ホン・サンス『イントロダクション』『あなたの顔の前に』以前の作品に比べ、映画に入れ込むものがつかみにくくなっている。というより私がついていけなくなっているのだろう。

映画備忘録。

7月12日(火)

ホン・サンス監督2本同時封切り。

『イントロダクション』(2020年製作/66分/G/韓国/原題:Introduction/監督・脚本・制作:ホン・サンス/出演:シン・ソクホ パク・ミゾ ソ・ヨンファ他/日本公開2022年6月24日)

 

独自のスタイルで国際的に高く評価される韓国の名匠ホン・サンスが、モラトリアムな時期をさまようひとりの青年をめぐる物語を、モノクロームの映像で詩情豊かにつづった青春映画。将来の進路も決まらず、何者にもなれずにいる青年ヨンホ。韓国とベルリンを舞台に、折り合いの悪い父、夢を追うため海外へと旅立った恋人ジュウォン、ヨンホの進路を心配する母との再会と3つの“抱擁”を通し、彼の人生をひも解いていく。ホン監督の前作「逃げた女」で印象を残したシン・ソクホが初主演を務め、「お嬢さん」のキム・ミニ、「アバンチュールはパリで」のキム・ヨンホらが脇を固める。2021年・第71回ベルリン国際映画祭コンペティション部門で銀熊賞(最優秀脚本賞)を受賞。(映画ドットコムから)画像4

 

『あなたの顔の前で』(2021年製作/85分/G/韓国/原題:In Front of Your Face/監督・脚本・制作:ホン・サンス/出演:イ・ヘヨン チョ・ユニ クオン・ヘヒョ/日本公開:2022年6月24日)

韓国の名匠ホン・サンスがベテラン女優イ・ヘヨンを主演に迎え、ひとりの中年女性の心の旅を描いたヒューマンドラマ。長い間アメリカで暮らしていた元女優のサンオクは、突然韓国に帰国し、妹ジョンオクのもとを訪れる。母を亡くして以来ずっと疎遠になっていた家族と再会するサンオクだったが、帰国の理由を明かそうとせず、その内面には深い葛藤が渦巻いていた。思い出の地を巡り、捨て去った過去と向き合いながら、心の拠りどころを見いだしていくサンオクの1日の出来事を描き出す。共演は「技術者たち」のチョ・ユニ、「夜の浜辺でひとり」のクォン・ヘヒョ、「はちどり」のキム・セビョク。ホン監督の公私にわたるパートナーである女優キム・ミニがプロダクションマネージャーを務めた。(映画ドットコムから)

 

2本続けて見た。

『イントロダクション』平板で面白みに欠けた。

『あなたの顔の前に』思わせぶりだが、今一つこちらも面白みに欠けた。

どちらもおおむね画面に二人が出て対話を繰り返すというホン・サンス監督のいつもの手法だが、以前の作品に比べ、映画に入れ込むものがつかみにくくなっている。というより私がついていけないくなっているのだろう。

キム・ミニとクオン・ヘヒョの付かず離れずの心理を愉しむといったところから、前作『逃げる女』から難解さを増してきているような。『正しい日間違えた日』『夜の浜辺でひとり』『それから』などは愉しめた。

カンヌでも評価されてるようだが、私はもういいかなという感じ。画像3