統一家庭連合の入る建物に対する前日早朝の試射、数発の弾痕についてなぜすぐに報道されなかったのか。県警はなぜすぐに家宅捜索をしなかったのか。

参議院選挙が終わった。

自分なりの判断をして投票したが、やはり選挙区では記名した人は通らなかった。

 

きのう(7月11日)の東京新聞『本音のコラム』欄で宮子あずさ氏が、元首相の暗殺に触れていた。

その中で、容疑者が「特定宗教団体と元首相が近い関係であること」が動機という報道があったが、

 

「なぜか国内の新聞・テレビはその団体名を報じない中、海外メディアががようやく報じたその宗教団体は、安倍氏はじめ右派政治家との関係の近さは既知であり、すぐに納得できた。」(国内でも町山智弘氏などは伝えていたが)

 

しかし、そう書きながらこのコラムのどこにも統一教会とか世界平和統一家庭連合の名前は出てこない。

宮子氏自身の判断なのか、それとも東京新聞の整理部の判断なのか。

東京新聞も、この段階で特定団体名を出さない「報道協定」あるいは「忖度」の片棒を担いでいるのか。だとすればがっかりだ。

 

名前を出さないことに対して、テレビも新聞も報じない中、宮子氏の指摘は貴重だと思ったが、それ自体がまだ名前を隠しているというおかしさはだれしも感じたのではないか。

 

もう一つ、11日朝から、凶行の前日の早朝4時ごろ、統一家庭連合の入る殺陣もに対して容疑者が試射していたことが報道された。

建物のエントランスに数発の弾痕が見えたが、なぜこのことが当日、あるいは次の日に報道されなかったのか。

暴力団関連の銃撃事件ならばすぐさま報道され、近隣地域の安全確保が叫ばれるはずだし、なにより奈良県警察がこのことをつかんでいないはずがない。

かなり大きな音がしたという近隣の人の話をテレビで見たが、容疑者は同様の手製の銃器を使って試射していたようだ。

これはこれで大きな事件であるはずなのに,奈良県警が現場検証をしたのは7月11日…。

このタイムラグは何だ?おかしな話だ。

 

きのう夕方、統一家庭連合が記者会見を開いたという報道があった。youtubeなどには一部あるいは全部が載っているものもある。

内容にさしたる興味はない。元首相との関係を薄めて話すはずだからである。

 

この記者会見、かなり厳しい選別が行われていた。

 

会場に入れたのは、ジャーナリストの田中龍作氏は

「出席できるのは5大紙、キー局、通信社2社のみ。地元の奈良新聞やロイター通信も入れない状態。週刊誌、フリーなどが出席できるよう求め、統一教会広報と激しい交渉が続いている」とツイートした。

 

TBSの荻上チキの番組で聴いたのだが、入れなかった記者のreportは怒りに満ちていた。報道陣は激しく抗議を繰り返したというが、統一家庭連合側のそれに対する釈明は

 

「それなりに信頼できるメディアの方々に来ていただきました」

 

ふざけているとしか思えない。

 

しかしこのぐらいのことはやるだろうなと思う。質問も1社一本だったという。強い防御態勢に入っているということだ。隠さなければならないことがたくさんあるのだろう。

しかしそれよりも気にかかるのは、入場できたメディアが、規制がかけられたことに対してそのことを報じもしないということ。会場外でもめている声は会場の中にも聞こえているはずだ。カメラ1台をそっちに差し向けるといった判断ができないのだろうか。

 

「それなりの信頼できる」などというたわごとで選別されて、それきりにして口をぬぐうとしたら、それはメディアの責任を放棄した行為。

 

 

きのうから今日にかけて考えたことのまとめ。

① 東京新聞は宮子あずさ署名の記事に特定宗教団体名がなかった。出さなかたったのは宮子氏、東京新聞どっちの判断か?

② 統一家庭連合の入る建物に対する前日早朝の試射、数発の弾痕についてなぜすぐに報道されなかったのか。県警はなぜすぐに家宅捜索をしなかったのか。

③ 取材規制を得々と受け入れる大新聞、テレビ局は報道の自由についてどう考えているのか?

 

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いまだに私の一番の疑問は、どうしてあれほど手薄な警備体制だったのか、だ。