民主主義の危機などではなく、集票マシーンとしての新興宗教と自民党政治家の黒い結びつきの問題。安倍元首相はその元凶。国葬はあり得ない。

感染急拡大の中、人目につかぬように二人で甲州、信州への2泊3日の小さな旅。

旅の中心は恒例の伊那・高遠の山荘五合庵。

田舎の両親に会いに行くような心持ち。夕食は3時間半、朝食は1時間半。お二人と年に一度のおしゃべりをゆっくりと楽しむ。

 

1日目。安曇野で自然農法に取り組んでいる友人Sさんとは、いつもならワインやクラフトビールの店で会うのだが、長野も感染が増えているということで呑み会はキャンセル。松本・あがたの森公園で会う。夕方の心地よい風が吹き抜ける中、短い交流となった。彼手づくりの黒米や玉ねぎ、にんにくなどをいただく。

 

2日目。天気が良ければ、足を踏み入れたことのない白馬村にと考えていたのだが、不順な天候。北アルプスの見えない白馬村に行っても・・・。

久しぶりに上田の無言館に行こうかとも考えたが、移動が長くなるので中止。安曇野をゆっくりめぐることに。

 

ジャンセン美術館でピカソのセラミック&リトグラフ展が開かれているというので、安曇野アートラインを少しだけたどることに。


40点と展示点数は多くはなかったが、ゲルニカをはじめとするリトグラフが面白かった。

来年開館30周年を迎えるという。アルメニアの画家ジャンセンの作品、とりわけ風景や静物画は気持ちを穏やかにさせてくれる。翻って人物画はどこか不穏で不安をかき立てる。

今回は何枚かの絵葉書と額装された花の絵を購入。


行き当たりばったり。すぐ近くの山岳美術館そして絵本美術館森のおうちは、どちらもエントランスで休館日を知る。

 

それならと、懐かしい穂高町碌山美術館へ。

予報は外れて空は明るい。

隣りの穂高東中の生徒が「総合」のファイルをもってぞろぞろと入ってくる。

みな気持ちのこもらない?挨拶をしっかりする。とりあえず大人を見たら声をかけるということか。大変だなあ、中学生。

 

あちこちでファイルに書き込みをしている生徒が目に付く。

「やってられねえよ」といった態度の生徒はいない。

その姿は強い関心に駆られてというふうには見えないのだが、何と言うか我慢強いというか。

久しぶりに高村光太郎の彫刻「腕」と「手」を見る。

手はまるで何かを語りけているようで、表情豊か。

碌山先生の「女」

穂高駅前の蕎麦屋、麺元田舎家でそばを食べる。

駅前の蕎麦屋とは思えない重厚で広い店内。天井も高い。

蕎麦もうまかったが、つまみの葉ワサビの漬物がうまかった。

Mさんが注文した胡桃そば、相伴したが濃厚でうまかった。これは絶品。

広さも天井の高さも重厚感までも伝わらないワンショット

午後は、Mさんが以前行ったことのあるガラス工房をめざしたのだが、どうも記憶違い。見つからず。

 

池田町の道の駅、ハーブセンター。

ここで野菜をたっぷりと仕入れる。

そして酒販店どんぺり。名前がすごい。

さらに銘酒「大雪渓」の本店へ。つくり酒屋の独特の空気感。

 

あとは一路、伊那・高遠へ。

結局、雨はまったく降らず。時に青空も見えた。気温は26から28℃。

 

3日目。1時間半の朝食のあと、Mさんは午後案の庭でブルーベリーを収穫。

「ことしは鹿も猿も来ないから、大きくなっているよ」。

タッパー2つにいっぱいの粒ぞろいのブルーベリーをいただく。

さらに

ルバーブも太くなってる」

毎年ルバーブのジャムを大量につくるMさん、これもしっかりと収穫させてもらう。

 

夜中は雨が激しく屋根を叩いていた。明け方には雨が上がり、入笠山をもやが包む。

標高1200メートルの山荘の生活。

たくさんのお土産をいただいて10時30分に辞去。

 

この日の目的は韮崎市にある「韮崎大村美術館」。

あのノーベル賞大村智さんの美術館。

韮崎大村美術館

 

展示室に比して収蔵庫がかなり大きい。

2階の展望室。3方に眺望が開かれ気持ちの良い部屋。

ここで大村さんのドキュメンタリー『私の履歴書』をじっくりと見る。

日経に連載されたものを番組にしたもの。

若いころからの探求心となんにでも関心を示す好奇心の強さが印象的。

大村智記念室の多彩な趣味の展示にもそれがよく表れている。

文化勲章ノーベル賞のメダルというか、記念の品を初めて見た。

常設展は小倉遊亀片岡球子などの女性美術家のものが多い。女子美の理事長職を務めたことによるのだそうだ。

動物やヒトの感染症に多大な貢献をされた方。それによって巨額の利益も手にしたというが、小高い丘の上に立つこんな美術館と温泉施設、それに蕎麦やほうとうのレストランなど、多くの人が訪れる施設をつくったという。ここにも胸像があり、どこかに銅像もあるというが、それよりなんとも茶目っ気のある茶人帽をかぶった姿が印象が強い。

 

昼食はその蕎麦屋上小路”にて。

Mさんはてんぷらそば。私は鶏ももつけ汁蕎麦。ボリューム感たっぷり。

 

最後の訪問地は、道の駅にらさき。

初物の桃やカボチャなどを買う。

 

曇天のもと、帰途に就く。中央道で途中激しい雨。圏央道、東名は渋滞。いつもより45分ほど遅くなる。

 

3日間新聞を読んでいない。

テレビのニュースで岸田首相が、安倍元総理の葬儀は「国葬儀で」と発言していた。

「暗殺」の詳細も明らかにならず、統一家庭連合との関連もまだまだいろいろ出てきそう。集票マシーンをなんとか隠してここを乗り切ろうという自民党の議員にとっては「国葬」はありがたいだろう。

私には酷葬としか聞こえない。葬儀は統一教会が仕切り、会場は日本武道館ではなく紀尾井町ホテルニューオータニ。お酒はもちろんサントリーが供与してくれる。つまみは桜の刺身、食事はもりそばか掛かそばを選んでもらうのがいい。

 

近親者や友人にとっては死は個人的なもの。元首相と云えどもそれは同じ。死んで花実が咲くものか。そっと送ってやればいいではないか。