『お終活 熟春 人生百年時代の過ごし方』2021年製作/113分/G/日本/監督・脚本:香月秀之/出演:水野勝 高畑淳子 橋爪功 剛力彩芽ほか/2021年5月21日公開)

バッハ会長、やっぱり広島に行くのだとか。

さまざまな観測があるが、IOCと国連の援護を受けてヒロシマで”オリンピック休戦”をアピール、その先に手を伸ばしてつかみたいのはノーベル平和賞か。

この世の実益は十分に勝ち得たから、あとは毀誉褒貶の多い風評をノーベル賞という勲章で名声に変えたいということか。

ぼったくり男爵の、人の命など顧みることなく、生き馬の目を抜くごとく功名心に走るさまは醜い。

 

減ったとはいえ、1か月を切った五輪を4割の国民が中止すべきとしている国の実情をどうみるのか。

 

300万人の人流を200万人ほどに減らしたとしても、今夏、いったいこの国がどんな状態になるのか、誰もが不安を感じている中、五輪代表選手が決定していく。

 

緊急事態宣言の前のような感染状況。

 

ワクチンは「どんどんやれ!」の掛け声は急にしぼみ、突然「足りない」という始末。

職域接種はしりすぼみ。

大学接種分のワクチンは残っているのか。

 

ぼろぼろの状態が続く中、3週間後五輪はほんとうに開くのか?

 

 

映画備忘録   6月29日(火)

『お終活 熟春 人生百年時代の過ごし方』2021年製作/113分/G/日本/監督・脚本:香月秀之/出演:水野勝 高畑淳子 橋爪功 剛力彩芽ほか/2021年5月21日公開)

 残念だがつまらなかった。

橋爪功高畑淳子の演技がやけに不自然なのは、脚本のせいだろう。

熟年夫婦を類型化して笑い飛ばすのは、綾小路きみまろに任せておいたほうがいい。

熟春、という言葉を聞いて首肯できる人はどれだけいるのか。

人生百年時代の長さ、しんどさを明るく歌い上げようという意図はわかるが、ズレていると思う。

終活をめぐるさまざまな事情をつまみ食いして見せて、最後は娘が計画した金婚式というイベントを葬儀社が結婚式場で仕切るというシーン。

達者な役者をたくさん配置しているから空きはしないが、式の中で突然外国人青年が「おとーさん!」と入ってくるというオチはばればれ。

 

類型的な夫婦を取り上げているようで、実はどこにもいない夫婦に、この夫婦はなっていないか。

 

この映画で一番描かれていないのは、孤独だ。水野勝が演じる若手葬儀社社員とその父親との葛藤がわずかにそうしたものを描こうとしているかと思ったが、切り込み浅く通俗的。父親役の西村まさ彦を十分に使い切っていないと思った。

 

 

Aいやいや、こういう映画はワハハと笑えればいいんじゃないの。

Bそれが、笑いきれないところがあるんだな…。

Aいやいや、だからあなた、そういう態度だから人生百年時代を愉しめないんだよ。

B百年なんて愉しめるわけないじゃん。

 

母親(息子の妻)の意を受けた小さな孫が、橋爪功に「おじいちゃんプラモデル見せて」とねだる。喜ぶ橋爪に孫が「おじいちゃん、上手だねえ」とお世辞を言う。あざとすぎて笑えない。もちろんあざといのは孫ではなく、脚本。

 

柏市のほんものの女声合唱団が劇中で何度か演奏するシーンがある。みないきいきと楽しそうに歌っていた。聴衆は歌を聴いているのではなく、生き生きと歌っている姿に感動する。NHKのど自慢の一シーンと同じだ。

 

楽しそうなのに、声につやはなく、声に伸びがない・・・。

そんなこと、歌っている人たちはみなわかっている。

でも歌う、だから歌う。

 

 

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