私たちは、五輪の力や価値を過大評価していた。誰もが五輪が好きで、応援してくれるという感覚だ。おごりと言ってもいい。 今夏の夏の高校総体の中止が決まったとき、「努力は無駄にならない」「先の目標に向けてがんばろう」と発信するトップアスリートがいた。五輪が中止になっても同じように思えるだろうか。高校総体と五輪は違うというならば、それもおごりだ。(山口香)

「国民の誤解や疑念については真摯に説明してまいりたい。そのうえで改正案の内容については、一般職の国家公務員の定年引き上げに合わせて行われるもので問題ない」    

                                                                                              (森まさ子法相)

 

政治家というのは、やはり白のものでも黒と言い切る鈍感さが必要ということだ。

検察内部ですら仕事がしにくくなるとの反応。

一般職との合わせ技、自分たちがそう仕組んでおいて、あたかももともとそうなっているから問題なし、と。

 

官房長官は、11日午後8時で680万件を超えたTwitterでの抗議に対し、

 

「ネット上の意見は承知。コメントは控える」と。

 

安倍首相の犬を抱いた豪邸での動画に対し『35万件の「いいね」をいただいた』と嬉しそうに応えていた人が、680万件には意見を控えてしまう。

 

政府の専門家会議の副座長尾身茂氏

 

「感染者のすべてを補足しているわけではない。実際の感染者数がどれだけ多いか、実は10倍か、15倍か、20倍かというのは、今の段階では誰もわからない」

 

専門家会議がこのレベルだということだ。

 

それでも、国民のうしろで進軍ラッパを吹いているような首相に比べれば正直ということか。

 

結局検査の数の少なさに行きつく。

 

ードイツの「成功」は積極的な検査などの成果ですか

「大量の検査は、(ドイツの成功の)とても大きな要素です。新型コロナウイルスは、感染しても症状が現れない時期に他人にうつしてしまう。早い段階で多くの人を検査することに集中し、感染した人々を隔離できたため、感染の連鎖を防げています。」

             (集中・救急医療のためのドイツ学際協会のトップ

                       ウーウェ・ヤンゼンスさん)

 

ー欧州では、高齢者の介護施設での新型コロナウイルスの感染の広がりが問題になっています。ドイツではどうでしょうか。

「ドイツの高齢者の介護施設は非常に高いレベルで運営されています。医療の質は非常に高く、大半が十分な訓練を受けた職員で、医療行為も施設の監督も十分にできています。うまくできていなかったら感染者や死者数はもっと多かったでしょう。」(同)

 

いずれも朝日新聞から。

日本の専門家会議のナンバー2の発言と比べようもない。失策というべき。

 

5月7日の『バリバラ』世界7か国の障害者をつないでテレビ会議

「・・・医療がひっ迫するなかで起こりうる「命の選別」、障害者の命が軽視されてしまうことはないのか?世界から、日本の障害者の未来が見えてくる! 」

 

理念ではなく、現実を提示して見せようという心意気。

テレビ番組づくりの王道を行く。

 

韓国、感染者の数ぶり返しつつあるとの報道。

 

ルーマニアから戻った友人からメール。

ルーマニア日本大使館のHPをのぞいてみると、

 

内務省傘下の戦略コミュニケーション・グループの発表によれば,5月11日13時時点でのルーマニア国内での新型コロナウイルス感染者は,累積15588名、前日同時刻からの増加226名。また死亡者は、合計972名、前日からの増加20名です。感染者全体のうち、集中治療を受けている患者が255名、他方7245名が治癒しました。
また、この週末をはさむ5月8日13時の発表から上記11日同時刻の発表までの期間全体の推移は、感染者につき777名、死亡者につき74名の、増加でした。

 

同じヨーロッパでも国の対応によって大きな差が出てきている。

緩和が進むこれからだ。民主主義を守りながら、とするメルケル政権の真摯さがまぶしい。

 

雇用調整助成金、8330円から上限15000円検討との記事。

いまさら、かい。

検討している間に、つぶれるところや失業する人が日に日に増えている。

マスクも10万円も届いていない。

申請さえままならないさまざまな給付金。命をつなぐのが政治の責任。

 

9月入学論、各紙一斉に日本教育学会の声明を報道。

報道の流れは、9月入学論は慎重にとの空気に。

場当たり的に「それいいんじゃね」と呑み屋談議のように全国知事会あたりから始まった論議。引き戻しは当然のこと。冷静な議論が必要。

 

いつも世論の大勢に上手に乗って「人気」の尾木ママ。今度もマスコミの流れに乗って賛成論を展開したが、はて今度はどんな反応をするか。

 

柔道の山口香さん。JOCの理事で筑波大学教授。

柔道界のセクハラ問題のときは選手の味方で奮闘したと記憶している。

今朝の朝日新聞のインタビュー記事が面白かった。

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以下、抜粋。

 

3月下旬に開催延期が決まるまで、日本のスポーツ界が延期に関する議論をした記憶はない。

 

私たちは、五輪の力や価値を過大評価していた。誰もが五輪が好きで、応援してくれるという感覚だ。おごりと言ってもいい。

 

今夏の夏の高校総体の中止が決まったとき、「努力は無駄にならない」「先の目標に向けてがんばろう」と発信するトップアスリートがいた。五輪が中止になっても同じように思えるだろうか。高校総体と五輪は違うというならば、それもおごりだ。

 

部屋に閉じこもる今だからこそ、外の空気を吸い、身体を動かすことが楽しいと感じてもらえているのではないか。図らずも勝ち負けでない、スポーツ本来のありさまが見えてきた。

 

スポーツ関係者は「五輪をやりたい」だけでなく、専門家集団として「この状況ならば開催できる」という判断指標をつくっていくべきだ。・・・明確な基準を示し、決断の期限を設定できれば、社会からの信頼も得られるに違いない。

 

 

日本スポーツ界は慢心していた。延期によって、現実を見据えられた議論をする機会が与えられたかもしれない。

これが山口さんの結論。

 

これだけのことをはっきり表明できる人がスポーツ界にいてよかったと思う。

アスリートたちが、感動を与えることがわたしたちの使命、みたいなことを言うと

勘違いにしらける気持ちになる。感動はアンタたちに与えられるものではないよって。

 

アスリートらが自立した市民の一人として、自分の意見をしっかり言えるようになることがいま必要だと思う。