2025年5月の映画寸評(4)
面白かった映画を⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎から⭐︎まで勝手に評価。
『エミリア・ペレス』
2024年製作/133分/G/フランス/原題または英題:Emilia Perez/監督:ジャック・
オーディアール/出演:ゾーイ・サルダナ カルラ・ソフィア・ガスコン セレーナ・ゴ
メス/劇場公開日:2025年3月28日
5月22日 シネマジャック&ベテイ ⭐️⭐️⭐️⭐️+
「ディーパンの闘い」「君と歩く世界」「預言者」などでフランスを代表する名匠として知られるジャック・オーディアールが手がけ、2024年・第77回カンヌ国際映画祭で審査員賞と4人の俳優が女優賞を賞した作品。メキシコの麻薬カルテルのボスが過去を捨て、性別適合手術を受けて女性として新たな人生を歩みはじめたことから起こる出来事を、クライム、コメディ、ミュージカルなどさまざまなジャンルを交えて描いた。
メキシコシティの弁護士リタは、麻薬カルテルのボスであるマニタスから「女性としての新たな人生を用意してほしい」という極秘の依頼を受ける。リタは完璧な計画を立て、マニタスが性別適合手術を受けるにあたって生じるさまざまな問題をクリアし、マニタスは無事に過去を捨てて姿を消すことに成功する。それから数年後、イギリスで新たな人生を歩んでいたリタの前に、エミリア・ペレスという女性として生きるマニタスが現れる。それをきっかけに、彼女たちの人生が再び動き出す。
カンヌ国際映画祭ではアドリアーナ・パス、ゾーイ・サルダナ、カルラ・ソフィア・ガスコン、セレーナ・ゴメスの4人が女優賞を受賞。特にエミリア・ペレス/マニタス役を演じたカルラ・ソフィア・ガスコンは、カンヌ国際映画祭において初めてトランスジェンダー俳優として女優賞を受賞した。第97回アカデミー賞でも作品賞や国際長編映画賞をはじめ、非英語作品としては史上最多となる12部門13ノミネートを果たし、助演女優賞(ゾーイ・サルダナ)と主題歌賞の2部門を受賞した。カルラ・ソフィア・ガスコンもトランスジェンダー俳優として初の主演女優賞ノミネートとなった。
(映画ドットコムから)
ジャック・オーディアールの映画は初めて。圧倒された。映画でしか表現できないような精細なディテール、全くスキがみられない。気持ちを入れてみないといろんなものを見逃しそうなほど豊穣な映画。あらすじにしてしまえば単純なストーリーだが、因果応報と言ってしまっては元も子もない。どこに向かうか見えない不安感が付き纏うのは、メキシコの政治状況の難しさだけでなく、わたしたちが経験したことのない人間の境界を超えた世界だからか。トランスジェンダー俳優カルラ・ソフィア・ガスコンの演技は見事。マニタスとエミリアのギャップ、ゾーイ・サルダナはその2人?に一歩も引かない演技。ただ、これは趣味の問題だがミュージカル風の演出には少し違和感があった。
みていてなんとも落ち着かない分類不能な映画。