『君は永遠にそいつらより若い』強烈な印象ではないが、ああこの映画たぶんずっと忘れないだろうな、と思った。

映画備忘録。10月25日。

映画を2本見て、歯医者に。それとケーキと日本酒を買って帰る。これがこの日の予定のすべて。シンプルライフ

『君は永遠にそいつらより若い』(2020年製作/118分/PG12/日本/原作:津村記久子/監督:吉野竜平/出演:佐久間由衣 奈緒/公開2021年9月17日)

芥川賞受賞作家・津村記久子のデビュー作で第21回太宰治賞を受賞した「君は永遠にそいつらより若い」を映画化。就職も決まり卒業を間近に控え、日常をただなんとなく生きていた大学生の主人公が、暴力や児童虐待、ネグレクトといった社会の闇と、それらに伴う悲しみに対峙することになる姿を描いた。児童福祉職への就職が決まり、大学卒業を間近に控え手持ちぶさたな日々を送る堀貝佐世。友人とぐだぐだした日常を過ごしていた彼女だったが、同じ大学の猪乃木楠子と知り合い、過去に痛ましい経験を持つ楠子と独特な関係を紡いでいく。そんなある日、友人の友人である穂峰直が命を落としことをきっかけに、佐世を取り巻く日常の裏に潜んでいた「暴力」と「哀しみ」が露わになっていく。【映画ドットコムから】

 

この監督の映画は初めて。

面白かった。

上のあらすじはやや表面的になぞっただけ。ちょっと違う印象。

若者は、自分の中の欠落に敏感だし、何とかしてそれを埋めようとして隘路にはまっていく。それは堀貝だけでなく、群像として描かれる。津村の原作の言葉一つひとつが巧みに脚本に埋め込まれていて、秀逸だと思う。とりわけタイトルがいい。どこで出てくるか、見てのお楽しみ。

小さないくつものエピソードがあざとくなくとってもよく効いていて、それら一つひとつが全体のテーマ性をしっかり形作っているようだ。

若い人が見たらこの映画、どんなふうに受け止めるのだろうか。

 

強烈な印象ではないが、ああこの映画たぶんずっと忘れないだろうな、と思った。

二人の若い女優、よかった。特に奈緒がいい。『草の響き』楽しみにしている。

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