『偽りの隣人 ある諜報員の告白』邦題はつくりすぎ。旧東ドイツの秘密警察シュタージの盗聴を描いた『善き人のためのソナタ』を連想してしまう。が、韓国版はコメディだった。原題そのままでよい。

3週間ほど前に見た映画の2本目。

『偽りの隣人 ある諜報員の告白』(2020年製作/130分/G/韓国
原題:Best Friend/脚本・監督:イ・ファンギョン/出演:チョン・ウ オ・ダルス/日本公開2021年9月17日)

 

邦題はつくりすぎ。旧東ドイツの秘密警察シュタージの盗聴を描いた『善き人のためのソナタ』を連想してしまう。が、韓国版はコメディだった。原題そのままでよい。

 

軍事政権下の韓国で、民主化を求めて自宅軟禁された政治家と彼を監視する諜報員の正義を描いた社会派サスペンス。1985年、国家による弾圧が激しさを増す韓国。野党政治家イ・ウィシクが次期大統領選に出馬するために帰国した。空港に到着したウィシクは国家安全政策部により逮捕され、自宅軟禁を余儀なくされた。ウィシクを監視するため、諜報機関愛国心だけは人一倍強いユ・デグォンを監視チームのリーダーに抜擢。隣家に住み込んだデグォンは、24時間体制でウィシクの監視任務に就くことになった。デグォンは盗聴器ごしに聞こえる、家族を愛し、国民の平和と平等を真に願うウィシクの声を聞き続ける中、上層部への疑問を抱くようになる。(映画ドットコムから)

 

これだけを読むと、1985年の金大中氏の軟禁をなぞった映画に見えるが、政治性はさほどなく、安企部の執拗な弾圧という面だけが描かれる。

つまらなくはないのだが、映画として平凡。

最後はカーチェイス

どうしてこれがコメディ仕立てになってしまうのか。金大中をそのままにシリアスなドラマとなればそれなりの面白さがでてくるように思った。

いつも思うことだが、韓国映画には、どうしてこれをコメディにしたの?というのが時々ある。かと思えば、これでもかというくらいの残虐シーンてんこ盛りの映画も多い。極端といえば極端。