死刑容認8割というこの国、犯罪抑制効果はほんとうにあるのか。

 大雨が続いている。正午段階で12人の方が亡くなっているとの報道。54人が安否不明だ。自衛隊の災害出動があちこちで始まっている。避難所生活を余儀なくされている人たちも多い。

 横浜は風が強いが、雨はほとんど降っていない。曇天で気温も高くない。
 

   今朝も境川河畔を散歩。
  

   カワウの単独行動に遭遇。
   カワウは群れて飛んでいることが多いので、珍しい。「羽色は全身褐色がかった黒色」などとものの本には書かれているが、ほぼ黒である。目元から下が黄色い。
   水面を進んでいくときは首をひょこひょこと突き出していく。なんともユーモラスな感じ。
 カワウは朝の2時間ほどの間に魚を食べるのだという。今日はちょうどその時間にあたった。
   川下に向かう私たちの歩くスピードとほぼ同じスピードで潜る。この潜水力がすごい。20秒以上潜る。個体によっては70秒も潜るつわものがいるのだとか。このあたりに顔を出すだろうと見定めていると、それよりずっと先の方で顔を出す。
 顔を出したとたん、口にくわえてぴちぴちと跳ねている魚を呑み込む。また潜る。顔を出す。魚を呑み込む。3度繰り返した。
「よく食べるねえ」などと感心していたが、カワウは体重1㎏当たり262gも食べるのだとか。ごく普通のカワウが体重2㎏ぐらいだとすると、一日に500gの魚を食べることになる。

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 そう考えると、素早く潜って何度も採食を繰り返すのも納得できる。ちなみにウミウはカワウより一回り大きい。
 ウミウというと、丸木美術館の丸木位里『ウミウ』の小さな絵を思いだす。荒波が打ち寄せる岩の上に小さなウミウが一羽。水墨画である。『原爆の図』の美術館であるが、こうした小品に何とも言えない味わいがある。写真で紹介できないのが残念だが。

 

 昨日は、友人のお見舞いに千葉の検見川浜まで出かけた。駅に着いた時には気温が20℃くらいだったろうか。少し肌寒い。思わず長袖のシャツの袖のボタンをしっかりしめてしまった。
待ち合わせた友人とともに、迎えに出てくださったお連れ合いと合流。車で病院まで送っていただいた。当の病人は、術後、順調に回復。小一時間ほど雑談をして辞去。
このまま帰るのも‥ということで、二人で京葉線を新木場で有楽町線に乗り換え、月島で降りる。佃島の方へ5分ほど歩く。あてのない呑み屋さがし。

 あるものである。一間ほどの間口の二階建て、小体なしもた屋。屋号は江戸家。口開けのようだ。今日は燗酒。ぬる燗である。 

そう伝えると、はいとすぐに返事がくる。

 来ない場合がある。あれはいつだったか某チェーン店で「ぬる燗をお願いします」と言ったら、若い男の店員が「熱燗じゃないんですか」。「いや、熱くしないでちょっとだけ温めるの」というと、ひとしきり考えている。「ぬる燗」というものにいまだ遭遇したことがないようである。

 そこで彼は考えた。自分の理解できる範囲でこの注文に応えようと。そうして出た結論が
「熱燗のぬるめ一本!ご注文いただきました!」。
 それでは燗冷まし寸前、酒がかわいそうだ。

 この店で美味しかったのは、スズキや地だこだけではなく、いかの丸焼き。かなり大ぶりのするめが姿で焼かれ、ワタに少し味付けしたソースにつけて食べる。
もんじゃばかりがもてはやされる月島になかなか良い店がある。
しもた屋の路地には黒猫が一匹歩いていた。

 

 昨日、オウム真理教の死刑が執行された。7人。テレビでは執行が確認されるとその都度死刑囚の写真に「執行」というカードを貼っている。選挙の特番か?賢い人たちが   テレビをつくっているのだろうに、酷いものだ。
 今なぜこれほど大量の死刑を執行しなければならなかったのか。


 死刑というと、吉村昭原作の『休暇』(2007年・日本・115分・小林薫主演、門井肇監督)という映画を思い出す。原作は短いのだが、緊張感のある佳作だった。

 遺体を支えた手の感触を感じさせる映画だった。

 死刑の実態を刑務官の側からとらえたものはほかにないのではないか。死刑のシーンで印象に残っているのは、『グリーンマイル』の電気椅子、歌手ビヨークを主役にした『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(2000年・デンマーク/ドイツ・140分)の絞首刑か。後者はつらい映画だった。

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 死刑が犯罪を抑制する効果がないことは、学問的にも証明されている。この国では、死刑はやむを得ないと考える人が8割とか(2014年政府調べ)。