広島平和記念式典、菅首相、原稿を読み飛ばして謝罪。読まれなかった部分とは‥‥。

菅首相あいさつは、1:23:26ごろから。 

 

8月6日。

菅首相、広島の祈念式典であいさつ原稿を一部読み飛ばした。

 

youtubeで確認すると、事前にテレビ局にわたっていた原稿のテロップ担当者が、菅の話す内容がテロップと異なることに気がついたのか、直後テロップは途切れ、カットした部分が終わったところで再び流れ始めた。

 

出だしから菅の滑舌は悪く、内容はテロップで捕捉されるような感じ。

少し調子が出てきたかなといったところあたり、

 

テロップは、

「広島および長崎への原爆投下から75年を迎えた昨年」

「私の総理就任から間もなく開催された国連総会の場で」

ヒロシマナガサキが繰り返されてはならない」

「この決意を胸に、日本は非核三原則を堅持しつつ」

「「核兵器のない世界の実現に向けて力を尽くします」と世界に発信しました。」

 

この「核兵器のない世界・・・」と行くところを「世界」は読まれず、「核軍縮」になってしまった。

 

核兵器のない軍縮の進め方をめぐっては各国の進め方に隔たりがあります。このような状況の下で、核軍縮を進めていくためにはさまざまな国の間を橋渡しして現実的な取り組みを粘り強く進めていく必要があります。・・・」

と話はつじつまが合わずに進み、テロップは

「世界に発信しました。」に続いて

「我が国は核兵器の非人道性をどの国よりもよく理解する唯一の戦争被爆国であり、」

を出したが、これが読まれず飛ばしたことを察知、その後のセンテンスについてはテロップを出さず、

被爆の実相に関する正確な知識を持つことは…」から

挨拶に合致したテロップが戻った。

 

結果として読み飛ばされた部分は、

 「・・・世界の実現に向けて力を尽くします」と世界に発信しました。我が国は核兵器の非人道性をどの国よりもよく理解する唯一の戦争被爆国であり、核兵器のない世界の実現に向けた努力を着実に積み重ねていくことが重要です。近年の国際的な安全保障環境は厳しく、」

ということになり、これに続いて上記太字部分「核軍縮の進め方をめぐっては…」につながるというわけだ。

 

 

菅は、自分が読み上げているものがつじつまが合わないと感じ取れていない。

ひどいものだ。

政治家にとって挨拶はいちばんの「見せ場」。そこでの思わぬ失態。多忙、疲労、加齢は言い訳にはできない。

口が重いのが菅の政治家としての「政治性」だったはずなのに。

 

このところ、発信力が弱いとか説明が下手だと言われる首相だが、これはあまりのていたらく。日本の新聞はともかく、外国のマスコミはこれを見逃さないだろう。

 

単なる読み飛ばしではなく、「指導力」の陰りとみる向きもあるだろうし、核兵器廃絶への不熱心さともとる向きもあるだろう。

その後の記者会見で菅は謝罪。トラブル対応としては早めの対応は必須だ。

 

さて、明日の新聞各紙はこの「読み飛ばし」どんなふうに論評するのだろうか。

 

 

と、ここまで書いて、まさか?とも考えた。

読み飛ばしたのは、

核兵器のない世界の実現に向けて力を尽くします」

「我が国は核兵器の非人道性をどの国よりもよく理解する唯一の戦争被爆国であり、核兵器のない世界の実現に向けた努力を着実に積み重ねていくことが重要です」

の部分だ。

まさか、わざとじゃないだろうな。

 

東京新聞夕刊は、「広島平和宣言全文」「首相あいさつ要旨」国連事務総長メッセージ要旨」を2面に掲載しているが、問題の部分はそのまま、話されなかったということは「なかった」ということだ。

共同も同じ。

 

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