佐藤幹夫さんから『彼はなぜ担任になれないのですか 「車いすの先生」、奮闘の記録』という本をいただいた。
秋田の中学の数学の教員、三戸さんは何度希望しても学級担任になれない。
教員になって22年。「合理的配慮」という名で学級担任就任を拒否されている。
学校や教育委員会の見えない障壁を、佐藤さんは三戸さんとともにあぶりだす。
月刊『教職課程』に連載された一部を単行本化。
私も連載の途中、オンラインでのインタビューを受けた。職場での自分のかかわりについてお話しした部分が収められている。
車いすの先生、障害があってもそれを乗り越えて‥‥的な「感動ポルノ」は学校という空間では好まれるが、現実の学校はそう甘くも感動的でもない。
障害があっても正規採用される道は開けている。しかし現実の仕事の場面ではやさしく拒否される。
トラブルとならないことだけを理由に、障害をもつ教員は我慢を強いられる。
障害が理由ではなく、受けいれる工夫を惜しむがためにである。
れいわの舩後さんと木村さんがいたからこその変化が、国会で起きた。学校でも少しずつ地殻変動が始まっている。そのことの希望を語る本だ。
同じ言視舎から今月、
私にとっては11年ぶりの新刊。
と言っても、書き下ろしではなく、ここ数年雑誌等に発表したものを改稿したもの。