衆議院選まであとわずか。終盤戦にさしかかったとマスコミはいうが、横浜のはずれの拙宅には、選挙運動はそのかけらも姿を見せない。
選挙区は神奈川5区。立候補しているのはまず自民党から、菅の官房副長官を務めた坂井学。菅の威光をかさに着て、官邸で大人数で会食を開いたり、横浜市長選では横浜自民党市連会長として官邸そっちのけで地元に入り、結果的に小此木は落選、その総括もほったらかしたままの人。新聞報道を見ていてもさほど人望のある人とは思えない。
立憲民主党からは山崎誠という人。元横浜市議。よく知らないが「脱原発」はしっかりもっている人のようだ。連合など労組つながりは薄い。
前回の神奈川5区は、自民党から坂井学、希望の党から吉岡憲史、共産党から横山征吾の3氏の争い。票数は、
坂井学 120068
吉岡憲史 67085
横山征吾 45497
この票数だけ見れば保革逆転の可能性は高い。菅の辞任、市長選の結果などを見ても横浜での自民党の存在感が薄まっている中では、山崎誠が票を積み上げる可能性はあるが、前回当選は比例。どんな人かよくわからないが、脱原発で判断するしかない。なにしろ選択肢が2つだけ。
選挙には落選運動というのがあるが、神奈川で落選してほしい人、二人。一人は甘利明。秘書の口利きによるあっせん利得処罰法疑惑~本人は100万円をポケットに入れている~から逃れに逃れ続けている。この人が自民党の幹事長。河合問題含めて自民党のでたらめぶりはさらに加速すること間違いなし。
神奈川13区。前回は3人候補がいたが、今回自民と野党統一の一騎打ち。野党統一の候補者は太栄志(ふとり・ひでし)という「名は体」の人。選挙区が接しているので、小田急線鶴間駅などで時々見かける。前回は希望の党から出た人。学歴はかなり立派(笑)ハーバードとか書いてある。
ここは綾瀬、大和、海老名など厚木基地を抱える選挙区なのに、甘利がずっと勝ってきた。かなり厳しいが、太くん、一泡吹かせることができるかどうか。
もう一人は義家弘介。言うまでもないヤンキー先生。横浜市教育委員、教育再生会議担当室長などを経て安倍の後ろ盾を得て自民党から当選。
とにかく「上」に行くためにはだれを蹴落としてでもと、ゴリゴリとやってきた。かつては北教組とも近い時期があったが、今では教育問題のすべての元凶は日教組にあるという主張。どっちでもいいけど、権力にこびを売るという点、教育、学校問題を悪用するという点でやはり落選してほしいひとだ。
神奈川16区は立憲民主の後藤祐一との一騎打ち。この人もあちこち党をうろうろしてきた人だが、今回は統一候補に。酒に酔ってタクシーで暴言を吐いたり、女性議員にパワハラがあったり、はたまた不倫のうわさなど、この人も人望的にはいかがなものかの人のようだが、
この二人にはいろいろ因縁がある。
笑ってしまうエピソード。
2013年、2人が選挙区の厚木市の成人式に出席した際の来賓紹介。
2012年の選挙で比例復活した後藤の後に紹介された義家は言うに事欠いて、
「民意、民主主義の否定だ」と抗議した事件。
自分は選挙区での当選なのだから後藤より前に紹介すべきだというのだ。その理由がすごい。
「器、ちいせー」の声が新成人から上がったのを覚えている。
自己顕示欲の塊というか、他人が自分を評価しないのが許せないのだろう。
横浜市の教育委員の時のエピソード。
友人が勤務していた某中学を視察しに来た義家、帰りのタクシーを呼んでいないことが分かったときにキレたという。俺を誰だと思っているんだ!といったかどうかは知らないが、とにかく「オレ様」君なのだ、この人は。
いずれにしても義家には、発言の当否を判断してくれる参謀のような人がいないのだろう。いたとしても参謀としての能力が低いか、ただただ御説ごもっとものひとかどちらかだろう。
居並ぶ二人。
選挙区内でいつもしのぎを削っているのだろう。
どっちも落選というわけにはいかないから、どっちかといえば義家の落選を望む。
東京オリンピックを前にいじめ問題で辞任した開会式楽曲担当の小山田圭吾という人物がいたが、義家は2015年に当時の文部大臣馳浩とともに月刊「正論」誌上で「体罰自慢」をしている。なぜこの二人が更迭されなかったのか、私はいまだに疑問だ。
4年ぶりの衆議院選挙を前にして大所高所からとは程遠い選挙コラム、ご無礼の段、お許しを。