の実態を見ずに、文科省などの「つくり」をまねただけの庁舎。行政に必要なのは普段の市民のチェック。どこからでもご自由にどうぞ、というくらいの度量が欲しいもの。
竹岡さん、11月に市議会議長あてにさらに申し入れを提出する予定だそうだ。