なぜ「入籍」が根付いてしまったのか。Aさんからのメールと王貞治さんの再婚、NHKだけが「婚姻届けの提出」と報道。

    西日本豪雨の被害が広がっている。今朝の報道では死者162人、安否不明が57人。

 家が流され避難所生活に入らざるをえない人たち。ライフラインが止まっている地域や断水が続いているところも。

 豪雨のあとに梅雨明けとなった愛媛の映像では、猛暑の中、片づけをしている人たちが、「水がないから片付けが進まない」と汗を拭きながら話している。

 肉親を亡くした人たちへのインタビューは相変わらずだ。訊かれれば応えてしまう良い人たち。気の毒である。

 

 西日本の大きな都市の教員となって帰っていった同僚だったAさんから「ブログ、読んでます。それと今度入籍しました」とのメール。

 彼が新任の教員として私が勤めていた中学にやってきたのは、今から8年ほど前か。Aさんは、今どきの若い教員のような“はじけぶり”がない穏やかな人。

 私は初任者指導担当教員としてAさんを担当。と言っても教科も学年も違うので、話せるのは授業番号17番(スライド式授業配当)の時だけ。初任者研修の時間として確保した。

 とはいえ、私と二人だけで話すのも気詰まりだろうと、二十代前半の保健体育の非常勤講師Bさんと、技術科の臨時的任用教員をしていたCさんの二人に声をかけて、3人の初任者指導としたのだった。二人には迷惑な話だったかもしれないが。

 学校の中に一般的な初任者指導というものが確立しているわけではなく(確立しているのかもしれないが、私は知らなかった)、たいていは先輩教員の経験主義的な講義を拝聴することになるのがこの時間の通例。

 そこで「今学校に流れている時間をとりあえずいったん止めて少し原理的なものに戻ります」と言ったかどうか忘れたが、広田照幸の『ヒューマニティーズ教育学』をテキストにして、週一時間やっていくことにした。

 年間の授業数は通常35回ほど、この17番の授業、20回ぐらいはできただろうか。

 私自身、面白いと思うところがある反面、難しくてよく理解できないようなところもあるテキストだった。3人は交替でレポートして、よく付き合ってくれた。

 いったん教員になってしまえば、新人教員と言えどもまず目の前の子ども、そして今日の授業、慣れない部活に委員会指導、日々勃発する生活指導、親の年代に近い保護者対応など、土日もなく働かされるのが今どきの新人教員だ。スピードに慣れなければついていけない、考え込んでいるとどやされる、ひまな教員が少ないからわからないことも聞きづらい、やりながら考えるんだよ、なんて言われる。

 そんな殺人的な日常に、40歳近くも年の離れた教員と過ごす週一度の50分。

 小さな会議室に4人が集まる。疲れた顔が3つ。あ、私もか、4つだ。

 雑談はするけれど、それほど盛り上がらない。テキストのレポート。あれ、今日は誰だっけ?「できてません」。なかなか続かない。盛り上がらない雑談がつづく。

 学校の中の時間から少しだけ降りていた。そんな時間だったような気がする。私も。

 

 入籍じゃなくて婚姻届けの提出だよね、と私。
6月1日にソフトバンク王貞治さんの再婚が報道された。ほとんどのマスコミが「入籍」としたのに対し、NHKだけが「婚姻届けを提出しました」と報道した。正確だと思った。
入籍には違和感がある。誰が誰の戸籍に入るのか。
戸籍上の結婚は、親の戸籍から抜けて(除籍)二人で新たな戸籍をつくること(それが必要かどうか、住民票で十分とも思うが)であって、入籍とは言わない。
入籍というのは、再婚時に女性の連れ子の戸籍を筆頭者である男性の戸籍に変更する場合、離婚後に子どもの氏を父親から母親の氏へ変更する場合、をいうのだそうだ。

これからは婚姻届けを出しましたと言います、との返信があった。披露宴は身内で小さくやりますとのこと。Aさんらしい。

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服部桜、通算2勝目をあげたこと,朝刊の県版で知る。負ければ90連敗となるところだった。茅ヶ崎市出身。今月二十歳になる。