3月の『Let' come together! バリアフリーコンサート』が22日にフィリアホールである。
昨年10月、11月、そして今年に入って1月、2月と続いてきた。
このコンサートを主催しているのは「愉音‐YUON」というNPO(たぶん)のグループ。HPには
「開こう音楽の扉」とあり、
私たち愉音-YUONは、SDGs(持続可能な開発目標)とSTEAM教育の理念をもとに、
バリアフリーで触れる参加型の音楽体験を提供し、生涯にわたる心身の健康や、
地域におけるつながりの厚みを増すきっかけを作ることを目的とする団体です。
と自己紹介が載っている。活動内容については
生き生きとした生命力にあふれる音楽にたくさん触れた子ども達は、その音楽から影響を受 け取り成長をします。食べるもので身体ができていくように、音楽は子どもの心を育む大切な栄養の一つです。愉音-YUONではバリアフリーで触れる参加型の音楽体験を提供し、生涯にわたる心身の健康や、地域におけるつながりの厚みを増すきっかけを作る事業活動を行ってい
ます。
とある。主な活動は、午前と午後の部の二回、親子のグループを迎えてステージに上がってもらい、演奏家の間近で音楽に触れる体験をしてもらうというもの。
私も一度だけご厚意で午後の部をのぞかせてもらったことがある。
普通のコンサートの雰囲気とは全く違って、アットホームな空気の中でコンサートが進行、おしゃべりも立ち歩きも「あり」で、子どもたち(幼児)はリラックスして音楽に接することができる。
ありそうでなかなかない取り組み。私がいいなと感じたのは、子どもたち相手でも演奏のレベルがかなり高いこと。これがまず一番。内容が必ずしも子どもたちのところまで下りて行ってそこに合わせて、ではなく、クラシック音楽のとりわけ19世紀から20世紀の音楽を中心に、子どもたちがあまり耳にしたことのないものを取り上げていること、もう一つは日本舞踊の藤間蘭黄さんや今回の演劇・ダンスの佐藤碧夢さんなど、身体的な動きをコンサートに取り入れていることだ。
後援には青葉区役所や駐日ハンガリー大使館が名を連ね、あおば地域サポート補助金交付事業の支援を受けている。ピアニストの福島有理江さんが代表を務めて、ボランティアの方たちが裏方で支えている。
運営はお金も含めてらくではないと思うが、こころざしは高く、夜に開かれるコンサートも毎回若手の優れた演奏家が登場、十分に楽しませてくれている。活動がもっと広く知れ渡り、たくさんの子どもたちやクラシックファンが足を運ぶ、そんな取り組み、場になってほしい。
2月28日夜の部は、ブラームスの『クラリネットソナタ1番』、フォーレ『夢のあとに』ラフマニノフ『ヴォカリーズ』、バルトークの「44のヴァイオリン二重奏曲」より4曲。休憩後、ストラヴィンスキー:兵士の物語 トリオ版1曲~5曲。
佐藤卓史のピアノ、松本紘佳のヴァイオリン、コハーン・イシュトヴァーンのクラリネットそしてダンスに佐藤碧夢。佐藤は松本ともにSFC在学中。演劇ユニット「さくら煙突」を結成。精力的に活動しているという。
物語は、給かに帰る途中に兵士が悪魔と遭い、ヴァイオリンと金の生る本の交換を持ち掛けられ、悪魔の家で3日間を過ごす。外界では3年が経過して…。兵士は悪魔からヴァイオリンを取り戻し、病の王女を目覚めさせる…。
4人の演奏と演技、圧巻だった。動画でぜひ。
アップされていた動画、開かない。残念。