10月10日は「晴れ日」だと思っていたら、最近はそんなことはないそうで。京都・西山霊園はMさんの墓前で、みなで献杯をしているときにはぽつりぽつりと雨が落ちてきた。
Mさんの奥さんS子さんも含めて総勢12名の墓参団?JR桂川駅からタクシーを三台連ねたから、運転手さん、
「どなたかエラいひとのお参りですか?」。
昨日は朝から、京都大学に向かうタクシーがひきも切らなかったという。9日朝の「吉野さんノーベル化学賞受賞」の発表を受けて、京大関係者が集まったのだろう。
そっちは黒系の背広に身を固めた人たち、たぶん。こちらは背広どころかネクタイもゼロ、何の統一感もない服装のただのシルバー12人。エラさの中身もかなり違う。「エラい」発言は運転手さんのお愛想だったのだろう。
霊園から洛西口まで再びタクシー。阪急電車の長岡天神至近の「ひがしや」で皆で一杯。
店員の女性の「ビールは何本くらい?」の声に、すかさず
「10本!」
Mさんの注文の豪快さを皆で偲ぶ。かつて、ビール注文の単位は10本だった。
Mさんが亡くなって半年余り。去る者日々に疎しというが、それぞれの回顧譚を聴いていると、Mさんが「ほら、今そこに」という感覚が確実にある。
寂しいなあ、と思う。
京都を20時半ころ。名古屋で春日井のWさんが降り、千葉・流山まで帰るAさんを残して、私は新横浜で降りた。22時半過ぎ。
それぞれ降りる場所も時間も違う。降りてからみなそれぞれ向かう場所も違う。
Mさんがクルマで迎えに出てくれた十日市場駅、雨である。10日に雨かい?