オリンピック中止を政治利用させるな。もともとウソと金で誘致した代物。誘致自体が失敗だったと認めさせるべき。

小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」(日経ビジネス)というコラムが好きだ。『噂の真相』に連載されていたコラムは「寸鉄人を刺す」鋭さで、毎回楽しみにしていた。2年ほど前にアルコール依存症からの脱却をまとめた本も面白かった。

 

久しぶりに今朝、彼がTwitterで「オリパラ中止」についての言及していたので、コラムを見に行ったら「有料」に変わっていた。そういえばここ1,2か月読んでいなかった。以前はかなり長めのコラムを全面無料公開していたのだが。

f:id:keisuke42001:20210417173409j:plain

 

これだけ誰もが「オリパラは中止するしかないんじゃないの」と思っているのに、口に出せない雰囲気がある。そんな中、二階幹事長のああいう発言「これ以上とても無理だということだったらこれはもうスパッとやめなきゃいけない」は、単なる乱心では「堰」決壊の花道をつくったようにも思える。

 

首都圏中心に集中的?選択的?まんぼう(マスコミは、政治家たちの「印象がよくない」という言葉に一斉にこの言い方をやめた。まだ使っているところがあったら教えてほしい) の指定が行われたが、尾身会長の談話など見れば、いつ緊急事態宣言になるかかわからない。

 

そのときに、だれがどんな筋書きで動くのか。小田嶋氏は友人の「見立て」をまとめてこう書いている。

 


1.いくつかの国や競技団体が五輪への不参加を言い出す
2.小池百合子都知事が突然五輪の中止を宣言
3.ついでにIOCとの契約の詳細(どうせ守銭奴契約)を暴露
4.右も左も小池百合子バンザイ状態
5.責任を取って都知事を辞任とか言い出す

6.でもって衆院選に打って出る
7.もちろん小池新党を結成。しかも維新あたりと握手
8. 当然、菅さんの選挙区から出馬する
9.どうせ大勝利
10. 日本初の女性宰相へ……とか

度胸と潮の流れを見るという点で(調子に乗りすぎての失敗もあったけど)、使える物(者)なら何でも使う、使えない物(者)は、平気で肥溜めにでも落として何とも思わない、のがこの都知事。世間がオリパラから気持ちが離れているのはお見通し。どうやって「中止」を利用するか、「私はなんつったって開催都市のトップよ」

これを使わない手はない。

 

あからさまにみんなが「次の一手」を勝手にてんでばらばらに云々(でんでん=by安倍)することに意味があると思う。

「さあそろそろ出るぞ~出るぞ~出るぞ~」とみんなで言っていれば、お化け屋敷のお化けはなかなか出てこられない。そこそこの怖さがなければ客は「な~んだ、つまんねえーの」となってしまう。

 

「中止」は大前提!問題は「中止」を政治的に利用させないこと、オリンピック誘致そのものが間違いだったことを認めさせること、1回ならまだしも2回も開くバカはいない(菊村到)ことを、目立ちたがり屋に思いしらせるべき。

 

小田嶋氏のコラムの「有料部分」に何が書いてあるかは知らないが、私はそのためにみなで「出るぞ~出るぞ~出るぞ~」をやる時期だと思う。

 

では誰が中止を言い出すのか。

 

小池は本命だと思うが、まだまだほかにもたくさん対抗馬がいる。見えない?ダークホースもいる・・・。

本命その2

アメリカに行って世界の首脳で一番最初にバイデン大統領と会談をしたと、いい気分の菅。「まんぼう」の正式名称を何度も言い間違えたりして防戦一方だった国内情勢、帰国すれば西も東も感染の嵐が吹き荒れている。口では「オリンピック、なんとしてでもやる」と言いながら、「やめるならいつか」を考え始めているはず。

(そういえば、毎朝ホテルでとりまきを呼んで官房機密費でたっかーい朝食を食べていたのをマスコミは報じなくなった。記者会見で指名されない東京新聞さえ〈首相の一日〉を「官邸内の敷地内を散歩」で始めている。残念である)

 

東京オリンピックパラリンピック競技大会担当大臣の丸川珠代。この人の小池に対するライバル意識は、フェアプレー精神など寄せ付けない(と思う)。「私はオリパラ担当の国務大臣よ。私を差し置いて勝手なことはさせない!」。自分は別姓を使用しながら、夫婦別姓導入に反対するなと自治体に圧をかける一因になっていながら、国会では逃げに逃げる。一方、子ども手当法案の強行採決時、参議院で「この愚か者めが!」「このくだらん選択をしたバカ者どもを絶対忘れん!」と叫んだ。ひたすら安倍にくっついた日本会議べったりのこの人は大の小池嫌い。「私こそ、決める」と思っているのではないないか。

本命その3

もう一人、忘れてならないのが、2020年東京オリンピックパラリンピック競技大会組織委員会委員長の橋本聖子だ。

2013年に表ざたになった柔道競技の暴力的指導に対して、国会議員の立場から、告発した15名の強化選手が「プライバシーを守ってもらいながらヒアリングをしてもらいたいというのは、決していいことでない」「あまりにも選手のプライバシーを守ろうとする観点から、15人の選手が表に出ていないことをどう判断するか。非常に大きな問題だ」と発言した人

その1年後に明らかになった自分のセクハラ、フィギアスケートの高橋大輔に対しキスを強要、口止めまでした。その辺のセクハラ親父と違いはない。それ以上に同じフィギアの浅田真央に対する「安倍とハグしろ」発言に至っては、これはもうお大尽(ほんとだ)に対して娘を差し出すやりて婆の態。

がらがらぽんで手に入れた組織委員長の椅子、「使わないでか」と考えているのでは。

 

 

いやもう一人、いる。

ダークホース

出るぞ~出るぞ~出るぞ~とみんなで唱えていると、

「わたしのことか?」

 

「小池、丸川、橋本・・・女性が多いと時間がかかるわなあ」。

 

葬り去られたユーレイのような森さん。

この人がぬうっとでてきて

「中止だよ~!」といえば、

「出たー!」となるかもしれない。

 

所詮、うそと金で誘致したオリパラ、こんなところがオチだろう。

 

コロナがなくてもオリ・パラはいらない。