春分の日。朝から風雨激し。外の木々が強い風に揺れている。
昨日咲き出した桜のはなびらは散らずに残っているだろうか。
夜来風雨声、花落知多少
1・2行目は確か
ツンミンプーツィーシャオ チュウチュウムンティニャオ
カタカナで書くと何語かわからない。孟浩然は唐代の詩人、五言絶句、1・2・4が脚韻・・・脚韻というのはな、足で踏みつけると同じ音がするってこと、わかった?
そんな仕事をしていたこともあった。
寝過ごすことなどまずない。目覚ましも、ここ数年かけたことがない。早起きというより、寝ていられないというのが実際。
先週の木曜日、藤沢のかかりつけ医の定期受診日。朝から晴れ上がった温かい日。
一泊した病院の9階病室から見えなかった湘南モノレール、乗ってみたいという気持ちが湧いてくる。
11時半近く、二人で近くのバス停「瀬谷入口」から鶴間駅東駅行きのバスに乗る。
小田急線鶴間駅。境川を越え、大和市に入ると途端に米軍や自衛隊の飛行機の爆音が聞こえてくる。今日はいつになく数が多い。機影がはっきりと見える。かなり低い。
各駅停車片瀬江ノ島行き。30分ほどで藤沢駅。5分ほど停車。電車は進行方向を逆にして片瀬江ノ島方面へ。「本鵠沼」「鵠沼海岸」という駅がある。鵠沼女子高というところに仕事で来たことがあるが、はてどっちの駅だったか。江ノ電にも「鵠沼」という駅があるが・・・。調べてみると、もう鵠沼女子高という高校はない。2004年に男女共学の鵠沼高校になっている。最寄り駅は柳小路。
藤沢から江ノ電に乗って「江の島」で降りれば、モノレールの駅「湘南江の島」はすぐなのだが、すこしだけ海風に触れたいと思い、「片瀬江ノ島」江の島がつく駅も3つ。
竜宮城のような駅舎を出て、江の島を右に見て、10分ほど商店街を歩く。観光客、さほど多くはない。若者の数は多いが。
レトロな外観の江ノ電江ノ島駅の踏切を越えるとモノレールの湘南江の島駅。
5階までエスカレータであがる。大船まで行って折り返し、湘南深沢で降りて昼食の予定なので、1日フリー切符を買う。
どの駅名も耳にするのは初めて。高低差が結構ある。
湘南モノレール会社のHPのイラストだが、これは相模湾から鎌倉方面を眺めたもの。
江ノ電は手前、海側を走っていて、東海道線はモノレールの山側を走っていることになる。
単線、3両編成、懸垂式。
大船まで15分ぐらいだろうか。駅間は短く、すぐ次の駅に着いてしまう。
大船駅でいったん降りて、再度乗車。
藤沢に向かって右側、北側に先週入院した湘南鎌倉病院が見える。
湘南深沢で下車。どこでもよかったのだが、近くに蕎麦屋がある駅を探した。
歩いて1分。『そば処赤星(あかほし)』
14時近かったが、客の入りは8割。地元の人気店のようだ。Mさんはとろろそばの冷たいやつ、私は赤星定食。蕎麦はしっかりとしたコシがある。たれも甘くなくおいしい。
まだ時間があるので、近くのお寺訪問。
2,3分の所にある大慶寺へ。
鎌倉のお寺は臨済宗のお寺がほとんどだとか。同じ禅宗の曹洞宗とは座禅の組み方も違う。曹洞宗は壁に向かって坐り、臨済宗は人が向き合って坐る。今読んでいる『神奈川の記憶』(有隣新書・渡辺延志)にあった。
大慶寺は、鎌倉五山十刹のうち十刹に入る、かつては大きな寺域をもつお寺だったようだ。
すぐ近くの住所が「寺分」というのも、ここが寺域だった名残だろう。てらぶんとフリガナがふってあったが、じぶんとかてらわけという言い方も地域によってはあるようだ。
山門横に駐車場があり、立て看板に「監視カメラが見ています。無断駐車禁止」といったことが書いてある。わからないわけではないけれど、駐車場など持ったことのない身としては、つい「セコ!」と思ってしまう。監視カメラとお寺の取り合わせもおかしい。禅宗の修業を積めば無断駐車などお見通し・・・なんてことはないか。
山門がしまっていたので駐車場のほうから敷地に入ってみる。人気はない。裏のほうのお墓へ。最近、山を崩してお墓をつくったようだ。
大きな合同墓があり、その隣に動物供養のお墓も。どちらもまだできたばかりのように見える。
HPにはお墓のコマーシャル。観光客が訪れるお寺ではないから、いろいろ大変なのだろう。さほどの感慨もなく辞去。
駅に戻って再乗車。湘南大船駅はエスカレータだったが、ここは階段。かなり急。手すりを伝ってゆっくりとホームへ。
今度は藤沢に向かって左側の座席。富士見町の手前あたりで相模湾が見える。すぐ向こうが江の島だ。
改札を出たところに木製のテラスがある。お店も何もないただただテラス。北西方向の藤沢の町が望める。夜にはこんな光景となる。
歩いて30秒の江ノ電乗り場。Mさん、売店で江ノ電を模した缶に入ったせんべいを買う。孫へのお土産のようだ。
藤沢まで5駅。柳小路という駅名。よさげな居酒屋がありそうな。
車内は学生でいっぱい。鎌倉高校の生徒たちだろうか。久しぶりに「密」を感じる。
湘南モノレールの小さな旅はここで終了。いつもの街並みを眺めながらPクリニックへ。
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