10日、日曜日。15時から即位パレード「祝賀御列の儀」。とりあえずつくったようなこなれない熟語。
警察官26000人を動員。厳重な警戒の下、全国から大勢の人たちが沿道に詰めかけたという。祝賀ムード? というのだろうか。わざわざ電車賃をかけて東京に出てくる人たち。そういう人たちが確実に増えている。
私のような無関心な人間は、今ではかなりの少数派になってしまったようだ。
思えば1988年暮れから1989年の正月にかけて。
井上陽水の日産セフィーロのコマーシャルは「みなさ~ん、おげんきですか?」の科白が声だけが消されて放映された。
誰もが初めての体験で何をどれだけ自粛すればいいのかわからず、周りを見渡してとにかく目立ことしない方が‥‥というムードだった。
年が明けて天皇逝去。自粛ムードはいやがうえにも高まり、テレビから娯楽番組が消えた。そして人々が殺到したのがレンタルビデオ店だった。戦争の記憶につながる昭和天皇に対する独特の感情がまだ残っていた時代。
今回の代替わりは自粛ムードではなく祝賀ムード。30年の平成の天皇の時代を経て確実に天皇制に対する視線に変化が小起きている。
時代錯誤にしか見えない安倍首相の万歳三唱も、「嵐」が歌い芦田愛菜がスピーチすれば、まあ、いいっか。・・・そしてにぎにぎしくも祝賀パレード、来週には大嘗宮の儀が行われる。
『新天皇が即位の後に新穀を神々に供え、自身もそれを食する。その意義は、大嘗宮において、国家、国民のために、その安寧、五穀豊穣を皇祖天照大神及び天神地祇に感謝し、また祈念する』のが大嘗宮だとか。この後、伊勢神宮や神武天皇陵へ参拝したり、来年の4月ぐらいまで即位の行事が続く。
これを、宗教的行事ではない、政教分離は担保されており憲法には違反していないという強弁。
内閣総理大臣が玉ぐし料をおさめても、私人だと言い張れば通ってしまう。
みんなで靖国神社を参拝する政治家たちは、「超党派」だという気味悪さ。
これがこの国独特の空気。
息苦しい。