11月になった。今朝は薄曇り。10月には9℃にも下がった朝の気温は、今朝16℃。温かい。
投票から2日。衆議院議員選挙の詳細な結果が新聞に掲載されている。
勝ったのは維新。伸びたのはれいわ新選組。
31日は、横浜は冷たい雨のそぼ降る日和。神奈川県の投票率57.25%。私の地元の瀬谷区は52.70%。県内では川崎の川崎区が唯一50%を切っている。
全国の投票率は55.9%。戦後3番目に低いのだそうだ。
低投票率は自民党に有利と言われるが、自民党は今回17議席も落とした。投票率が高ければもっと落としていただろう。とくに与野党対決となった選挙区の僅差のところはオセロのようにひっくり返った可能性もある。それほど自民党に対する嫌気が表面化した選挙といえる。
しかし、一方の野党。立民を中心にとりわけ枝野などが「政権交代」を声高に叫んだが、選挙前の政党支持率を見れば、これが大きすぎる画餅であることは小学生でもわかる。
小ずるい自民は嫌だけど、大口叩く野党もなあという空気。
立民は14議席落とした。
分配か成長どっちが先かというつまらん議論の間に入って、これも分かったようなわからないような維新の「分配」のもとをつくるという主張に乗った人が多かったのか、維新派30議席を増やした。
その中でれいわが2議席増やした。すべて比例区。つまらぬしがらみがなく主張がストレートかつ明確なことが指示を呼んだと思う。
東京8区では、山本太郎が突然に立候補宣言したように思われたが、実際は1昨年から立民から打診があり、今回も互いに了解済みで公然化したのだが、地元吉田晴美の支持者からブーイング。枝野は知っていながら「山本が強引に・・・」と逃げを打ち、結果的には野党共闘をこわさないために山本が立候補を辞退するというかたちに。何が原因かといえば、明らかに立民内部の調整力不足。吉田が当選したとはいえ、なんだかなあだ。
地元神奈川。私は選挙区は仕方なく立民にいれた。菅野官房副長官の坂井学が僅差で当選。対抗馬の山崎誠は比例で当選。
このブログで「落選運動ではないが・・・」と二人の落選を祈念したのだが、結果は二人とも小選挙区で落選。
13区で自民党幹事長に就任した現金ポッポの甘利明が立民新人の太栄志(ふとり・ひでし)に5000票差で敗北。競ることはあっても逆転はないだろうという大方の予想を裏切る大逆転。甘利の幹事長辞任を呼び込んだ。
とはいえ、小選挙区で落選しても比例区で拾われるのはやはりかなりおかしい。民意に否定されているのに党意?で助かるのはどう考えても変。これでは「大物議員敗北帳消しシステム」。比例区は比例区での立候補とすべき。
もう一人16区の義家弘介。ヤンキーを僭称するへつらい男の落選を願ったのだが、結果は前回とひっくり返り、23000票余りの差で後藤祐一が当選。しかし義家は比例で議席を守った。成人式の議員紹介の順番はどうなるだろうか。
最高裁裁判官の国民審査、全員が信任されたそうだ。私の友人は、「長岡村の林」×をつけたという。夫婦別姓を基準にすると長岡村の林の✖が多かったのではないか。
政治への期待がほんとうに薄いのだと思う。
イギリス在住のブレイディみか子が書いている。
「英国では12月12日に総選挙が行われるのだが、今回はうちの息子の学校でも「スクール総選挙」なる催しが行われる。大人が総選挙で投票するのと同じ日に、全校生徒が学校の中に設けられた投票所で投票するというのだ。そのために、生徒たちはシティズンシップ・エデュケーションの時間に各政党のマニフェストを先生と一緒に読んでいるらしい。NHS(国民保健サービス)、EU離脱、教育、気候危機の4つの分野に絞って政策を読み、みんなで語り合ったりしているそうだ。
どうりで息子が新聞やネットで選挙関連の記事を読んでいると思っていたらそういうことだったのである。」
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2』(ブレイディみか子2021・9)から
出羽守になるつもりはないけれど、基本のキのところで、政治に対する向き合い方が違う。こうして中学生のどもが学校で学習していれば、親もうかうかとはしていられまい。
日本の学校で各政党の政策について議論をすれば、すぐに偏向教育の誹りを受ける。まして同日に投票をするなんてことをやったら、大変な騒ぎになる。
戦後教育は政治教育、市民教育を空洞化させてきた。「触らぬ神に祟りなし」でやってきてしまったということだ。自分を振り返っても、現場ではせいぜい「自分はこう考える」までで、「君たちはどう考えるか」までは踏み込んだことはなかった。情けないが。
今更どうにかなるものではないにしても、18歳で選挙権を得るのだから、中学生くらいから英国と同じくらいにシティズンシップ・エデュケーションがなされてもよい。「総合的学習の時間」というちょうどよい時間がある。「働くって素晴らしい」という労働の一面のみを強調する職業体験なんかに使うより、1票を投じるための学習に活用すべきだと思う。