黒岩神奈川県知事、県警に外出自粛の為の声掛けを要請・・・何の前提もなしに「警察官は頼りにされている存在」と云ってしまうこの県知事、権力とか暴力装置という言葉とは無縁に生きてきたのだろう。つまり基本的に社会性が欠如しているということだ。

黒岩神奈川県知事は、新型コロナウイルス感染防止のための緊急事態宣言を受けて「県民の外出自粛を徹底するため、県警本部に協力を依頼し、協力が得られた」と発表した。

「夜間の繁華街などで警察官が声掛けを行い、外出自粛要請が出ていることを県民らに伝える」のだそうだ。

 

はっきり言って

             いやな感じ

である。

 

黒岩知事は記者団の取材に、出歩いている人を摘発するようなことはないとした上で、「警察官が一声掛けることに大きな意味がある」と強調。「市民が恐怖感を抱くのでは」という質問には、「警察官は頼りにされている存在。声の掛け方だと思う」と説明した。(太字は神奈川新聞から)

 

何の前提もなしに「警察官は頼りにされている存在」と云ってしまうこの県知事、権力とか暴力装置という言葉とは無縁に生きてきたのだろう。つまり基本的に社会性が欠如しているということだ。

 

フツーに考えて、県知事から直接お願いされた県警は街のおまわりさんたちに市民に外出を控えるよう「声をかけましょう」とはならない。「積極的に職務質問を行い、未然に犯罪の発生を抑えるために摘発を強化しよう」ということになるのではないか。少なくともそういうことを念頭に置いての警邏活動の推進になるのではないか。そしてそれは、結果的にではなく、意図的に「出歩いている人を摘発」することになるのではないか。

やっぱり、いやな感じ である。

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自分で書いた書を飾る・・・なかなかできることはないわいな。

 

 

映画館、都内、県内は昨日でほぼすべて休館に。

 

緊急事態宣言の次の日に休館したところと、一日おいたところと。

 

分かってはいても、ちょっとがっかり。

 

シネマリンの『アリ地獄天国』(2019/日本/98分)

ロードムービーならぬ「ロード―ムービー」日本では珍しい労働運動のドキュメンタリー映画

 

ぼく、営業成績トップ。
いま、終日シュレッダー業務。
なんで?

とある引越会社。社員らは自らが置かれた状況を「アリ地獄」と自虐的に呼ぶ。それは、長時間労働を強いられ、事故や破損を起こせば借金漬けに陥る状況を指す。営業職の34才の男性は異議を唱え、一人でも入れる個人加盟型労働組合に加入した。すると、粉塵の舞うシュレッダー係へ配転され、給与は半減。のちに懲戒解雇に追い込まれた。事由を記した「罪状ペーパー」なる掲示物も全国支店に貼りだされた。
間もなく解雇は撤回されたが、復職先は再びシュレッダー係。それが2年間も続く。さらに、法律違反である労働組合への不当労働行為が発生。「差別人事」の実態も取材を通じて明らかとなった。 一方、大学時代からの親友の自死を止められなかった監督は、後悔の念に苛まれていた…。(映画ドットコムから)

 

引っ越し会社でアリ地獄っていうと、舞台はあの会社か?

 

先日見た東海テレビのつくった映画『さよならテレビ』(2019年制作2020年公開)つまるところテレビ業界の労働問題がテーマのひとつだった。

 

日本でははたらき方改革法案が通って、この4月から形の上では同一労働同一賃金が推進されるはずだったが、新型コロナウイルスによって吹っ飛んでしまったようだ。

 

世界で、国内で無数のそして未曽有の労働問題が発生している。

世界中で解雇の嵐、一時帰休が目白押しだ。新規採用者の内定取り消しも頻発している。

 

ベルギーのダルデンヌ兄弟がつくった『サンドラの週末』(2014年制作、日本公開は2015年)韓国のスーパーのレジ係のストライキを描いた『明日へ!』(2014年制作、日本公開は2015年)、『家族を想うとき』(2019年制作、日本公開も2019年)など、外国にあって日本にないのがロードームービー。かつては撮られることもあったようだが、最近では同種の映画は見ない。

 

たぶん、日本的労働観のようなものが前提にあるからなのだろう。労働を労使関係や賃労働と捉えるより、労働そのものに価値を求める傾向がいまだに強い。日本では労基法違反が労使双方から出てくる。

 

『ダンダリン 労働基準監督官』(2013年)『わたし、定時で帰ります。』(2019年)のようなテレビドラマもあるにはあったが。

 

連続ドラマ『わたし・・・』は、吉高由里子に惹かれて?最後までみてしまったが、日本的労働観とのせめぎあいの域を出るものにはならなかったと記憶している。タイトルが日本ではある種のステレオタイプのようにとらえられてしまうきらいがある。

 

さて『アリ地獄天国』名画座系とはいえシネマリンが20日間以上の連続上映!監督挨拶も含めてやってしまうというのは、経営者のセンスの良さだけでなく、いくら何でもここまできているひどい労働実態、ほおっておけないだろうという空気が、少しは日本にも出てきているのではないか。いやいやそれは楽天的すぎるんじゃない?という声も聞こえてくる。

 

 

見ていない映画の宣伝をしてしまった。

 

楽しみにしている。

 

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久しぶりの〆さばアニサキスを避けるために〆めてから-20℃で保存。自然解凍してからいただく。