日本教育学会、9月入学論に異論。至極まっとうな意見だと思う。 この20年、同じような「思いつき」に飛びついた役人と政治家によって、つまらぬ「教育制度いじり」がなされてきた。

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八王子街道国道16号)パチンコマルハンの照明・街灯のような十六夜の月。

 

 


日本教育学会が9月入学論に対し、声明を発表した。

 

4月末に東京都の小池百合子知事や大阪府の吉村洋文知事らが「グローバルスタンダード」などを理由に導入を強く主張し、安倍晋三首相も「前広に検討」と発言したことについて、同学会の広田会長は「はっきり言って、教育の制度も実態もあまりご存じない方がメリットだけを注目して議論されている」と厳しく批判した。(yahooニュース)

 

 

声明は、2021年4月の小学校入学を同年9月に変更した場合、世界でも異例の7歳5カ月で義務教育が始まるケースがあると指摘。移行期の5カ月分の学費が私立大学だけでも、1兆円近くにのぼるなどの問題点も挙げた。

文部科学省で記者会見した広田照幸学会長(日本大教授)は「休校中の学習を保障するための一時的なアイデアかと思ったが、急速な導入議論が進むことを危惧している」と強調。金銭的な負担が大きい上、社会の仕組みも大きく変わるとして「制度的なきしみが生じかねない」と述べた。(日経デジタル)

 

至極まっとうな意見だと思う。

この20年、同じような「思いつき」に飛びついた役人と政治家によって、つまらぬ「教育制度いじり」がなされてきた。

小さな声でTwitterやこのブログに意見を書いては来たが、ようやく学者が動いた。

廣田照幸氏は、教育社会学碩学。いままでも教育改革批判を牽引してきた人だ。著書には大きな影響を受けてきた。働き方改革についても、正面から政権批判を続けてきている。10数年前には全学労組で招いて、講演をしていただいた。

現在、日大文理学部教授。同じ場所のいちばん端っこに私も腰をかけているのだが、なかなか会う機会はない。

 

今後、早急に論点整理を発表するとのこと。楽しみである。日本の教育学者の水準が明確に表れると思う。

先日部活動を研究テーマとしている話早稲田大学の中澤篤史さんのTwitterに、慶応大学の佐久間亜紀さんの「論点整理」が紹介されていた。これも貴重な資料と思うので、載せておく。

https://drive.google.com/file/d/1HzfbVfKlVap4hJ0YHHpIXovm_MUtO2M7/view

日本教育学会の声明

http://www.jera.jp/20200511-1/ 

 

2月19日、中華街・牡丹園で行った「中澤晶子さんを囲む会」のまとめが出来上がった。中澤さんのお話と追記として会に寄せられたものをまとめている。

本日から参加者に配信。よろしかった読んでみてください。

https://onedrive.live.com/edit.aspx?resid=CDC429C445AB4A7D!2358&cid=C4579094-C941-4CFE-9E93-D0F09DB52039&ithint=file%2cdocx&wdLOR=c6689CDD3-A468-49BC-91F4-5B2D65B0F317&authkey=!AB0nSXqw3-BWvxU

 

 

 

薄暮シネマ、続いている。

薄暮シネマのまとめ】5月5日~5月6日

★    時間の無駄だった。

★★   あえて見なくてもよかったけど…。

★★★  まあまあ愉しめたかな。

★★★★ 見応えあり。いい時間だった。

★★★★★ 素晴らしかった。時間を忘れて見続けた。

 

工作員 黒金星(ブラックヴィーナス)と呼ばれた男』(2018年/137分/韓国/
原題:The Spy Gone North/監督:ユン・ジョンビン/出演:ファン・ジョンミン、イ・ソンミン/2019年7月日本公開)★★★★ Amazonプライムレンタル102円

 

実在のスパイを描いた映画だが、冷戦の中で韓国安企部と経済界は、実は北朝鮮と結託していた事実を暴露した映画。

いつも思うことだが、韓国映画はタブーを軽々と越えていくように思う。平壌の実際の様子の再現や、役者に金正日を演じさせ、セリフをしゃべらせる。

随所の緊張感は生半可なものではない。映画としても一級品。主役のファン・ジョンミンはもちろん好演だが、北朝鮮の対外外交を担うリ・ミョンウン所長を演じるイ・ソンミンの演技がとにかくすばらしい。

昨秋に本厚木の「kiki」で見逃した映画。

 

『LION ライオン 25年目のただいま』(2016年/119分/オーストラリア/原題:Lion/監督:ガード・デイビス/出演:デブ・パテル、リーニ・マーラ、ニコール・キッドマン/2017年4月日本公開)★★★</strong>

インド映画を検索していて引っかかった作品。

 

インドで迷子になった5歳の少年が、25年後にGoogle Earthで故郷を探し出したという実話を、「スラムドッグ$ミリオネア」のデブ・パテル、「キャロル」のルーニー・マーラニコール・キッドマンら豪華キャスト共演で映画化したヒューマンドラマ。1986年、インドのスラム街で暮らす5歳の少年サルーは、兄と仕事を探しにでかけた先で停車中の電車で眠り込んでしまい、家から遠く離れた大都市カルカッタコルカタ)まで来てしまう。そのまま迷子になったサルーは、やがて養子に出されオーストラリアで成長。25年後、友人のひとりから、Google Earthなら地球上のどこへでも行くことができると教えられたサルーは、おぼろげな記憶とGoogle Earthを頼りに、本当の母や兄が暮らす故郷を探しはじめる。(映画ドットコムから)

 

5歳の少年の名前はサル―。正しくはシェルウで現地のことばでライオンのこと。

あらすじは予想を超えるものではなかったが、1990年代のインドの人々と街の様子が活写されているところがよかった。ちいさな子どもの孤独感が、成長するにつれて薄れるのではなく、逆に募っていくところがせつない。

ニコールキッドマンの夫妻が、二人の養子を迎えるのだが、二人をめぐる葛藤はわかるが、提示されるだけで深まっていないのが残念。

サル―はグーグルマップを使って生家を見つける。実際にグーグルでも講演をしたのだとか。